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第肆拾参話  タイムスリップの謎

この話では大草司令長と2069年の日本政府の重要な人たちとの会議でタイムスリップの謎が明かされます。

しかしここで書かれた事は嘘とも言い切れませんが本当とも言い切れないことなので・・・。そこら辺はどうか・・・

2069年10月28日夜

東京 首相官邸

「そんな事が・・・」

「はい。」

極秘に開かれた首相官邸での会議。出席者は日本国首相、副総理、陸軍大臣、海軍大臣、空軍大臣、物理学者、科学者、そして大草司令長官。

「我々は、2025年から時の旅をして1864年にタイムスリップしてしまいました。その後、全く人工衛星からの反応や電波が全く捕らえられない状況で、紅蓮崎海と呼ばれる士官候補生(準尉)に心神T-R(Type-Reconnaissance)に乗ってもらい地域の調査に行ってもらったんです。そしたら長州藩と欧米諸国が、いわゆる下関戦争ってやつです。一方的にやられていく長州藩を見ていて我慢が出来なくなったらしく、介入。全滅させてしまったんです。」

「成程。」

「その後、その力を背景に不平等条約改正をし、どんどん内需拡大を推し進め、技術提供などをし、世界で初めてアサルトライフルを正式採用した国にしました。そして、金回収令などもし財源を今後のために蓄えたりもしました。1894年ついに日清戦争開戦。一方的な勝利になるはずだったんですが、どうやら朝鮮連邦や中国軍もタイムスリップしていたらしく大日本帝国陸軍は壊滅。我々は第二日本国と名乗り、援軍を送り勝利を収めました。その後・・・・・・」




「そうか。」

「旅順203高地攻略の時・・・敵から弾道ミサイルが発射され、新型のN2爆弾が搭載されていたらしく、そして気が付いたら・・・」

「ここに来ていたというわけか。どう思いますか?」

そんな事を聞く首相に対し、副総理や大臣は・・・・。無言状態。そんな時、ある物理学者が、

「ありえないこともないですね。これは21世紀の初めの話です。アインシュタインは光速に近い速度なら未来へ行くことが可能だ。だが、過去に行くには光速を超える速度で移動しなければならないとならない。現在の物理学では、物体が光の速さを超えることは不可能と結論づけられ「「過去への時間旅行は事実上不可能」」とされています。しかしモスクワの数学者イリーナ・アレフエヴァ氏とイーゴリ・ヴァロヴィッチ氏の二人は「「ビッグバンの10億分の一秒後を再現する」」という、CERN(欧州原子核研究機関)による実験に注目をしたのです。そこで使用されるLHC(大型ハドロン衝突型加速器)を使えば“原始破壊”のエネルギーが時空の歪みを生み、ワームホール(タイムトンネル)が誕生するとこの二人は主張しました。しかし、このLHCは不調や事故が続き改良作業が続いていたのですがだんだん欧州の経済が傾きをはじめ各国が資金を援助できなくなりこの機械は使われずに今なおCERNにあると思われます。(この時代ではもうCERNは建物だけで特に何もない。)」

「???」

まわりのひとたちが?ばかり浮かべている。そこで科学者が

「LHCというのは大形ハドロン衝突器で正確にいえば大型粒子加速器です。素粒子同士を衝突させこれまでにない高エネルギー反応を起こすことができるのです。そしてこの高エネルギー反応を起こす実験を行い、これまでに不明とされてきた様々な化学の謎を解明することができるといわれていました。そのひとつがビッグバンの再現であり宇宙の起源などを探ろうとしていたのです。しかし、2008年の試運転で出た記録は0.45Tev(4500億電子ボルト)のエネルギーであり、ビッグバン直後に近いエネルギーを作り出すには7Tevまでのエネルギーが必要とされているんです。それから改良を重ね2030年代には5Tevほどのエネルギーを出すことに成功したそうですが、それ以降は何も・・・。素粒子というのは物質の最小限の単位のことです。」

よけいに?マークだらけになったらしい。

「つまり、それを使えばタイムスリップが出来るというわけだな?」

「確証はありませんが。もしかしたら、核融合爆弾やN2爆弾の爆発が何らかの原因と結びついてビッグバンの再現の時並みの高エネルギー反応を起こし原子破壊を生みだし、ワームホールが開いてのかもしれません。」

「成程。」

しばらく沈黙の間が開く。その時、首相が

「私には何を言っているか解りませんが、タイムスリップが出来るというなら戻りたいと思います。」

「!!!!!!!!」

「もしタイムスリップが出来るというなら第二次は無理でも第三次世界大戦は止められるはず。地球をここまでにしたのは我々の責任でもある。タイムスリップをして、現代技術を使い日本国を勝利させるのです。」

「たぶん、しなくても日本は勝利するかと・・・」

「しかし、大草司令長官の話によると、確かに日本は内需拡大をし、欧米列強と肩を並べるほどの国になりました。しかし、第一次世界大戦が終わったとしたら、清とドイツは敗戦国になるため、清の満州や遼東半島、ドイツの権益の山東省を確実に得るでしょう。そうなると広大な中国大陸に進出するのが遅れたアメリカとの対立は必ずです。そのときいくら技術力や生産力が上がっているからとはいえ、アメリカには勝てません。弾薬の生産体制が淡路島だけだったのですからミサイルなどは作れません。いずれ負けるでしょう。それを阻止し、日本を勝利に導きアジアを今ではなく昭和時代に解放させるのです。」

「成程。ではどうするんですか?」

「欧州に経済支援と復興支援の名のもとCERNを買収する。それと、陸海空共同で開発している亜空間システム。あれも本格的に実用化しろ。」

「亜空間システムならすでに試験積みです。実用化を現在推し進め最低でも11月いっぱいには出来るかと。」

「そうか。ではそうだな。とにかくもう遅い。続きはまた明日。解散」


亜空間システムについては次話で話します

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