キララ.
思えば、僕とキララはいつも一緒にいた。
それでも、成長と共に、彼女は僕のことを避けるようになっていった。
生まれてから、ずっと一緒にいたキララに避けられる理由が、そのころの僕には分からなかった。
まあどうせ、同級生にからかわれるのが嫌だったんだろう、と今の僕は考えることができる。
それにしても、今目の前にいる彼女は知らぬ間に随分大人になったようだ。
「…なんでいるのよ。」
「なんでって?キミに会いに来たんじゃないか!」
「かえって。」
「いやだね。」
「目障りよ。」
「ハハ、それは申し訳ない。」
「かえって。」
本当に僕が目障りなんだと分かるほど、軽蔑の目で見てくる。
でも、そんなんじゃ僕は引き下がらないよ。
「相変わらずきれいな羽だねぇ。」
純白で、ケガレを知らない。日に反射してキラキラ光る。
彼女の羽を見て見惚れなかった奴なんて、僕は知らない。
「フォールの羽よりは、何億倍もきれいよ!」
「当り前じゃないか。キミのは、この世界の誰よりもきれいだ。」
分かり切ったことじゃないか。
僕の羽がキタナイなんて、赤ん坊でも分かる。
「褒めたって、私のあなたに対するモノは変わらないわよ。」
「そんなの知ってるよ。」
彼女のイライラが、徐々にピークへ近づいている。
ここで怒らせたら、彼女の家族に申し訳ないね。
「仕方ないなぁ。今日は、これで失礼するよ。」
「もう二度と来ないで。」
「バイバーイ!」
去り際に彼女へウインクをしたら、思い切り睨まれたのは言うまでもない。