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Calling  作者: 式部雪花々
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第32話 サイン -4-

「どうやら今日はシュートを打たせて貰えないっぽいな」


ハーフタイム、シゲが軽く苦笑いしながら言った。


小川先生の俺とシゲに対する指示は「後半もパスを回して行け」だ。




(せっかく鈴が応援に来てくれているのになー)


後半戦、どうせなら俺のシュートで先制点を取りたいところだ。


だが、後半戦からは宮田がフォワードに入る。


当然マークはされるだろうが、こいつはこの間の試合には出ていない。


だから宮田のデータがない分、相手チームは分析出来ていないはずだ。


その分、シュートを決めやすいだろう。






     ◆  ◆  ◆






ピーーーーッ……、




後半戦が始まると相手チームは俺達が思った通り、宮田の登場に焦っていた。


マークに付いた奴も宮田の動き方がわかっていないから振り回されている。






後半戦、残り後十分――。




0 vs 0




両チームともまだ得点はない。




元々、宮田はディフェンダーだ。


もちろん部活ではシュート練習もやっているから今回フォワードに入った訳だけど。


しかし、やっぱり練習と実戦では違う。


パスを出してもなかなか練習通りにシュートも決まらない。




そしてそれは、宮田以外のフォワードにも言える事だった。




ベンチに視線を移しても小川先生からはまだ何も作戦変更のサインは出ていない。




(まだ様子を見るつもりなのかっ?)






     ◆  ◆  ◆






後半戦、残り後三分――。




ゴール手前、相手チームが出したパスがタッチラインを割った。


俺達のチームのスローイン。


スローアーはシゲだ。






シゲは審判からボールを受け取ると、そのボールを高めに放り投げてから三回バウンドさせた。




(っ!?)




それはシゲから俺に向けられたサインだった。




“攻めるぞ”




ポジションや指示に関係なく“攻め”の合図。


一年の時に練習試合の前日に二人で決めたサインだった。






スローインで再びコートの中に戻ってきたボールは宮田の前に転がって行った。




宮田がそのボールを受けるとすぐにシゲが「大地!」と叫んだ。


そして宮田が俺にパスを回してきた。




「大地っ、打て!」


シゲの声が聞こえ、俺はゴールの左上をめがけて思いっきりシュートした――。

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