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20.ラストール2 〔ラストール視点〕

時はスティクォンが王国を見限り魔族の国に入国するところまで遡る。






余は今日も大勢の女を相手にベッドの上で無双していた。

女たちは1人また1人と精魂尽きて倒れていく。

全員を相手し終わると気が付けばもう朝になっていた。

どの女も裸体を隠さずその場で眠っている。

「いつもながら凄い光景だな」

女共を見ていたらまた欲望が下腹部に集まる。

余のそれが反応してしまう。

「起きていれば相手になってもらうところだが、寝ている者を起こしてまで相手をさせるのもな・・・代わりを用意すればいくらでもいるが、さてどうしたものやら・・・」

考えていると最初に気をやった女が目覚めた。

「ふむ、おい起きて早々悪いがこれの相手を頼む」

「・・・畏まりました」

女は余の元までやってくると跪き相手にするのであった。


それから2時間して余が楽しんでいると、扉がノックされていつもの声が外から聞こえてくる。

『国王陛下、そろそろお時間です』

「ちっ! 今いいところなのに・・・わかった、すぐに行くから待ってろ」

余は目の前の女相手に声をかける。

「名残惜しいがこれで終わりにする」

それだけ言うと余は女を強く抱きしめた・・・

事が終わり余はいつものように浴槽に行くと身体を洗い流す。

「ふぅ・・・さすがに同じのでは飽きてくるな・・・そろそろ新しいのを入れるか・・・」

今のところ有用そうな女を頭の中で検索する。

一番に出てきたのはアバラス公爵家の長女リクルだ。

その美しい容姿はまさに余の好みである。

問題はリクルの実父とリクル本人だ。

リクルの実父であるイコーテム公爵はこのフーリシュ王国になくてはならない人物だ。

イコーテム公爵がいるおかげで帝国を始めとした近隣諸国に牽制をかけられるのだからな。

それにイコーテム公爵の強さは少なく見積もって余の国王直轄近衛騎士団団長と互角だ。

そんな奴を相手に蛮行するのは愚の骨頂としか言いようがない。

さらにイコーテム公爵が持つスキル【剣聖】が拍車をかけている。

さすがの余もアバラス公爵家にはおいそれと手が出せない。

そして、リクル本人も実父同様スキル【剣聖】の所持者だ。

もし、強引に手に入れようものなら剣の錆になる恐れがある。

ただ、噂ではその体力は無尽蔵と聞く。

その噂が本当なら朝から晩まで試してみたいものだ。

考えていたらまた欲望が下腹部に集まってくる。

「ふふ、お前は忙しないな・・・夜まで待て」

余は体を拭くと服も着ずに部屋を出ていった。


隣の部屋で服を着替え終わり部屋を出ると宰相が歩いてくる。

「国王陛下、おはようございます。 まさか自主的に起きていただけるとは・・・槍が降ってこなければよいのですが・・・」

宰相の言葉に毒が大量に含まれていた。

(余に対して何たる失礼な発言を・・・今すぐ処刑したい気分だ)

しかし、それはできない。

なぜならこいつの政治手腕は今のところ余に有益であるからだ。

それを不敬と言って処罰した結果、国を傾けさせるのは阿呆のすることよ。

今は余の覇道を世に知らしめるのが重要だ。

人も亜人種も魔族もドラゴンもすべての者が余に屈して跪くまではあのような者でも生かしておかなければならぬ。

この世界のすべてが手に入った時に切り捨てればよい。

因みに最重要なことは美女や美少女を抱くことだ。

これなくして人生を謳歌することなど余には考えられぬ。

「・・・それで今日の予定は?」

「今日は午前中は重要書類の確認を、午後は今後の国の方針についての会議です」

書類は大半は宰相に任せているが、それでも余の確認が必要なものがある。

政治、経済、軍の設備など国の中枢ともいえるのは余自らが確認せねばならない。

国の方針も同じだ。

すべてを宰相に任せてもよいが、それでは何かあったときに面倒になる。

例えば宰相が余を裏切った時などがまさにそれだ。

余の目を掻い潜ってクーデターなど起こされては敵わんからな。

「面倒だが仕事を熟すとしよう」

今日も仕事を無事に終え、待ちに待った夜がやってきた。

余は足取り軽く寝室へと向かう。

そこには煽情的な姿をした10人の美女・美少女が余を出迎える。

そして、夜の宴が始まった。

まずは1順抱き、そのあと2順、3順といつも通りに女たちを抱いていく。

だが、ここで異変が起こる。

3順が過ぎたところで今までにない疲労が余を襲う。

「はぁはぁはぁ・・・なんだ? この疲労感は?」

「? 陛下? どうされましたか?」

「いや、なんでもない。 少し疲れただけだ。 少し休めばすぐに回復する」

その証拠に余のスキル【色欲】が体力と精力を徐々に回復していく。

10分くらいしてようやくいつもの調子に戻った。

「待たせたな。 続きをするぞ」

それから同じように3順すると再び疲労が余を襲う。

「どうなっている? まるでいつもと違う感覚だ」

余は自分に起きている異変に気が付く。

(まさかこの歳で機能不全とかではあるまいな?)

そうではないことを10分後に自らが証明してくれた。

それから一夜が過ぎ、余は疲れながらも全員を抱き終える。

「はぁはぁはぁ・・・」

外に出ている朝日が憎たらしい。

余は呼吸を整えて心を落ち着かせる。

「・・・今日はたまたま体調が悪かっただけだな。 明日にはいつも通りに余の精力が戻っているはずだ」

だが、これは始まりに過ぎない。

それから3ヵ月もしないうちに余の精力がほかの男たちとさほど変わらないくらいに落ちたことを今の余は知る由もなかった。


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― 新着の感想 ―
国王の精力だけは、落ちて別に良いもの。
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