表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Calling  作者: 式部雪花々
92/94

第44話 第二ボタン -2-

「鈴、どうしたんだ?」


正門を出てから鈴と手を繋ごうとすると、どうも彼女の様子がおかしかった。


なんとなく元気がない。




「……」


というか、さっきからずっと無言だし、何も答えようとしない。




「鈴?」


顔を覗き込んでみると、ちょっと不機嫌そうな顔をしていた。




(俺、なんか怒らせるような事言ったっけな?)


「……なんか、怒ってる?」




「いえ……」




(……? 怒ってないとすればなんなんだ?)


手だって全然握り返してきてくれないし。




「体調悪いとか?」


(風邪でもひいたのかな?)


その質問にも鈴は首を横に振った。




(怒ってもない、体調も悪くない……じゃあ、後はなんだ?)




もしかして、そんなに待たせたつもりはなかったけど部室棟で


かなりの時間待っていたんだろうか?


それで本当は怒ってるとか?




(いや、でも俺が手招きして呼んだ時は嬉しそうな顔で駆け寄って来てたしなー)


いくら考えても思い当たる節がない。


ここはどこかゆっくり落ち着ける所で話すしかない。




「鈴、まだ時間ある?」




「はい」




「じゃあ、ゆっくり話したいからどこかに入ろう」


そう言うと鈴はコクンと頷いた。




それに渡したい物もあるし。




俺は鈴の手をいつもより少し強い力で握り直した――。






彼女と一緒に駅に向かって歩いている間も“コレクター”達が横断歩道や


コンビニの前で“カモ”を待ち構えていた。


彼女達はみんな小さな紙袋を手に持っていた。


おそらく、その中に第二ボタンを入れているんだろう。




(一週間後にはあれが全部ゴミと化して燃えないゴミ行きになるんだろうなー)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ