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~第1幕~

挿絵(By みてみん)



『松薔薇さん、どれか1つ辞めて頂けないですかね?』



 彼がヨウチューブで投稿した1つの動画はみるみる爆発的な再生数を記録して芸能ニュースのトップ記事にも長らく躍りでた。



 松薔薇太志は4つのお笑い賞レースで審査委員長ないしはチェアマンを務めた。



 しかし、それがお笑い業界の停滞的委縮に繋がっていると彼は吐いてみせたのだ。



 松薔薇太志提言と題されたこの動画は松薔薇太志の「ダテケン、今度飯を喰いにいこうや」のSNSポストで一蹴された。松薔薇のそのポストに伊達賢治は無反応で対応したのだ。



 松薔薇の執春報道はその半年後に炸裂するワケだが、この経緯はなんとも興味深い。



 伊達賢治は漫才コンビ「マジカルバブリー」で漫才王GPを制しピン芸王決定戦も制した。



 その勢いは歳を重ねるごとに勢いを増す。お笑い芸人から俳優、映画監督の挑戦も。



 しかし、だんだんとテレビから遠ざかっていく彼の姿はどこか妙なものがあった。



 漫才王GPの王者となった後はレギュラーのバラエティ番組も徐々に増やし、松薔薇の7本に迫る5本も持つように。それもお笑い番組ではなく報道番組でのコメンテーターやアニメなどのサブカルを扱った番組の司会者など。お笑いに従事する松薔薇とは明らかに違う異彩を放っていた。



 しかし2016年頃、急に松薔薇は報道番組のコメンテーターを務めるようになる。まるで活躍の場を広げている伊達賢治を意識してかのように。その采配は悉くずれてしまった。



 未成年者による凶悪事件のコメントを求められれば「遺伝子操作でうまくできひんのですかねぇ。たまにこういう出来損ないが生まれることってあるワケで」と言えば、未成年女子の性被害事件にて「女の子が悪いって事もある。男をその気にさせるんやからなぁ」と女性蔑視の発言をこれでもかと言わんばかりに連発した。さらには政治家との癒着も公然の事実となって政治のニュースとなれば、贔屓にされている政治家の擁護もぎこちなくしてみせていた。



 案の定だが世間からは猛バッシング。彼はアッサリとその座を降りた。



 また伊達賢治はこうした彼の姿をみて何を想ったのか、突如テレビマンとしての活動を降りてゆくようになる。そして活躍の場を徐々にヨウチューブに移す。また、それまでたまにした俳優としての活動を精力的におこなうようにも。



 このときに接点を持っていたのが俳優業と監督業を巧みにこなす野田栄一郎氏だ。



 2020年頃には伊達の姿はバラエティ番組のなかにいなかった。たまに俳優としてドラマにでてくるか、映画の宣伝でクイズ番組にでるかぐらいで。



 そしてあの「松薔薇提言」があった時に彼はマジカルバブリーと共に吉原興行を退社した。



 そのまま野田栄一郎とともに「CRYSTAL EDEN」を設立。



 テレビよりはヨウチューブでの活動を主体とした会社だったが2024年に事態は急変する。



 松薔薇問題で民放各局から持ち株を解放、その株をクリスタルエデンが買収するとした。



 2024年4月1日のこと。波乱の幕開けだった――


∀・)隔日ごと19時に更新してゆきます。お楽しみに。

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