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88.動物たちを連れてこよう

金と身分証を手に入れてから1週間が経過した。

スティクォンたちはシディアに乗ってフーリシュ王国を飛び回っていた。

町や村に行っては良質な動物たちを購入していた。


とある牧場にてスティクォンたちは動物を見て回っている。

「ドーグ様、そちらの仔馬はどうでしょうか?」

「とてもいいですね。 ウィルアムさん、そこの馬も買いです」

ウィルアムとドーグは牧場内で放し飼いになっている動物を見ている。

それぞれ【鑑定】と【医神】を発動して動物の状態を確認し、購入予定の動物を次々と選別していく。

「2人ともすごいな。 僕にはさっぱりわからない」

「安心しろ。 わからないのはスティクォンさんだけじゃないから」

「俺もさっぱりわからないぜ」

護衛である虎人族(虎の獣人)鷹人族(鷹の獣人)がスティクォンに同意するように頷く。

「【陸殖神】のおかげで動物なら良し悪しがなんとなくわかるけどな」

「俺も【空殖神】で鳥の良し悪しくらいなら見分けがつくぜ」

バーズとスポーグはスキルのおかげでなんとかウィルアムとドーグについていくことができていた。

そんなことを話しているとウィルアムとドーグは選別を終えたことを報告する。

「スティクォン様、選別が終了いたしました」

「購入をお願いします」

「ああ、わかった」

スティクォンたちは牧場主のところに向かう。

「すみません。 動物を購入したいのですが」

「お、決まったかい? どれを購入するんだ?」

「えっと・・・あれとあれとあれと・・・」

牧場主の言葉にドーグが選別した動物を次々と指さしていく。

「1頭につき金貨2枚だ」

「それじゃ、これで」

スティクォンは金貨を取り出すと牧場主に支払った。

「・・・たしかに。 ありがとうございます」

「こちらこそ良い買い物ができました」

スティクォンたちは牧場主に礼を言うと購入した動物たちの手綱を掴んで牧場をあとにする。

それからしばらく歩くと近くの森に何の迷いもなく入っていった。

森の中を歩くこと5分、少し開けた場所にでるとそこにシディアとファリーが待っていた。

「ただいま」

『戻ってきたか』

「スティクォンさん、おかえりなさい。 わぁ、可愛い♪」

ファリーはスティクォンたちが連れてきた仔馬に近づくと背中を撫でた。

仔馬は気持ちいいのか身を委ねている。

『ファリーよ、戯れるのはあとにして今はこれら(動物たち)を連れて行くのが先だ』

「は~い」

仔馬から離れると予め作っておいた小屋へと向かう。

皆で協力して動物たちを小屋に入れて、逃げ出さないように紐でしっかりと固定する。

「あとはいつもの通りに」

スティクォンは【現状維持】を発動して動物たちの今の状態を維持した。

「これでよし。 シディア、準備できたぞ」

『うむ、では戻るとしよう』

スティクォンたちは動物たちを連れて死の砂漠へと戻っていった。


3時間後───

死の砂漠に戻ってきたスティクォンたちは早速動物たちを北東の人工山に放牧した。

「今回のでだいぶまともになってきた感じがするよ」

「数はまだまだだが種類は豊富になってきたぜ」

「動物や鳥たちも恵まれた環境に今では心許しているしな」

動物や鳥たちは最初こそ驚くもメルーアたちが整えた環境に満足したのか今では自由気ままに生活している。

「とはいえ、バーズさんの言う通り供給にはあまりにも数が少ないから今は増やすほうが先です」

「俺の【陸殖神】で動物が少しずつではあるが増えているのは確認している」

「俺の【空殖神】でも鳥が確実に増えているのはわかっているしな」

バーズとスポーグのスキルのおかげで繁殖の早い(にわとり)や豚は順調に数を増やしていっている。

この調子でいけば1ヵ月もしないうちに食卓に並ぶだろう。

『それでスティクォン、これで終わりか?』

「うーん、どうしよう・・・」

畜産するには少し心もとないが、時間をかければ十分にやっていける分は確保している。

『今のところ何がいる?』

「えっと・・・鳥は鶏、(うずら)家鴨(アヒル)(かも)。 動物は豚、牛、馬、羊、山羊、鹿、(うさぎ)ってところだな」

『うむ、あとは(いのしし)や熊あたりがいれば問題なさそうだな』

「あぁ・・・やっぱりそこら辺か・・・」

シディアはドラゴンだけあって大型獣を好んで食べる。

豚とかでも文句は言わないだろうが、それでも熊のほうが好きなんだろう。

「猪や熊を飼っている牧場なんて聞いたことないな・・・」

『ならば森にいるのを捕縛するしかあるまい』

「そうなるよね」

スティクォンは苦笑しつつもシディアのために猪や熊を捕縛することを決めた。


それからしばらくしてスティクォンたちはフーリシュ王国内でも魔素濃度が薄い森にきた。

「情報だとここに魔獣化していない猪や熊がいるそうだ。 見つけ次第生け捕りにする」

「お前らシディア様のためにも死ぬ気で頑張るぞ!」

「「「おおー!!」」」

バーズのかけ声にスポーグたち獣人が呼応する。

『うむ、頼んだぞ』

「皆さん頑張ってください」

シディアとファリーを残してスティクォンたちは森の奥へ進む。

ある程度進むとスティクォンが質問した。

「バーズさん、獣はいそうですか?」

「いるといえばいるけど」

「警戒されているな」

バーズたちは気配を察知してるも距離が離れているのか無理に移動しようとしない。

「こちらから距離を詰めても警戒されるだけだからな」

「仕方ない。 ここらで一休みするか」

そういうなりバーズたちは持ち物から林檎を取り出すと噛り付いた。

リルたちホビット族が育てた林檎の甘い蜜の香りが森の中に広がっていく。

匂いに釣られてか熊たちが姿を現した。

「ぐるるるるる・・・」

「へ、御出でなすったな」

「さて、生け捕りにするか」

本来であれば殺すよりも生かして捕まえるほうが遥かに難易度は高い。

しかし、ここにはスティクォンがいる。

【現状維持】で生命力を維持すれば死傷者も出ずに生け捕りにすることが可能だ。

案の定、生命力を維持して弱体化させたところを生け捕りに成功した。

ある程度の数を捕縛してシディアたちのところに戻る。

「シディア、捕まえてきたぞ」

『よくやった!』

成果を聞いたシディアがスティクォンたちのことを手放しで称賛する。

こうしてスティクォンたちは獣を生け捕りにして死の砂漠へ戻るのであった。


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