43.スキルを試してみよう
死の砂漠にある開拓地に戻ってきたスティクォンたち。
「砂漠のど真ん中にこんな場所があるなんて・・・」
「気温も湿度も丁度良いわ」
「思ったより快適で驚いたわ」
マムモ、アーネル、シャンティはスティクォンたちの開拓地が想像以上であることに驚くばかりだ。
そこにリルたちがやってくる。
「ただいま」
「お帰りなさい。 成果はありましたか?」
「この通りですわ」
「「「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!!!!!」」」
マムモの周りにいる幼虫を見てリル、ファリー、クレアが悲鳴を上げる。
「可愛い芋虫ですね」
「美味しそう・・・」
ハーニは自分に子供がいるためか幼虫を可愛いといい、ドレラは幼虫を餌として見ていた。
子供たちに危険が及ぶかもしれないとマムモは庇うようにドレラの前に立つ。
「私の子に手を出すなら許さないわよ!」
「子供?」
成虫であるマムモと幼虫を見比べて全然違うことにドレラは疑問を抱く。
「似てない」
「ドレラ、マムモさんの種族はハーニと同じで幼虫と成虫では体形が異なるんだ。 あと、マムモさんの子供は食べちゃダメだよ」
「わかった」
ドレラは基本何でも食べるが、ちゃんと説明すれば手を出さないので聞き分けは良いほうだ。
「いきなり騒動になってすまない。 みんなに紹介するよ。 マムモ、アーネル、シャンティだ」
「私はキラーモスのマムモです」
「アラクネのアーネルよ」
「アナンシのシャンティよ」
マムモたちは種族と名前を名乗る。
「ホビットのリルです」
「ドワーフのファリーです」
「ノッカーのクレアです」
「キラービーのハーニです」
「スライムのドレラ」
リルたちも同じく名乗った。
お互いに自己紹介が済むとスティクォンがマムモたちの住む家について考える。
「とりあえずマムモさんたちの家とマムモさんの子供が住めるように桑の木を植えないとな」
「家については私たちドワーフに任せてください」
「桑の木はわたくしとハーニで頑張りますわ」
「メルーア、何で私も含まれるのですか?」
「ハ、ハーニがいればとても心強いですから・・・」
スティクォンは知っている。
メルーアが桑の木に実る果実・・・マルベリーが目的であることを。
「と、とにかく頑張りますわよ」
「わかったわよ」
ハーニは苦笑しながらもメルーアを手伝うことにする。
「ところで3人のスキルはどんなスキルなんですか?」
「そういえば聞いていなかったな」
「スキルってスティクォンが使った能力のこと? それなら知らないわよ」
「私も知らないわ」
マムモ、アーネル、シャンティは自分が持つスキルを知らない。
「それならウィルアムさんの出番だな」
「お任せください」
いつものようにウィルアムは【鑑定】を発動して3人を鑑定する。
ウィルアムの目が光るとマムモたちは驚く。
しばらくするとウィルアムの目が元に戻る。
「・・・判明しました。 御三方ともレアなスキルをお持ちです。 マムモ様は【色染神】、アーネル様は【織編神】、シャンティ様は【絵画神】をそれぞれお持ちです」
マムモはあらゆる物に色を与えるスキル。
アーネルは有から服や下着などの衣類やカーテンや絨毯などの織物・編物に関わる物を作り出すスキル。
シャンティは絵や彫刻など芸術に特化したスキル。
「私たちにもそんなスキルがあるのね」
「知らなかったわ」
「なら試してみましょうか。 【絵画神】」
シャンティは【絵画神】を発動して地面に絵を描く。
「いつもの絵より素晴らしいわね。 【織編神】」
地面に描かれた絵を見てアーネルは【織編神】で自分が持っているハンカチに素早く刺繍をする。
「すごい針さばきです。 【色染神】」
刺繍されたハンカチを受け取るとマムモが【色染神】で色を塗った。
「へぇ、これがスキルね」
「面白いわね」
「こんなことができるなんて知らなかったです」
スティクォンたちは出来上がりを見て驚いた。
「芸術的な絵ですわ」
「これほどの絵は初めて見ました」
「はぁ・・・綺麗な色合い」
「この刺繍なんて地面の絵とそっくりですよ」
「本当ですね」
高く評価されてマムモたちもご満悦だ。
このあと、北西の住宅地にマムモたちの住居が急ピッチで建てられた。
マムモは自分と子供たちが住めるように吹き抜けの大きな家を建ててもらう。
庭には魔森から持ってきた桑の木の苗木を、メルーアとハーニによって品種改良された種を大量に植える。
メルーアの【木魔法】により種から立派な木へと一気に成長させた。
そのあと、メルーアが育ったマルベリーを収穫して味見と称して食べたのはいうまでもない。
一方、アーネルとシャンティはウィルアムよりも背が大きいため、普通の家よりも2倍の大きさの家を建てる。
アーネルの【織編神】は織物も使えるということで、スティクォンたちはロストアーク伯爵領の都市に行って機織り機を1基購入してそれをアーネルたちの家に置いた。
しかし、1基しかないことにアーネルとシャンティが不満を垂れる。
そこでファリーの【製造神】で機織り機を解析したのちにもう1基作成した。
だが、デザインが気に入らないのかシャンティが【絵画神】を発動して彫ったところ、機織り機の見た目がとても美しい芸術品へと変わる。
ついでに買ってきた機織り機も同じように細工を施すのであった。
マムモたちが死の砂漠に来て数日後、ファリーたちドワーフ族とメルーア、ハーニによりマムモたちの住む家が完成した。




