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幻影(旧タイトル:七変の幻影)  作者: 新染 因循
文学フリマ短編小説賞応募作品
5/7

推敲

1.燦爛たる満月は去れど

 いまだ夜の情熱は醒めず

 群青は散りてたゆたふ片雲へ。

 やうやう彼方へ沈む夢

 鮮烈なる輝きは、なれど

 流れるそよ風に、とばしらず。

 露薫りし草原は何処へ

 またたくに及ばざる我を

 いざなっているのであらうか。


2.一筆によりて綴らば

 我は脳裡で、狂乱に踊れど

 なほ気高き女神、その肢体を

 雁字搦めに奪い、黒墨が鎖で

 紙といふ牢獄へ縛りやり

 耀きより編まれた天の衲衣は

 はかなき麻布へうらぶれる。


3.今宵 我が 焚火 へ

 萎えばみし紙をほうほうと投げ入れば

 天へたち昇る一筋の烟。

 されど、なほ、人智及ばぬ

 曇ることなき八十神が晩餐を思ひ、

 我はかの神を陳腐なる風姿より

 解き放たむ。


4.ふと木の弾ける音に、異な色気を知り、

 芳ばしさ烟る夜、薪ねぶる灯火が一つ

 沸き立つやうなる舞踏へ誘って。

 狭き現つ世のほか、煤こけし地を踏みて

 いま暮れゆく夜闇に、沈黙は猶予ふ。


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