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Calling  作者: 式部雪花々
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第36話 イライラモヤモヤ -1-

(なんで何も言わねぇんだよ)


昨日、岩井と二人で歩いてたのが何か理由があるんなら言えばいいのに


鈴は何も答えないで黙っていた。




俺は鈴を屋上に残し、教室に戻った。






     ◆  ◆  ◆






「あれ? 大地、鈴と会ってたんじゃなかったのか?」


教室に戻ると何故か織田ちゃんのところにシゲが来ていた。




「……」




「どうしたんだ? 不機嫌そうな顔して。鈴とケンカでもしたのか?」


俺が無言で席に座るとシゲが冗談っぽく笑った。




「……」


ケンカというか……なんというか……。


鈴が何も言わないから俺が勝手に怒ってるだけっぽい気もするが。




「え……まさか、ホントにケンカした?」


「ウソッ、どうしたの?」


すると織田ちゃんも首を突っ込んできた。




「……昨日さ、鈴が岩井と二人で歩いてるところを見かけたんだ」


自分の中だけでモヤモヤした気持ちを抱え込んでどうにか出来る自信がなかった。


だから俺はシゲと織田ちゃんに話を聞いてもらう事にした。






     ◆  ◆  ◆






「イズミの話を聞く限りじゃ、別に鈴ちゃん悪くないと思うけど?


 テニス部のチームジャージとユニフォームのデザインを新しくする時は


 毎回男子と女子で合わせてるから、鈴ちゃんと岩井君が昨日一緒にいたのも


 変じゃないと思うよ?」




「そうなんだけど、土曜日に鈴から聞いた話だと他に一年生部員が


 二人一緒に行くって言ってたのに、その二人がいなかったから……それに……」




「それに?」




「アイツ、時々鈴と一緒に帰ってるみたいだし」




「アイツって岩井君?」




「うん」


俺がそこまで話すとシゲが呆れた声で「おまえは何をそんなに心配してんだよ……」と言った。




「岩井と鈴が一緒に帰ってるからって別に二人っきりってワケじゃないんだろ?」




「うん……多分」




「だったら問題ないじゃん。それともナニか? 鈴が岩井と浮気するとでも思ってるのか?」




「べ、別にそういうワケじゃないけど……ただ……ちょっと」




「ちょっと?」




「なんかモヤモヤ……っと的な?」




「要するにおまえは鈴と一緒に帰れないし、日曜日も会えないからイライラしてたトコに


 鈴と岩井が仲良く歩いてるところを目撃してモヤモヤしてるんだろ?」




「……ぅぐ」


まったくもってシゲの言う通りだった。

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