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Calling  作者: 式部雪花々
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第9話 そろそろ…… -1-

体育祭が終わって二週間――。


シゲと小峯が付き合い始めて一ヶ月が経った。




しかし、この二人には相変わらず会話がない。


小峯からはシゲに話し掛けないし、シゲから話し掛けてもどうにも会話が続かないのだ。


駅でシゲ達と別れて俺と二人になった時はそれなりに会話もあるのに。




俺と小峯はまた元に戻った。


“キス事件”から数日はさすがにお互い気まずくて話しかけられなかったけど、


それを乗り越えた(?)今は寧ろ前より仲良くなった気がする。


確実に縮まっている俺と小峯の距離。


一方、確実に広がっていると思われるシゲと小峯の距離……これ如何に?




(なんか、おかしな事になってきてるなぁー)


なんて事を思いつつ、今日も今日とて一緒に帰った夜、シゲから電話が掛かってきた。




「うぃっす、どうしたー?」




『うーん、あのさー……鈴の事なんだけど……』




「……うん?」




『そろそろ、二人だけで帰ってみようと思うんだけど、どう思う?』




「どうって……」


(まだ無理だろ)


そう思ったけど言えなかった。




『大地と織田ちゃんにずっと一緒に帰って貰ってるけど、なんかそれじゃあ二人に甘えて


 いつまで経っても同じかなぁー? って……』




「うん、そうかもな」


そろそろシゲがこんな事を言い出すんじゃないかと思っていた。




『鈴と二人きりになっても、まだまともに話せる自信ないけど』




「でも、さすがに最初の頃よりはマシなんじゃないか?」




『そうかな?』




「……と、俺は思うけど」


だって実際、俺と小峯がそうだし。


少しずつだけど、小峯は俺と話す時も笑うようになっている。




「頑張ってみろよ。まぁ、どうしてもダメだったら、また俺と織田ちゃんが一緒に帰ってやるから。


 毎日じゃなくても時々とか……俺らが一緒に帰る回数を徐々に減らしていくとか」




『うん、そうだな』




“頑張ってみろよ”




一体、どの口が言ってるんだか。


本当は「まだ俺らがいないとダメなんじゃないか?」とかかんとか言って一緒に帰りたいと思っていた。


だけど口では正反対の事を言ってシゲを応援している。

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