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Dear...
ねぇ、レイ
今から初めて異国の地を踏むわ
幼いころからの夢がひとつ近づいてきて
胸が熱くて苦しい
レイがここにいたらいいのに
そう思い出してしまうのは
やっぱりあなたのことだけど
不思議と今は不安がない
おかしいよね
きっと
ひとりじゃなかったからかもしれない
ウィルという男は
わからないことだらけだし
口も悪くて
聞けば聞くほど危険人物なんだけど
驚くほどに信頼できてしまう
不思議よね
はじめての体験ばかりに
わくわくしちゃうなんて
こんなにも
初対面の相手に前向きになれるなんて
浮かれちゃってるのかな
わたしがわたしでないみたい