私のヒーロー
私用でバタバタしてしまい、投稿が遅れてしまいまして、本当に申し訳ありません。
村の子供たちは、グレンの発言にキョトンとしていた。そして、しばらくの間を置いた後に一人が返答する。
「何言ってるんですか。ちゃんといますよ。これで全員です」
しかし、その返答にこの場にいる全員が頷いたわけではなかった。数人は明らかに違和感を感じているような表情をしている。
その反応を見たせいか、自信ありげに肯定した子供たちも不安になって全員がいるか点呼を取ることにした。
点呼を取り始めて2、3分。そろそろ終わったかなとグレンが考えていた時、子供たちの辺りがざわざわし始めた。
「どうかしたか? や、やっぱり誰か足りなかったのか‼︎」
さっき、全員いると答えた子供は実に居心地が悪そうな様子でその重い口を開いた。
「はい••••••、グレン様の言った通りです。点呼をとってみたら一人足りなかったです。••••••ごめんなさい、完全に僕のミスです」
「今は責任の所在はどうだっていい。誰がいなかったんだ? この場にいないその一人とは、いったい」
その名を聞くまでに、いったいどれほどの時間が経過したのだろう。誰もが固唾をのんで見守っていた。そして、ようやく誰もが知りたかったその名前を答えた。
「エディス、でした。この場にいない一人は」
その名を聞いた瞬間、全員が凍りついた。それもそのはずだ。エディスはふわふわしてて、村で一番気が抜けているという印象を持っているためである。それにもうじき夕暮れ。
「(かなりまずいな。早いとこ探し出さなきゃ、何があるか。いや、マイナスな方向に考えないほうがいいな、この場合。とにかく指示を出そう)」
「もうすぐ、辺りも暗くなる。まだ年少の子は村に戻ってないか見てきてくれ。いなかったら、大人たちに知らせてくれ。年長の子はこの辺りを探してくれ。でも、日が落ちる前に必ず撤退するんだ。いいな」
「分かったよ。けど、グレン様はどうするのさ?」
「俺は奥を探してくる」
「そんなの危険だよ。大人たちが来るまで、僕たちと一緒にこっちで探してようよ」
その言葉に、今度は全員で頷く。
しかして、グレンはというと。
「心配するな。日が落ちる前には俺も戻る」
「でも••••••、」
「それに、いくらエディスといえどこの時間に戻ってこないのはおかしい。もしかしたら、何かトラブルに見舞われたのかもしれない。だから、できるだけ早くこのことを大人たちに伝えてくれ。頼んだぞ、皆」
年少の子たちは強い決意を胸に、年長の子たちは渋々といった表情で行動を開始した。
一方、少し前の時間に遡り、当のエディスはというと。
「遅いな〜、グレン様。あと少ししたら夕暮れだし、ここから移動して皆を探そうかな〜」
だが、ここでグレンの予想が不幸にも的中する。
「ンっ。あ、足を怪我しちゃった。これじゃ、歩けないよどうしよう」
整ってない状態の森の中であったため、段差がある部分で足首を捻挫してしまったようだ。歩くことさえままならないため、誰か来てくれるまで待つしかなかった。しかし、待てども待てども人は来ない。
「このまま、誰も来ないなんてこと、無いよね」
そして、現在。
ぎこちないながらも、なんとか歩けるまでに回復し移動を始めていた。
「皆、ひど〜い。グレン様も探しに来てくれないなんて」
時間はかかるが、夜になるまでには村に帰れるスピードで歩いてくエディス。
しかし、ハプニングとは得てしてこういうときに起こるものである。
「あれ? 今何か音が、気のせいかな」
エディスが事前に察知するが、その甲斐虚しく事故は起こった。
「きゃあああぁぁぁ〜。地面が割れて••••••このままじゃ、わた、私は」
これから、忙しくなるため投稿が遅れることが多々あると思いますが、変わらずご愛読いただけると嬉しいです。