1/3
プロローグ
「…あなた、なんでここにいるの。」
僕の背後から、懐かしい声がした
「やあ!久しぶりだねぇ!」
軽く挨拶を返すと睨まれる
「さっさとかえって。あなたの顔なんて、二度と見たくないの。」
「ひどいなぁ。オサナナジミじゃないか!」
「あなたと一緒にいたら、私の羽が汚れるわ。」
彼女は、僕の灰色の羽を見ながら言った
「一時でも、悪魔になろうと思った人と関わりなんて持ちたくない。」
「……そりゃあ、残念だ。」
彼女はきっと、いや、確実に僕を軽蔑している。
僕は、昔のように話したいのになぁ。
僕が踏み外して、壊れてしまったカイダンは、もう元には戻らないのかな。