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海から来た救世主の伝説

 船が出て、今は荒波が立つだけの海面をただ遠く遠くをせんは見つめる。


「やっぱり行ってしまったの?」


 励ますようにポンッと扇の肩に手をのせて、きょうは頷く。


「で、でも……姉ちゃんの言ってた先代巫女様の書き残しの本に載ってた救世主は……」


「そう。ふたりと一匹よ……」


 京は静かに海面を見つめる。


「だ、だって……三人は三人とも……人間で……」


「ええ……それでもこれは運命なのよ。失う日は近い……。きっとあの人間達にとって大切なものを……」


 彼女は小さい弟を抱きしめる。


 力一杯。


「巫女になってからの姉ちゃんの言ってること……この頃わかんないよ……」


 扇の声が震え、涙が零れる。


「うん。わたしも……わからない」


 それでも青々とした海は輝きを絶やさない。


 波は止まることを知らない。

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