表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Calling  作者: 式部雪花々
21/94

第14話 すれ違う想い -1-

――数日後。




「こらぁーっ! イズミーッ!」


その日の部活。


女子のテニスコートに向かって蹴り込んだサッカーボールを取りにいくと、


織田ちゃんの声がコートに響き、サッカーボールを小脇に挟んで仁王立ちしていた。




「悪ぃ、悪ぃ」


(あっちゃー……今日は織田ちゃんが拾ったかー)


ボールはいつもだいたい小峯が拾ってくれていた。


たまに他の部員が拾う事もあるけれど、小峯が拾う率は高かったんだけどなー。




「ちょっと、最近なんかボールが飛んでくる回数が増えてない?」




「え? そうかぁー?」


最初は月二くらいのペースで態とテニスコートに向けてボールを蹴り飛ばしていた。


それが最近、小峯の顔を見たさに週一にしたのがまずかったか。




「二年の時まではせいぜい三,四ヶ月に一度くらいだったと思うけど?」


「気のせい」


「三年になってボールが飛んでくる回数がやたら多くなったのはどうして?」


「さぁ? 俺、サッカー下手になったのかも?」


「もしかしてテニス部の一年の中に好きな子がいたりしてー?」


織田ちゃんはそう言うとにやりと笑った。




(ぐは……っ、見抜かれてる)


「たまたまだよ、たまたま」




「イズミってわりと古典的な手段を使う人だったんだねー?」




「だから、気のせいだってば。次からは気をつけるよ」




「まぁ……別にいいけど」


織田ちゃんはそう言うとサッカーボールを高く放り投げた。


それをリフティングで受け取る。




(ヤバイな。とりあえず月二に戻すか)






「大地、またやらかしたのか?」


グラウンドに戻るとシゲが苦笑いしていた。




「あぁ、織田ちゃんに怒られた」




「一年に取りに行かせればいいのに」




「まぁ、そうなんだけど……自分が蹴り込んだボールを取りに行かせて今みたいに


 怒られたりなんかしたら可哀想だしな」


(だいたい態と蹴ってんだし)




「確かに。俺等もそういうので散々怒られた事があったしな。


 けど、最近テニスコートによく飛ばすよな?」




「う……織田ちゃんにも同じ事言われたよ」




「織田ちゃん、鋭いからなー」




「何が?」




「女の勘は鋭いって話」




「?」


俺はシゲが言った言葉の意味がさっぱりわからなかった――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ