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不良だけど異世界行ったら親孝行します。  作者: 腋臭はバラの香りでした。
第一章
3/3

第二の家族

誤字脱字の報告まってるにゃん。

イーラに転送され翔太は三人の大人と二人のメイドが一つのベッドを囲んでいるところへと飛んだ。

ベッドの上には5~6歳ぐらいの痩せた男の子がいた。

この子が自分に死後体を譲ってくれる子なのだろう。

その周りでは両親と兄弟と思しき人が仕切りに何かを言っている。

言語が地球と違うのか何を言っているのか理解できない。

でもその顔は悔しげで、悲しさを宿している。


「イーラ様の話だとこのベッドで眠っている男の子が死んだら勝手にその体に吸い込まれるんだったな。

そうしたら自動でさっきもらった力が宿されると。」


そうやって様子を伺っていると重々しい雰囲気がさらに重くなった。

ベッドの上で何かを男の子が振り絞って喋っている。

喋り終わると男の子の体から光るおぼろげな球体が出てきた。

おそらくこの子の魂なんだろう。


魂が抜け出て数瞬遅れて翔太の魂が抗うことのできない力で体へと引き寄せられる。

その時少年の魂と触れ合った。

彼の宿していた感情、俺に伝えたかったことが流れ込んできた。

「お父さんとお母さんに親孝行してあげてください。僕が本当はしてあげたかったけど、無理だからね。

だから、よろしくお願いします。」

言語が違うはずなのに頭でそういっているのがハッキリと理解できた。


「まかせろよ、お前は何も心配しなくていいさ。」


・・・・・ありがとう。



そして一瞬の少年との交じり合いの後翔太の魂は体へと入った。




_________________________________

「不甲斐ない父さんでごめんよ。ごめんよぉ。」

「いやぁぁ!死なないでよぉぉぉお。ハァンアァァァ。」

「死ぬな!まだ俺に勝つっていう約束をお前は果たしてないんだぞぉぉぉ!」

そんな半狂乱的な声が翔太の耳に入る。


そして体を動かそうとしたとき目も開けていられぬ程の光が体を包みこんだ。


頭の中にこの体の本来の持ち主であった男の子の記憶と感情がなだれ込んでくる。

そしてそれらの情報を整えた翔太は目の前にいるのが自分の両親と兄弟であることがわかった。

頭で本当の両親じゃないけどな。と思っては見たが本当に自分の両親としか見れない。


イーラ様の言っていた感覚ってこういう感覚なんだな。


この体の名前はテルロ。俺は今日からテルロだ。

父の名前はゲオルグ

母はマルシア

兄の名前はトーリン

今日から俺の家族だ。



今度こそ本当に体を起こそうとしたら体がなぜか動かない。

どうやら家族たちが俺の体を抱いているせいで動けないようだ。


「あの、父様、母様、動けないのですが。放してくださいませんか?」

そういわれた両親たちはきょとんとしてしまっている。


この体のおかげで言葉の意味が理解できる。

もちろん話すこともだ。


しかし父親は早期に復活した。


「おぉ、テルロよ。死んだかと思ってしまった。

無事だったか・・・・無事だった。」


どうしよう。なんだか生き返ったと言って嘘をつくのは嫌だが知らぬが仏、少し脚色して話そう。

「父様、僕は死にました。」


「ははは。マルシアよ儂は幻覚を見ているようだ。テルロが生きているように見えるわい。」

「あなた、大丈夫私もしっかりと同じ幻覚を見ています。」

「お前もか。」


どうやら二人とも俺をまだ死んだきでいるようだ。

さっきの言い方が紛らわしかったけども。


「父様、母様。僕は今はちゃんと生きていますよ。」


そして先ほどまで静かにしていた兄が言った。

「本当にテルロが生きているんだ。これは神の奇跡に違いない。」


「はい。兄様。僕はちゃんと今は生きてます。

死んだときに女神さまが僕はこれから魔王を討つ存在。ここで死なれては困るからと健康な体に作り替えてこちらへ魂を戻してくれました。だから父様、母様もう泣かないでください。」


『神からの加護か!?』

三人の声が重なった。


「テルロよ、それは本当か?もしかすると加護が付いているかもしれん、体調的につらくないなら今から神殿に行かぬか?」

「はい父様。すぐに行きましょうどうやらまだ日は暮れてはいませんし。」

窓の外の夕焼けがやけにまぶしい。


「わかった。お前たち!馬車の用意をしておいてくれ!」

『承りました、旦那様。』

そう言い残して父は準備の為に外へ行ってしまった。


「テルロ。あなたは神から何をしろと言われたの?」

「そうだな、俺もそれが知りたい。」


「神様。イーラ様という女神さまからこの世界に居る魔王がこの世を終わらせる可能性がかなり高いので倒せと言われました。

僕が選ばれた理由は魂の輝きがとても強く現状この世界で魔王に対抗できるのは僕だけらしいです。」


「そう、そんなことが。わかったわ。とりあえず神殿に行ってらっしゃい。」


そうして母と数分本当によかっただの、心配しただの話していたら父の声がした。

「おーい!テルロ!行くぞ~!」

ずいぶん呑気なものだ、先ほどまで息子が死にかけていたのに。

ま、暗いよりはいっか。

「はい父上!今行きます!」


外に出ると装飾が少しだけされた馬車が置いてあった。

「さぁ、行こうか。」


「行ってらっしゃい。無理はしないでね。」

「気を付けて行って来い。」

『行ってらっしゃいませ。』


大勢の人に見送られ教会へ向かった。



馬車から街並みを見ていた。

この世界。プレイルは建造物のレベルは中世ヨーロッパほどである。

道も国の管理する道のみ固められ整えられている。

その他の道はレンガなどで舗装されておらず、国道に比べるとすこし荒れている。

そんな道を15分ほど進んでいくと大きな建物が見える。


きっとこれが教会なのだろう。

「テルロ、見えてきたぞ。降りる準備をしときなさい。」

「わかりました。」


教会について馬車を降りた二人は教会内にいた。


「これはこれはゲオルグ様。本日はどういった・・・・・・・」

神父さんがこちらを見て驚いている。

この神父さんはこの体を何回も検診してくれた人だ。

「テルロ君を連れだすとはどういうことですか!絶対安静と言ったではないですか!」

俺の姿を見て神父さんが激昂している。

そこまでひどかったのか。いや、死ぬほどだったから当然か。

「グラス神父よ、これにはいろいろ理由はあるがテルロは回復したんだよ。」

そういうとまた、父がすすり泣きをし始めた。

「どういうことですか?とりあえず、体を見てみます。」

そういって神父さんが手を体にかざした。


「「我は問う、かの者の体を巡りて異なるものをさらし出せ。」」

神父さんの掌がうっすらと光俺の体の中に何かが入り込みすぅ。っと無くなった。

「本当の様ですね。もしかすると、天使やなにかからの加護かもしれません。いったんステータスを見てみましょうか。

テルロ君、自分の心臓の上に手を置いて、ステータスと唱えて。」

初の異世界要素だ。少しわくわくする。

「「ステータス」」

すると目の前に大きな紙が現れた。

中身はこちらの文字でこう書かれていた。


種族 :人種

年齢 :7歳

レベル:3

名前 :テルロ=フレドリック

状態 :正常

職業 :勇者(未開花)

体力 :513  (+20000)

魔力 :80000(+20000)

筋力 :402  (+20000)

知力 :2012 (+20000)

運  :65   (+20000)


スキル

○絶対記憶;記憶したいと思ったものをすべて記憶できる。

○体臭変化:体臭をジャスミン、バラ、ラベンダーに変化できる。

○全属性魔法親和:すべての属性に適正。

○無詠唱;頭に思い浮かべるだけで無詠唱使用可能。

○スキルクリエイト:自分でMP消費によりスキルの作成。及び、お互いの了解により譲渡可能。

(ただし、能力作成で自身が持っておける能力は10個まで、他人は3個まで保持可能。)


加護

○イーラ神の加護 (全能力にプラス20000の恩恵)

○勇者の卵 (世界が勇者として見てめた場合能力値に×2の恩恵。卵では恩恵は無し。)

○プレイルの加護 (世界を救うものに与えられる。2度までは即死せずに蘇生する。)



なんという大盤振る舞いか。このステータスを見て神父さんもフラフラしている。

「こ、これはすごいとかじゃないですよ。天使や、龍などの加護ではなく神からですか。」

もはや何を言っていいのかわからず溜息を頻繁にしている。

「テルロ、お前は本当に勇者になるんだな。そうか。」

父はそれ以上言わず。俯いてしまった。

「父様、父様や母様にいただき、イーラ様に守ってもらったこの命無駄にはしません。だから僕が魔王を討つことを許可してはくれませんか?このままでは僕の大好きな人達が死んでしまいます。

僕は力があるのに何もしないなんて嫌です。」

父は俺の言葉を聞き決心したようだ。

「そうか、わかった。ただしこのことは誰にも言うな。きっとバカな奴はお前を狙ってくる。

嫉妬、そしてお前を奴隷にして成り上がろうとするものいろいろだ。

母にも言うな。

神から強くなるためにどうしろとか言われているか?」

「分かりました。そういうことなので神父さんも内緒でお願いします。」

「もちろんです。私はこの場に居れたことを誉に思います。」

「ありがとうおざいます。それで父様、僕はイーラ様に魔法を学べ、剣術を学べ、そして多種族。エルフや獣人、ドワーフに会えともいわれました。」

「わかった。ちょうどお前も今年で魔法学園に入学できるようになった。だからそこで魔法について存分に学んで来い。

剣術は魔法学園に入学するまであと5月あるそれまでにみっちり基礎を叩き込むそこから先は紙に記しておくから自主トレーニングに励め。

卒業後はお前の自由に強くなるよう旅でもするといい。さみしくなったらいつでも帰ってくればいいしな。」

「はい。わかりました父様。それじゃあ明日から剣術の指南よろしくお願いします。」


こうして翔太の新しい生活が始まった。

ちなみに、平均成人男性はすべてのステータスが100前後と認識しておいてください。

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