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Calling  作者: 式部雪花々
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第35話 初めてのケンカ -1-

――翌日、昼休憩。


私と和泉沢先輩は三年生の校舎の屋上で待ち合わせをしていた。




和泉沢先輩が部活を引退して、放課後一緒に帰れなくなったから


昼休憩に会っているのだ。




「先輩」


私が声を掛けると先輩は軽く手を挙げて小さく笑った。




「さっき、宮田が一年生の校舎の方に行ってたのが見えたけど、もしかして新井と?」




「はい、朋ちゃんと宮田先輩付き合う事になったみたいです」




「てか、あの二人まだ付き合ってなかったんだ?」




「なんか朋ちゃん曰く、宮田先輩、試合の事で頭がいっぱいだろうから、


 終わってからちゃんと告白しようと思ってたみたいです」




「それってこの間の俺等の引退試合?」




「はい、それで実は宮田先輩も同じ様に試合が終わったら……って考えてたみたいで、


 あの日の帰りに宮田先輩の方から朋ちゃんに言ったみたいです」




「へぇ~」




朋ちゃんと宮田先輩は和泉沢先輩達の引退試合の日から付き合い始めた。


だけど朋ちゃんは帰宅部。


部活でいつも遅くなる宮田先輩とは一緒に帰れない。


だから私と和泉沢先輩が昼休憩に会っているように、朋ちゃんと宮田先輩も


昼休憩に会っている。




「でも、朋ちゃん達、昨日さっそく初喧嘩したみたいです」




「なんで!?」




「昨日、朋ちゃんバイトが入っていない日だったから、宮田先輩と会う約束を


 してたらしいんですけど、それが急遽バイト先の店長さんに


 呼び出されちゃったらしいんですよ。もちろん、予定があるから無理ですって


 断ったらしいんですけど、どうしてもって店長さんに拝み倒されて


 それで宮田先輩に『ごめんなさい』って連絡したら先輩が怒っちゃったみたいで……」




「ふーん……でも、宮田の気持ちもわかるなぁー。だって、普段は昼休憩に会えるって言っても


 時間が限られてるし、部活があるからゆっくり会えるのは日曜日くらいだからなー」




「そうですねー」




「て、それは俺達も同じなんだけどなー?」


和泉沢先輩はそう言うと私の顔をちらりと横目で見た。




「ぅ……」


私と和泉沢先輩も今は学校でしか会っていない。


それは先輩が受験生だから。


私だって、そりゃあ日曜日くらいはゆっくり先輩と会いたい。


でも、そうすると先輩の勉強時間が減ってしまう。


だから我慢している。

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