きっかけ
いつもと同じ、日曜日。だけどあの日はちょっと特別だったんだ―――。
――ピリリリッ♪
朝。携帯の着メロで起きた。ぅるっせぇ…誰だよ、俺様の貴重な睡眠時間を奪う奴は…。なぁんて、思いながら携帯を手に取る。
着信:智也
本文:王子ィ、今日暇ァ?暇なら久しく遊ぼうぜよ〜★
親友、智也からの意味不明なメール。今日は日曜日。確かに暇だ。全国の学生の八割程が暇する日曜日。俺もその八割のなかの一員だ。彼女もいねぇし勉強はしたくねぇし。久々智也と遊ぶのもいいな。なんて思って。
返信:いいぜよいいぜよォ〜★てか、どこいくん?
ピリリリッ♪
着信:智也
本文:モチ☆ご・う・コ・ン♪
…えっ?なんだよ遊ぶんじゃねぇのかよ!てか智也には愛しの恵理ちゃんがいたはず…あ、もしや破局か?たぶんそうだ。まぁ、いいや。断ったら暇になっちまう。気晴らしに行くか!
返信:マジ?わかった。じゃ場所は?
適当に5、6通メールをかわして着替える。
合コンは実際あまり乗り気ではないが、たまにはいいだろう。それに彼女だって欲しくないわけじゃない。おい、これは別にいやらしい意味じゃないぜ?一般的な男子高校生の意見です。手早く着替え、家をでる。待ち合わせ場所まで約10分。家にいるのが嫌いな俺は、ちょっぴり早めに家をでた。案の定、待ち合わせ場所に智也はいるはずもなく、ジュースを飲みながら少々暇を食らうはめになった。缶ジュースを飲み干し、缶を片手でつぶす。と、同時に、
「王子ィ!!早いな!」
と言いながら駆け寄ってくる智也が視界に入る。あ、ちなみに王子は俺のあだ名。学校一の美形らしい。一部の女子から広がり、今では後輩からでさえも《王子先輩》と呼ばれている。あまり気に入ってないが、面倒なので何も言わないことにしている。俺的に、隣のクラスの斎藤のほうが美形だと思うのだが。ったく…女の神経は分かんねぇ…。
「――子…王…崇史っ!!!どした?ぼーっとしてさ!」
「あ、あぁ、いや、ごめん!そぅいや今日って男俺ら二人だけなん?」
「あ、そうそう!あと一人来るぜ★現地集合なんだよ。誰が来るかはお楽しみ!さ、早く行こうぜ!」
誰だろぅ…とかちょっと気になりながら、俺たちは歩きだした。
あー…一話目のくせして長くてスイマセン…てか生まれてきてごめんなさいっ…笑