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Calling  作者: 式部雪花々
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第32話 サイン -5-

「あ、朋ちゃん、宮田先輩出てきたよ?」


前半戦が終わり、ハーフタイムに入ったところで宮田先輩が出場メンバーの輪の中に加わった。


試合を夢中になって観ていたから前半戦の終わりぐらいから宮田先輩がアップに入ったのに


気付かなかった。




「誰かと交代したのかな?」


朋ちゃんは嬉しそうな顔で宮田先輩を見つめていた。






前半は両チームとも無得点で終わった。


今日は和泉沢先輩も高津先輩もまだシュートさえ打っていない。


それにパスが回ってきてもすぐにまた誰かにパスを回している。


この間の試合はこの二人が中心になってシュートを打っていたのに。




(この間とは違う作戦なのかなぁ?)


和泉沢先輩と高津先輩はこの間はフォワードだったけど、今日はもう少し後ろの


ポジションのミッドフィールダーの位置にいる。


我が侭なのはわかってはいるけれど、やっぱり和泉沢先輩がシュートを決めるところが見たいなー。






     ◆  ◆  ◆






「あ、宮田先輩、フォワードだ♪」


ハーフタイムが終わって後半戦が始まる前、両チームのメンバーがそれぞれポジションに就くと、


隣から朋ちゃんの嬉しそうな声が聞こえた。


フォワードの位置に宮田先輩がいる。




(和泉沢先輩は……)


前半と変わらず高津先輩と同じミッドフィールダーの位置にいた。


だけど、とにかくシュートさえ決まれば……




(和泉沢先輩、高津先輩、宮田先輩……みんな頑張って下さいっ!)






ピーーーーッ……、




そして、後半戦が始まった――。






後半戦は宮田先輩の他にフォワードのメンバーがもう一人代わっていた。


それだけに前半戦よりもパスが通っている気がする。




「宮田先輩、行けーっ! シュートッ!!」


朋ちゃんは宮田先輩にパスが回される度、叫んでいた。


だけど、なかなかシュートが決まらない。




「あーん……、また外したー」


がっくりと肩を落とす朋ちゃん。




「今回、和泉沢先輩と高津先輩はいつもとポジションが違うみたいだから、


 もしかしたら宮田先輩もいつものところじゃないのかも?」




「なのかなぁ……?」




そんな会話をしているうちに試合時間は残り三分になっていた――。

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