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第伍拾弐話 日本降伏

1942年 8月9日 午後6時

はるか未来の兵器を使い制空権を取った中で、1942年当時のソ連の兵器や未来の兵器の混成部隊による極東進行はヤクーツク(現サハ共和国。極東連邦管区)爆撃から始まり、圧倒的な兵力により現サハ共和国、チュクチ自治管区、カムチャッカ地方、マガダン州、ハバロフスク地方、アムール州を制圧し残る現ユダヤ自治州、プリモルスキー地方、樺太が落とされるのも時間の問題だ。極東の港では、紅蓮崎が述べたように大量の資源と生き残った兵士を輸送船に積み出港から3時間が経過していた。



午後7時

ユダヤ自治州とプリモルスキー地方は制圧され関東軍極東司令部があるウラジオストックは制圧され事実上関東軍極東方面軍は降伏した

夜は危険と判断したのかは知らないがこれ以上のソ連の進行はなかった。



午後9時

東京 臨時集会

特別軍により、臨時集会が開かれ首相をはじめとする政治家数名と軍のお偉いさん方が参加した。


「もう我々にはどうすることもできません。」


紅蓮崎の一言で会場は静まり返った。首相の一言


「ではどうすればいいのだ?」


と冷静な言葉で何とか異常なほどの静けさは消えた。


「我々の判断としては大東亜共栄圏の国々にはソ連に従属しろと伝えます。脅し文句としては従属しないと再植民地化されるぞと。こうすれば犠牲者は減ります。そして日本と言う国の名残を残しておくために沖縄を強制に流球共和国として独立させます。沖縄には残った軍隊の大部分を持って亡命します。そこを根拠地として、闘い続けます。今すぐ撤収準備をして下さい。すべての輸送船を用いて国内の資源、工場の機械、艦船、戦車などの兵器を沖縄に輸送します。」


しばらくおかれた状態が解らなくなり会場の人々は放心状態に近かった。その沈着状態を破ったのは長年の付き合いの藤浪翔也だった


「お前何言ってんだ!!」


「なにって、生き残るためです。戦い続けるためです。」


「では国民に死ねと言うのか?」


「いえ、死ねとは言ってません。時間稼ぎです。沖縄に着くまでは日本は戦い続けるという事で、沖縄に着いたら降伏。そうすることしか思い浮かびません」


「じゃあ、中国大陸で戦っている兵にはなんて言うんだ?一方的にたたかれこれでは犬死ではないか?」


「じゃあ、他に何か案があるんですか?」


「ん、グっ!!・・・・・・・・えーとだな・・・・」


口を黙って閉じてしまった。はっきり言ってこれが最善な方法ということには変わりがなかったのだ。日本が負けるのはほぼ確実。真正面から戦っても勝てるはずがない。ジワリジワリと戦い続けるゲリラやテロを紅蓮崎は選んだのだ。ソ連崩壊の根本的な原因は資本主義経済が共産主義経済を抜かしたからと言われているが、それは間違い。共産主義の崩壊の原因がそれであってソ連崩壊の根本的な原因はアフガン侵攻により国土は占領できてもムジャヒ―ディンたちのゲリラ戦によりコンボイ集団が襲われたりなどソ連の経済を圧迫させた。これがソ連崩壊の根本的な原因だ。イラクではアメリカやイラク軍がイスラム原理主義により大苦戦した。歴史から見てゲリラ戦は国を崩壊させるほど効果的なのである。そのために、装備と資源や艦隊とともに沖縄へ逃げる。沖縄は琉球共和国として独立させ、日本の亡命政権を裏で作り上げる。


「何もないじゃないですか。第一航空艦隊は輸送船とともに横浜を出港します。(母港ではないが急にハワイから呼ばれたため横浜に停泊していた)急いで支度してください。」


「仕方無い。いくとするか」


「そうです。亡命して戦い続けなければ、それ以外方法はないのです。他の軍港にも言って下さい。沖縄へ亡命しろと。後昭和天皇にも伝えて下さい」


「わかった。」



8月10日 午前6時

紅蓮崎達は第一航空艦隊と輸送船数十隻とともに横浜出港

その他呉や佐世保の軍港でも似たように輸送船とともに艦艇が出港した。

それとほぼ同時刻にソ連の進行が再開した。満州、サハリン、千島列島、アリューシャン列島、北方領土、北海道。


午前6時半満州には2025年当時の装備があり、他の地域に比べ装備がまだましだったのでまだ落ちずに済んでいたが、他の地域は占領され、すでにソ連軍は東北地方へと侵攻準備を進めていた。


午前6時40分 

満州 虎頭要塞

ここは、関東軍の司令部に変えられ、特別軍1個連隊と陸軍3000名の約6000名が籠城していた。

ドイツ軍からライセンス生産した80cm列車砲を収納してある車庫には戦車も収納されている。そこから20両の5式戦車改と7両の20式戦車と装甲戦闘車ファミリー(3両ずつ)が出た。

その後20式戦車と15式機動戦闘車による130mm滑空砲と105mm滑空砲による一斉射撃によりT-34や、T-44、KV-1などの戦車が次々にやられて行き、要塞に取り付けられた銃眼による機銃掃射でソビエト地上軍の歩兵は要塞を攻略できずにいた。要塞の後方に待機していたドイツ製の80cm列車砲ドーラによるソ連の後方部隊に対する砲撃は、それと言った効果は挙げなかったが、着弾時の壮絶な威力によりたった巻き沿いくった一人の兵隊の無残な姿、はらわたは飛び散り、脳みそは破裂し、皮膚は焼き爛れて、手足はぐにゃぐにゃになり、何が何だか分からない物質になっていた。それを見て精神的に逝った者、恐怖のあまり発狂するものが続出した。実際対人、対戦車として効果を出したのが普通の榴弾砲未来から持ってきたやFH-70 155mm榴弾砲と対空射撃管制装置を搭載した5式15糎高射砲だった。使い方はドイツ軍がアフリカでしたようなかんじだ。高射砲で陸上部隊を撃つ。はっきり言えば今のところ日本軍が優勢だ。勝率は半分以上が日本と言った所だった。しかし、その勝率は次の瞬間で1%まで下げられることになるとは。

パシュウンと一筋の光が戦場を貫いた。ガツンと、ものすごく嫌な音がした後5式戦車改は後ろにいた同車両2両をともにして爆発した。


「どこから撃ってきた?戦車も何もないぞ?」

と5秒の間を開けて再びガツンと嫌な音がして光の筋の先には20式戦車だった。20式戦車の装甲は瞬時で溶け爆発した。その光の筋をこの部隊の隊長、梶原(2025年の時紅蓮崎が所属していた中隊長)は見逃さなかった。


「全部隊に告ぐ。この光の先を集中砲撃しろ。格納されている戦車も全部隊出撃しろ。」

と格納庫からさらに10両の20式戦車と5両ずつの機動戦闘車ファミリー、14両の5式戦車改がでた。


「攻撃しろ!!」


との声に一斉に発射される弾丸。130mm滑空砲、105mm滑空砲、40mm機関砲、155mm榴弾砲、対戦車ミサイル。次々に攻撃していく。その間だけなぜか敵は攻撃してこなかった。


「敵の攻撃は止んでいる。今のうちに要塞内部の部隊は他の地上部隊に攻撃しろ。」


と言った瞬間だろうか?攻撃している何もない空間からにぶい音が聞こえしばらくして、その姿を出した。そこには15式戦闘車とほぼ同じ大きさの車両だった。

戦車部隊は回収のためにそばに近づいた。


「隊長・・・・」


「光学迷彩・・・・!!か?」


「光学迷彩って空想科学的なあれですか?フルメタとか、エースコンバットとかSFに出てくる・・・」


「フルメタとか、エースコンバットとか知らないがSFものに出るやつだ。最初に使われたのは簡易的だが2012年・・・イギリス軍の戦車に採用された。とにかくこの車両は回収だ。」


「はっ!!」


「生存者はいるのか…?」


歩み寄った梶原は車内を見て驚いた


「・・・・子供・・・!!・・・脈は…」


ドクン ドクン ドクン


「(脈がある)・・・・おい、衛生兵を呼んで来い。生存者だ。子供だ。」


「解りました。おーい衛生兵生存者だ。」


「(こんな子供まで・・・どうかしてやがる)」


その後回収した車両と重要参考人(生存者の子供)を連絡したら沖縄に連れて行けと言われたため、特別軍は車両とともに、ソウルの軍港に配備していた強襲揚陸艦により中国大陸から脱出した。その後虎頭要塞は、ナゾの巨大爆撃機による攻撃を喰らい、壊滅して午前7時半に関東軍は事実上壊滅した。

それとほぼ同時刻

強襲揚陸艦が単独で向かっているその連絡を受けたため柱島を出港した第一艦隊(第二艦隊と統合した)は輸送部隊を先に行かせ東シナ海付近で待機していたが強襲揚陸艦と合流した。

合流して5分後

元第二艦隊所属の高雄型重巡洋艦鳥海が上空のナゾの巨大爆撃機による攻撃を受け沈没。強襲揚陸艦を先に行かせ、第一艦隊は飛行物体撃墜のため戦っていた。


「中央部に向け一斉射撃開始!!」


と、清水光美中将の一声に数十隻の艦艇が最大36cm最低でも12.7cmの砲弾を数百も撃ち続けた。しかし、冷却装置が十分でないため、途中で撃つのを断念。すぐさま水による砲身の冷却が施された。それをチャンスだと見たか爆撃機の中央部が開き、第一艦隊旗艦の霧島に向かって攻撃をしようとした。しかし、これは完全なミスだった。すべての砲が撃ってるように見えたが霧島の艦尾側の砲は撃っていなかったのだ。このすきを見逃さず清水光美中将は中央部に向け砲撃を開始した。36cm砲弾を一気に4発も直撃しさらに4発を喰らい、巨大爆撃機は完全に制御不能状態だった。その後機体は立て直せなくなり空中で爆発。だが、この機体は淡路島(何か勘違いしている)へと向かいN2爆弾を落とす予定だったため空中で爆発した瞬間同時にN2爆弾も爆発し第一艦隊は一万を超える死者ともに東シナ海に沈んだ。



午前9時日本降伏。日本以外の大東亜共栄圏はソ連の属国になると。もちろん独立した流球共和国も。


8月15日オセアニア州の国が降伏し第二次世界大戦が終結した。皮肉にも日にちが一緒だとは・・・

流球共和国 大日本帝国亡命政府司令部 


「俺は必ず本土の地をまた踏む。何度でも踏み、何度でも戦ってやる。この命が尽きるまで・・・」


紅蓮崎はそう心に刻んだ。



第一部完


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