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イレギュラーな家族  作者: 高橋 歩夢
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1.母の思い

家族って何でも相談できる存在ですよね? 家って一番落ち着く場所ですよね? 兄弟って一緒にいて楽しいですよね? 両親って頼りになりますよね?



普通の家族ってそういうものデスヨネ・・・?


1.   母の思い

私はとてもいい家に生まれたと思っている。だって、周りの人たちがみんな羨ましがるほど仲良しなんだもん。本当は仲良しじゃないのに、ね。 でも、周りがそろってそう言うもんだから「仲いいのかな?」って錯覚しちゃうじゃない。自慢できる家族なんだって。

 「私の家は4人家族 まるでコーヒーとミルクのような 仲良し4人家族なの

 私の家は4人家族 私が死ぬまでずっと家族 いつまでもいつまでも」

小学校6年生のとき、授業でこんな詩を書いたことがある。それぐらい自慢に思っていた。


でも、実際は仲良くなかった。

母は私が嫌いだ。そして父のことも嫌いだ。息を吐くことのように 「あー、離婚したい。」と呟いている。恐らく幼稚園を卒業したあたりから聞かされている。何度そのせりふを聞いたことか。そのたびに思う、「彼女はなぜそれを口にしてしまうのか。彼女はいったいどんな言葉が欲しいのだろう。」と。最近では、結婚指輪をしていない。母だけでなく父も。もうその時が近いのかも知れない。

そして、母は私に対しても「お前のことはもう諦めているから。」「お前を産んだ覚えはない。」「金泥棒」などと言う。物心ついたころから言われ続けているから、私からすれば当たり前、日常のことだ。だけど、ほかの家では当たり前じゃないみたい。「かわいそうだよ。」 ですって。 でも、何がかわいそうなのか最初は分からなかった。だって、それが私の思ってた「家族の形」なんですもん。


母は、私の弟がかわいくて仕方がなかった。私と弟は4歳離れていて、今は小学校6年生。6年生だってのにまだかわいいんだって。私が6年生の時は、「あんたには期待してない」 とか言ってたのにね。こんなにも違うものかね、姉弟って。どのくらいかわいいかって?一人でおつかいに行かせないほどかわいいんだよ。もし事故にあったら大変だからね。


つまり、母にとって、私と父は消えて欲しいってわけ。弟さえいれば。


親に見捨てられている私は、小学3年のときにふとあることを考え始める。



   「何のために生きているのだろう。生きていていいのカナ。」



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