虚空の英雄
これまでか・・・
偽りを真実に
悪を正義に変えていこうと決意したが・・・。
暗い人ごみの中で光りを探し求めた
人の心は無限の奈落のように落ちていた。
空を見上げる
雲のすき間から月明かりが照らしていた。
『月』それは忠実な証人
そこにあり、そこにまた戻ってくる。
暗い夜空をひときわ輝き地上を照らす。
空にあるあの月のように私はなりたかった
だが私はなれなかった。
ただ、ただ弱々しいロウソクの光りでしかなかった。
『本当にそう思うか?』
―事実だ
『その弱々しい光りで照らせる人はいなかったか?』
―いる?いない?わからない、居なかったはずだ
『それは自分に嘘をついていないか?』
―わからない
『お前は考えろ!!』
―私は考えた
『だが解らないか?』
―考えたすえにわからなくなった
『その光で大切な人を守れたはずだ』
―大切な人。守った。だが今はいない。
『なぜ?失った?』
―自分が弱かったから
『なにが?足りないとおもう?』
―チカラ、ココロ。すべて足りなかった
『それがありったけあれば守れたか?』
―わからない、やってみなければわからない。
『やり直ししたいか?』
―どちらでもいい
『この現状を塗り替えられるか?』
―わからない
『では止めておこう』
―研究報告―
人類最新の英雄『C08A』
2011年3月11日
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