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Calling  作者: 式部雪花々
67/94

第35話 初めてのケンカ -3-

――数日後、久しぶりに雨が降った。




-----


雨降ってる。


(*゜ー゜).。oO(今日は


一緒に帰れるかなぁ?




Daichi


-----




五時限目が終わった休憩時間、和泉沢先輩からメールが来た。




-----


どうですかねぇー?


止まなかったら部活も


中止になって帰れるかもです。


(´∀`)





-----




今日は朝から空がどんよりしていた。


だから昼休憩に会った時も先輩は「雨降らないかなー?」と空を見上げていた。




-----


(-人-)雨乞い!




Daichi


-----




-----


じゃぁ、私も!


(≧人≦)





-----




雨が降ってテニス部の部活が無くなれば和泉沢先輩と一緒に帰れる。


このまま降り続けてくれればいいけれど――。






     ◆  ◆  ◆






六時限目が終わり、HRの最中に窓の外に目を向けるといつの間にか雨が上がっていた。




「……」


(雨乞い……効かなかった……)




-----


もきゅ~、、、部活


出ますー


( p_q)





-----




HRが終わって和泉沢先輩にメールを送ると嘆きのメールが返って来た。




-----


一人で帰るー。


(TдT)




Daichi


-----






そして、翌日もそのまた翌日も降ったかと思うと、六時限目あたりで止むという


思わせぶりな雨が続いた――。






     ◆  ◆  ◆






「今日も夕方には雨止むのかなぁー?」


中途半端に降る雨の所為で一緒にも帰れない、屋上にも出られない日が二,三日続いた翌日。


和泉沢先輩は恨めしそうに空を見上げて溜め息を吐いた。




「どうですかねー? どーせ止むんなら晴れてくれればいいのにー」




「ホントだよ。てか、“降れ降れ坊主”でもぶら下げとくかな」




(降れ降れ坊主?)


「何ですか?」




「“照る照る坊主”の逆バージョン」




「あ、なるほどー。でもそんなのどうやって作るんですか?」




「簡単だよ。照る照る坊主を逆さにして吊るすだけ」




「そんなので効き目あるんですかー?」




「それがあるんだよ。小一の時にさ、遠足の前の日に照る照る坊主を作って


 ぶら下げといたんだけど、寝てる間に頭が重くて逆さになってたんだ。


 それで、朝起きて見たら土砂降りになってて大泣きした憶えがあるよ」




「強烈な効き目ですね」




「だろ~? よっし! 今日帰ったらさっそく特大の作ろっと♪」


先輩はまるで、翌日の遠足の為の照る照る坊主を作る子供みたいに言った。

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