表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Calling  作者: 式部雪花々
75/94

第37話 まさか……S? -4-

「あー、キティちゃんだぁ♪」


和泉沢先輩からのプレゼントはハローキティのリストバンドだった。


真っ白でフワフワなコットン生地に薄いピンクの刺繍でハローキティの顔が


小さくワンポイントで入っている。




「それだったら部活とか試合の時にも使えるかなーっと思って」




「はい、ありがとうございます……て、先輩、もう食べてるんですかっ?」


私が顔をあげると和泉沢先輩はさっそくチーズクッキーを食べていた。




「うんっ、おいひぃ♪」


モグモグとクッキーを食べる先輩はまるで子供みたいに可愛かった。


昨日、あんなに怖い顔で怒ってたのが嘘みたいだ。




「先輩、お弁当食べたんですよね?」




「あぁ、食ったよ。でも、デザートは別腹ってよく言うじゃん?」




「それって、女の子ならわかりますけど……。それに先輩って甘い物


 好きだったんですね」




「ケーキはあんまり食べないけどチョコとかクッキーはわりと食べるよ」




「じゃあ、今度また作って来ますね」


そう言うと先輩は嬉しそうに「うんっ♪」と笑って頷いた。




「あ、そういえば膝大丈夫か?」




「はい、昨日病院で貰った薬を塗ったら、ちょっと楽になりました」


先輩は昨夜、病院から帰った後も心配して電話をくれた。


いつもは電話もメールも勉強の邪魔になっちゃいけないと思って控えているから


電話をくれた時はすごく嬉しかった。




嬉しくて胸がいっぱいになった――。




「今日は部活出るのか?」




「はい、病院の先生からは球拾いくらいなら大丈夫だって言われたので、


 部活には出ようと思います」




「そっか、出ないなら一緒に帰れると思ったんだけどな……残念。


 でも、無理はするなよ?」


心配そうな顔をした先輩。




「はい」


私がそう返事をすると和泉沢先輩はまた柔らかい笑みを浮かべて優しく頭を撫でてくれた。


その感触にものすごく安心感を覚える。


(このまま時間が止まってくれたらなぁ……)


そんな事を思っていると……、




「あー、ずっと鈴と一緒にいたいなー。時間止まんねぇかなぁー?」


先輩も同じ事を考えていた。




それがなんだがとっても嬉しかった――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ