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朝の逆転
裁判官が判決を下した「死刑とする」
求刑より重い罰が下される、まさに逆転劇だ。
ざわざわと騒ぐ人達が声をあげた「この国では死刑は廃止された筈だ」
みなが驚愕をして口々にわめいた
裁判官は続けた「たしかに死刑は廃止をされています」
「しかしこの犯人の極悪非道さは人道倫理を絶する所業であり」
「許す事は、国民への裏切りになると思われます」
「死刑という制度では裁けません、死刑に相当する罰とします」
木槌を叩き、判決が決まる
俺の所業は確かに非道だろう、自分でも理解しているが止められないのだ
精神病院での暮らしを覚悟していたが
死刑相当という罰の恐ろしさで眠れない
朝になると看守に起こされた
「刑務所から出ろ」
「死刑じゃないのか?」
看守が答える
「この国には死刑はない」
刑務所の外に出される。
刑務所から町へ戻る道を歩くと道の両脇に何百人も人が立っている。
列の中から警察官が現れた
警察官が「囚人が脱走した捕まえてくれ」と叫ぶ。
市民が俺に殺到をした。