表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Calling  作者: 式部雪花々
84/94

第40話 Happy Merry Christmas -1-

「……あ、そ、そだっ、私も先輩にプレゼントがあるんですっ」


チョーカーを着けた後、あまりに似合っていて可愛すぎる鈴に見惚れていると、


今度は鈴が俺にプレゼントがあると言った。




「クリスマスプレゼントです」




「わぁ、ありがとう」


(……て、デカッ)


鈴からのプレゼントは思ったより大きいものだった。


会った時からなんか大きなショッピングバッグを持っているなと思っていたけれど、


まさかそれが俺へのプレゼントだとは思わなかった。






鈴から貰ったどこかの雑貨屋らしきピンクのショッピングバッグの中には


赤と白のストライプのリボンでラッピングされた物とは別に、もう一つ紙袋が入っていた。


それは俺もよく知っている有名なスポーツ用品店の物だ。




(え? 二つ?)


スポーツ用品店の紙袋の中はいつもと違ってクリスマスプレゼント用に


ラッピングされた物が入っていた。






     ◆  ◆  ◆






「こ、これって……っ」


プレゼントの中身はサッカーチームのユニフォームだった。




「先輩が好きな選手の人ってその背番号でよかったですか?」




「う、うん。まさにこれだけど、よく手に入ったなぁー?」




「それがですねー、昨日、私がお店に行った時にたまたま


 入荷したばっかりだったですよー」




「マジで?」




「はい、それで確か先輩が好きだって言ってた選手がいるチームじゃないかなぁー


 と思って。でも、選手の名前もよく覚えてなくて店員さんに聞いたら


 これじゃないかな? って教えてくれたんです」




「す、すごい幸運……」




「なんか店員さんも運が良かったねって言ってたんですけど……、


 これってそんなに手に入らないものなんですか?」




「うん、このユニフォーム、今、ショップでもなかなか手に入らないし、


 ネットオークションでも高額で取引されてるんだよ」




「えー、そうなんですかー? 全然知らなかった」


鈴はこのユニフォームがどんなに入手困難な物かまったくわかっていなかったみたいだ。




「すごいよ、鈴、ありがとうっ!」




「えへへ、喜んで貰えてよかったです♪」


鈴は嬉しそうに笑うと、


「後、こっちはおまけです」


もう一つの赤と白のリボンの方を指差した。




(おまけ?)




リボンを解き、ギフトバッグの中を覗くとモコモコした物が見えた。




「お?」


(ぬいぐるみ?)


そのモコモコした“何か”を出してみるとそれはサッカーシューズのぬいぐるみスリッパだった。




「あはは、スパイクだー。ちゃんとマイキのマークも入ってるー」


うけた。


思わず笑ってしまった。




「勉強する時とか、コレ履いてたら暖かくていいかなー? と思って」




確かに『頭寒足熱』って言うもんな。


足元が冷えないように暖房をつけてたら頭がボーッとしてくるし、


かと言って我慢してたら寒すぎて勉強が捗らない。




「うん、コレいいかも」


俺が風邪をひかない様に考えてくれたのかな?


しかもスパイクをチョイスするあたりが鈴らしい。




「ありがと、鈴」


そして店内だという事も忘れ、俺は思わず鈴にキスをした――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ