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うさぎとネコ  作者: 夕希
2/2

⭐︎出会い②⭐︎

「まだ入学して間もないので処分は厳重注意のみで終わります

 以後気を付けて学校生活を送るように」

「はい、すみませんでした」



せっかく変われたと思ったのに…まさかの説教付きなんて…。

初日なのに最悪…。肝心の宇崎くんは平然とした顔をしてるし…。



「洸ー!お前入学早々何してんだよ!」

「入学式とかだりぃし」

「もう!うっちーったら!実音ちゃん大丈夫だった?」

「はい、厳重注意だけで終わったんで!」

「もー!うっちーったらこんな可愛い純情な女の子を空き教室に連れ込むなんて!スケベ!」

「なんでだよ!何もしてねぇよ!」



中学はほとんど学校に行ってなかったからこう言うの久しぶりだな。



「実音!」

「あ、お父さん!」



そうだった、お父さんも入学式来てて呼び出し放送も聴いてたんだ。



「ごめんなさい、せっかくの初日だったのに…」

「もうお友だちができるなんてさすが父さんの子だな」

「お父さん…」

「でも、気をつけなきゃダメだよ?高校は身勝手な行動ですぐ停学や退学になってしまうんだ。

 中学よりずっと厳しい評価なるからね?」

「うん、分かった…ごめんね」

「いいよ!玲音はおばあちゃんの家にいるし今日は時間あまり気にせず遊んでおいで」



にっこりと笑うお父さんは少し寂しそうだったけど嬉しそうでもあった。



「立花のお父さん、今回は軽率な行動で思い出を無くしてしまい申し訳ありませんでした」



そう言って深々と頭を下げる。

まさか宇崎くんが頭を下げてくるなんて思いもしなかった。



「宇崎くん!そんな、あたしが悪いからいいんだよ!」

「宇崎くんと言うんだね、私が言うのもなんだが娘は心優しい子だ、仲良くしてやって欲しい」

「はい、もちろんです」

「では私は失礼するよ、実音!もし遅くなるなら連絡するんだよ」

「分かった!気をつけてね!」



そういうとお父さんは車に乗って帰って行った。

なんだか、申し訳ないことをしちゃったかな……



「洸が頭を下げるなんてな」

「……うっちーはダメだよ、あたし…」

「山本、今それを言う時じゃねぇだろ、俺らで決めただろ」



山本さんと泉くん何を話してるんだろう?

険しい顔だけど喧嘩しちゃったのかな?



「あ、あの!良かったらもっとみんなで話しませんのか?」

「「「………」」」

「も、もし…予定が何もなければで…」

「あたしはオッケ!うっちーと太陽は?」

「俺も問題なし!洸は?」

「俺は放任主義の両親だから何時でも構わない」

「決まりー!じゃ近くのラックはどう?話しながらハンバーガーでも食べようよ!」

「いいね!!」



やっとこれであたしも普通の女子高生になれたかな…

もう弱いあたしは封印しなくちゃ…

顔を上げるとみんなが心配そうに見つめていた…



「立花?」

「実音ちゃん、ハンバーガーじゃないのが良かった?」

「あ…ううん!ハンバーガー大好きだよ!」

「てか、女子はみんなドーナツ好きなんじゃねぇの?」

「うっちー!女子をみんな一括りにしたらいつか恨まれるよー?」

「それって死語なの?」

「死語って笑うっちーおっさんみたい!」

「はっぁぁ?まだ16だっつーの!」



勇気を出して高校進学を決めて良かった。

ここでなら変われる。絶対変われるんだ。

もう2度と道を間違えないようにしないと、いけないんだ。


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