第参拾弐話 第一次世界大戦編〜第三次旅順総攻撃〜
「チョークはずします。」
シューン F-3戦闘爆撃機バージョンが12機発進した。
「みんなに告ぐ。敵の機関銃陣地には機関砲で一掃しろ。戦車などが出てくる大きなトーチカは大型貫通爆弾を使え。大きすぎて4発しか搭載できないからミサイルと違い数が少ないから無駄に使うなよ。」
「はいっ!!」
「俺についてこい。」
その頃 旅順203高地
ドガーン ドガーン
「こちら第七師団!!ほぼ壊滅状態。ロシア軍の砲付きの荷車に、ぐわああ」
「どうした!!返事しろ。おい!!」
「どうしましたか?」
「どうやら、第七師団は全滅のようだ。」
「・・・」
周りの兵隊が唖然として何も言えない状態だ。
「こちら相良戦車中隊。突如として現れたT-95戦車部隊により壊滅状態。撤退します。」
「解った。すぐにその場から立ち去れ。」
「了解。」
次々に敗北を重ねる連合軍(大日本帝国陸軍と第二日本国陸軍)の上空に希望の光が見えてきた。
「おいっ!!あれを見ろ。支援爆撃に来てくれた部隊だ。」
「紅蓮崎・・・頑張れよ。」
「俺たちヒーローですね。」
「そんな事は言ってられないぞ。敵をせん滅するぞ。」
「了解」
「機関銃陣地発見。」
ババババババババババ
「ぐわあああ!!」
「ぎゃああ」
「助けて。」
「これも戦争だ。仕方がねえ。・・・もう慣れちまったな。死体なんて・・・おかしいのか俺って?」
跡形もなく無残に人間を砕いてく30mm機関砲。
「あとかたもねえや。」
「次。」
ババババババ
「クリア!!次!!」
バババババ
「クリア!!次」
「おいっ!!あの鉄のハヤブサが次々に敵の機関銃陣地を破壊してくれてるぞ。俺たちも負けてられねえ。行くぞ!!」
「おー!!」
「アーヴァン大隊長。日本軍が押し寄せてきます。」
「仕方がない。T-95 45両、T-90 50両、T-80UD 40両、T-72 65両 全車両で敵の侵攻を防げ。」
「司令長官からの命令は?」
「前線視察に行っていてロマン司令長官が戦死したんだ。もう指揮系統はぐたぐただ。とにかく日本軍の侵攻を防ぐのを考えろ。」
「上を見て下さい。」
「なんだ・・・・これは・・・」
ドカーン バコーン ドーン グシャーン グチャグチャ
大型地中貫通爆弾によりそこに格納されていた戦車が吹っ飛んだ。
「くそっ!!何がどうなったんだ。」
「アーヴェン連隊長。もう時間がありません。ここはすぐに日本軍に占領されるでしょう。」
「なんだと!!」
「もうこの要塞に立てこもっている人とたちではあなたが一番階級が上です。指揮を。」
「何人残ってる?」
「私たちを入れて・・・解るだけで約800人前後です。」
「仕方がない。ロシアのために奴らを吹っ飛ばす。」
「もしかして新型N2爆弾搭載の世界最大の大陸弾道ミサイルを?」
「勿論だ。この山の山頂が開く。それに敵はビビって唖然とするだろう。そして淡路島に向かって撃つ。GPSが使えないと思ったら宇宙にある通信衛星までタイムスリップしたらしくGPSが使える。こうすれば俺たちに被害が出ずに、敵を吹っ飛ばすことができる。」
「しかし・・そうしたら国際非難は・・・」
「うるさい。ロシアのためだ。」
ドーン
「何だこの音は?」
「アーヴェン連隊長!!」
「どうした?」
「敵航空機による爆弾により山頂付近が露出しミサイルがまる見えです。」
「なに!!」
「おいっ!!紅蓮崎、あのでか物は何だ」
「ロシアが開発した世界最大の大陸弾道ミサイルです。たぶん搭載しているのはN2爆弾だと。」
「おいっ!!待てよ。そんなもんが日本国内に飛ばされたら・・・」
「迎撃無理ですね。」
「どうするんだよ。」
「爆弾の残弾は?」
「ゼロだ。」
「俺もゼロなんですよ。」
「他の連中は?」
「俺もゼロ・・」
「ゼロっす・・」
「あれば落して爆発させるんですけど。そうすれば最小限の被害で食い止められます。」
「全員ないのか。」
「地佐山隊長!!」
「どうしたんだ。岩田。こんな忙しい時に。」
「大変です。旅順203高地の中央のミサイル。レーダに熱源反応。発射します。」
「なんだと!!」
「どうするんだよ。」
「ミサイルは間に合いません。今撃ったら空中で爆発し被害甚大です・・・もう無理です。」
「・・・みんな。今までありがとう。」
「地佐山隊長?なにするんですか。」
「みんな、日本を頼んだ。紅蓮崎・・・」
「・・・隊長・・・」
「夙を頼んだぞ。おれは突っ込む。・・・・この日本に栄光あれ・・・さらば同志よ・・・」
「タイチョーウウウウウウウウウ」
「うおおおおおお」
「おいっ!!あの日本軍、ミサイルに向けて突っ込んでくるぞ。」
「俺は発射させるぞ」
「やめて下さい連隊長!!」
「ウルサイ!!」
「駄目です。」
ガチャガチャ 二人が争っているうちにミサイルを発射させる機械がいじくられてる。
「邪魔だ!!」
ばん!! 一発の銃声が響く
「邪魔ものは消えた。我々はもうつかんでいる。日本軍が強いのは、淡路島があるからだ。淡路島に向けて発射」
ゴオオオオオオオ ミサイルが発射された。
「間に合うか!!」
ゴオオオオ
「うわああああああ」
「隊長!!」
ドガーン ミサイルに体当たりする前に、大陸弾道ミサイルの噴射口に巻き込まれてしまった。
「司令長!!淡路島に向けて大陸弾道ミサイルが発射されました」
「何だと!!すぐに迎撃しろ。」
「はっ!!」
「到着時刻まであと1分。」
「03式中距離地対空誘導弾発射!!」
パシューン
「ミサイル急降下してきます。」
「当たれえええええ」
ドガーン
「うわああああああ」
パシュン
「淡路島どうなったのだろう?」
「さあ?迎撃したんじゃねえかな。」
遼東半島奪還作戦は成功して20分後の話だった。
「紅蓮崎!!」
「どうしたんですか?藤浪先輩。」
「大変だ。」
「落ち着いて下さい。何があったんですか?」
「それが、落ち着いてられるか!!実はな…」
「淡路島が消えたぁ?ほんとですか?」
「ああ。」
「じゃあ俺たちは…」
「第二日本国がなくなったってことだ。俺たちは大日本帝国に配属されるだろう。」