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第肆拾壱話 タイムスリップ

2069年 世界は滅びの道へ進んでいた

第三次世界大戦でボロボロになったアメリカは以前の繁栄はなく町では金や食料の略奪が続き混沌の渦にのまれていた。それがどんどん拡大していき、ついには内戦状態。イギリスではアイルランドの独立を勝ち取ろうとリアルIRAが貧困のイギリス政府と戦争。イギリス国内でも内戦がおこっていた。オーストラリアでは先程の戦争で砂漠化がさらに広がり深刻な水不足に悩まされていた。中東では戦争の被害で、復興が追い付かずイスラム圏ではアメリカに対する反米デモばかり起こる。ヨーロッパでは陸の主戦場になったため、市街地は廃墟状態。地べたには飢えに苦しみ死んでいく人々の姿が見られる。一種のスラム街ってやつか。東アジアでもそれは変わらず、インドネシアやパプアニューギニアなどはオーストラリア軍との戦闘や爆撃による被害があり、大変な状態だった。それに比べ日本は、部分的なダメージや核汚染はあるものの、致命的なダメージはなく問題がある範囲ではなかった。いや、2つばかりか問題があった。輸出する相手が減ったということ。この戦争に一切参加せずちゃっかりアメリカから援助を受けていて、第三次世界大戦で力を蓄えたロシアだ。今の日本からすれば唯一の輸出相手国だ。あとは、戦争に参加していないアフリカ諸国や南アメリカ大陸諸国、メキシコ。後はテロ組織。もう止められない状態だった。

そんな時

2069年10月 

日本列島 大阪湾 一隻のタンカーが通っていた。

「船長。俺達はこれが日常生活だと思っているんですよ。でも、世界では・・・」

「それくらい解ってる。同じ話ばかりするな。」

「でも・・・あれ?蜃気楼か?」

「そんな馬鹿な・・・!!何なんだ。」

次の瞬間世界が終ったかのような光につつみこまれるようにして現れた。それは2025年に姿を消した要塞島淡路島だった。

「こっこれは?」

「淡路島・・・・?」

「でも淡路島は2025年の露中朝同盟による大量のN2爆弾搭載弾道ミサイルによって消滅したんじゃ?」

「とにかく、連絡しろ。日本政府にだ。」


東京 首相官邸 

「何だね、副総理。こんな時間に」

「それどころじゃないんです。いいから危機管理センターへ来て下さい。」

「解った。解った。」


危機管理センター

「どうしたんだね、陸軍大臣、海軍大臣、空軍大臣。」

「おはようございます。竹中総理。」

三人そろって敬礼をする。

「まあ固くなるな。で、どんな用事なんだ?」

「それが・・・・・」



「淡路島が戻ってきた!!今日はエイプリルフールでもなければ四月馬鹿でもないんだぞ。私を何だと思っている!!言ってみろ!!」

「総理大臣であります。(エイプリルフールと四月馬鹿は意味的には同じなんだけど)」

「国でトップのお方をおちょくるとは!!ゆるせん」

「おちょくってなどいません。事実です。この偵察衛星を見て下さい。」

「どれどれ」

スクリーンには日本列島が映し出され、本州、近畿とアップされていく。

「これです。」

「!!」

そこには鮮明に拡大された淡路島の姿だった。

「レーダーの位置、山の形、風力発電機の数位置。どれもすべて2025年の物と適合します。」

「ふむ。」

「どうしますか?」

「ともかく、人がいるかもしれない。コンタクトを取ろう。」

「はい」



その頃 淡路島

「痛っ~い。・・・・ここどこ?誰か~いる?いたら返事して~。」

ここで一人叫んでいるのは技術本部の地佐山夙。(皆さん覚えてますか~?)

「紅蓮崎く~ん。お兄ちゃ~ん。あっ二人とも出かけてるっけ。」

「地佐山君。そこで何をしているんだ?」

「大草司令長(皆さん覚えている?)。道に迷ってしまいました。地図を下さい。」

「生憎持っていない。ここにいて何年経つと思っているんだ?50年ぐらいたつんだぞ?少しは地形も覚えたらどうなんだ?」

「あら、私は73歳ではありませんよ?まだ23歳独身です。」

「・・・年など聞いておらん。」



しばらくして

淡路島司令部

「そうかよくやった。ミサイルは防げたのだな。」

安心したかのような口調で言う大草司令長官に岩田晃司軍曹(情報管理)は

「はい。それと一つ気になることが・・・」

何やら不安そうな口調でしゃべる

「なんだね?」

「衛星通信が回復しました。」

「なにい!!」

「嘘ではありません。それとそれ以上に気になることが・・・」

「なんだね。」

「ヨーロッパや、中東、アメリカ、オーストラリアなど、世界各国で、戦災が確認されます。そして建物からして20世紀初期とは思えないんです。いえ21世紀初期とも思えません。それ以上に技術の発達したような建物です。」

「・・・もしかして、今度は未来にタイムスリップしてしまったのか?」

「そうなりますね。」

「・・・」


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