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第伍拾参話 第二部

1942年 8月15日

オセアニア州の国がソ連軍に降伏したことにより第二次世界大戦は終結した。オセアニア州の国はソ連の植民地になった。

現在ソ連に従属した国(独立が認められている国)はチリ、ブラジル、メキシコなどの南米諸国と北米の一部、旧大東亜共栄圏の国々。しかし、日本を除いた大東亜共栄圏の国々だ。従属した国は軍隊を持つことと自国民には人権が与えられている。しかし、植民地と化した国にはソ連軍が警備をしていて、元々の国の人には人権が与えられていない。いや、人間としての権利すら与えられていないのかもしれない。日本では東京が陥落したのにもかかわらずソ連軍は治安維持と称して中部、近畿、中国、四国、九州へと進み無差別な攻撃をして町を破壊つくした。それは日本だけではない。アメリカやカナダでもそうだった。人々は働く場所も与えられず、日本人は琉球共和国があるから財産があった人は琉球共和国へ移り住む人が多いが、ほかの国では住みようがない。同じ人種の人間がいる独立国がないからだ。そんな人々の唯一の働き場所が農業か、鉱山での重労働。後水商売程度だ。幸いなことにGHQの農地改革みたいなことは行われていない。どうしてそれが幸いかというと・・・

1950年 8月

琉球共和国日本国亡命政府


「あれから8年か。早いな。」


「で、これからどうするんだ?」


「なにがです?」


「お前が言っただろう。ゲリラやテロを行って日本を開放するって。」


「ああ、その話ですか。もう見当は付いてますよ。」


「???」


とぼけているふりして何か策があったことに驚いている藤浪大佐(亡命政府樹立とともにできた大和民族解放戦線で新たに付けられた階級)と


「驚いた?」


とか言って自信満々の紅蓮崎少佐だ。


「武器を持って本土へと上陸できると思っているのか?」


「そりゃ無理でしょ。ソ連軍やKGBどもの検閲が激しいから。」


「じゃあどうするんだ?」


「偽装タンカーですよ。2025年のときは赤外線を使った機械で盗撮してバッグとか箱に入っている密輸の麻薬とかトカレフを調べていましたが、この時代さすがにないでしょ。タンカーの積み荷に紛れさせとけば問題ない。」


「大ありだ。なんの積み荷に入れる?っていうかだれ宛?どこに隠す?どこで暮らす?」


「ちょっとね、当てがあるんだよ。」


「何処に?」


「静岡県静岡市の瀬名。」


「そこがどうした?」


わけのわからない顔をして藤浪は尋ねた。当り前である。いきなり身の覚えもない地名を言われてもさっぱりである。


「そこはね俺の先祖がかつて地主で瀬名の一帯を持っていたんだよ。でも農地改革でほとんど没収されて小作人に分けられちまって。(実際は紅蓮崎ではありません)だけど、農地改革がおこなわれていないから。」


「話したことはあるのか?」


「まあね。何回か俺の先祖探しに出てみて。積み荷は農薬や耕す機械ということにしておいて、農薬の代わりに爆薬を。袋につめれば問題ないでしょ。肥料にも硝酸とか混ざっているし。その爆薬の中に銃を入れる。袋からは見れないから。耕す機械の代わりに弾薬や銃を製造する機械。」


「お前にしては考えたな。でも見つかったら・・・即処刑だろ。梶原長官(1943年KGBに山本長官が見つかり処刑され梶原元中隊長が長官に任命された)には話したのか?」


「いや、まだですが。」


「一応話をつけてみよう。慎や亜久斗には話したか?」


「そりゃ勿論。」


「では梶原元帥のところへ行こう。」



――――――長官室


「ということです。」


「・・・成程。・・・そうだ、あれが何かわかったか?・・・コードネームT。」


「ソ連の謎の戦車ですか。装甲の厚さは5式中戦車のほうが厚かったですね。予想ですけど主砲は125mmの荷電粒子砲だと推測されます。装甲が薄い代わりに先程話した荷電粒子砲のプラズマ化したエネルギー放射を磁場で分散させて威力を吸収するシールドと車体を透過させる光学迷彩が装備されています。また人員は1名のみ。エンジンは電気で、小型の核融合炉が使われていると思われます。」


「・・・そんなものにかなうと思うのか?」


「・・・・!!」


驚きの発言だった。長官たるものがこのようなことを・・・

(・・・これは俺を試しているのか?・・・いいだろう。)


「たしかに、一対一ではかないません。しかし、チャンスがあるんです。」


「何っ?」


「たしか、これを捕獲させた時長官殿は虎頭要塞にいましたね。そこでの戦いで、たくさんの重車両による一斉射撃をしたと以前聞きました。・・・その間装甲が薄いこの車両はシールドを作動させなければなりません。シールドを作動させている間、攻撃することは不可能。可能だったら反撃されています。そして、この車両はエネルギー切れか、反撃しようとしてシールドを解除した瞬間撃破された。そのどちらかが考えられます。・・・もしゲリラ戦のような戦いに引きづり込ませれば、油断している時に攻撃をし撃破が可能だと思います。」


「成程。・・・よし。琉球共和国籍のタンカーとして輸送船を使おう。入港は清水港だ。」


「はい。」


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