第参話 世界情勢
紅蓮崎海は所属部隊の上官藤浪翔也少尉とともに訓練場へと向かっていた。
「俺たちが所属する梶原中隊はこの島に配属されたばかりだ。お前も初めて見るものばかりで見とれてしまうかもしれないが、今見ないといけないのは現実だ!!いまアジアいや、世界は大変な状況下だ。日本の沖縄から撤退して米軍がアジアから減ったのをいいことに中国は北朝鮮を支援し2013年に韓国を併合してしまった。まあ、そのおかげで竹島は日本の物になったけどな。それ以来アジアは軍拡の一途たどっている。危険の陥った台湾が同盟を結んできた。その後中国はインドに進行。境界線が3カ月になっても変わらなく沈着状態が続き、国連が介入して終結した。それによりインドは日本と同盟。アジアの危機を感じた東南アジア諸国(通称ASEAN)が同盟を申し込み、同盟を組んだ。そしてイスラム集団だらけの中東アジア諸国までもが同盟の申し込みをしてきた。理由はアメリカに反抗的な態度を取り始めたことが、反米という面で共感したのだろう。石油という資源が手に入りやすくなる。という面で同盟を組んだのであろう。」
「先輩・・・何を言いたいのですか?」
「先輩か・・・中学生以来だな。その呼び方。陸上部で一緒だったけど就職先も一緒。配属部隊も一緒。そして、今は俺の部下。」
「そんなことどうでもいいですよ。俺の質問に答えて下さい」
「つまり、世界が分かれてきたということだ。ひとつは我が国率いる中東東南アジア連合。2つ目は中国と韓国を併合した北朝鮮改め朝鮮連邦とロシア連邦。3つ目はEU。4つ目はアメリカとイギリス連邦から脱退したカナダを中心とする北アメリカ連合。この4つだ。唯一中立を保っているのはアフリカとオセアニア州、南アメリカ大陸だけだ。EUとは比較的仲がいいが、他の2つとは仲が良くない。世界がこんなにも分かれてしまっている今、いつ第三次世界大戦が起きてもおかしくない。」
成程 成程 口に出して言わなかったが体が解ったと反応していた。
パタ パタ パタ 俺たちの足音が聞こえる。先輩も一緒に怒られるのだろう。すいません…
「何をやっとるかー、貴様らは!!時間には間に合ったが、5分前行動ができていないぞ。」
めちゃくちゃヒステリックに怒ったのは、梶原正信中隊長だ。
「すいません。」
「すいません。私がトイレで排便をしていたため遅れてしまいました。こいつは付き添いで来てもらったため悪くありません。すいませんでした。」
・・・・はあ? 紅蓮崎は思った。俺が軍艦とこの島に見とれていて、先輩が俺を探しに来たんじゃなかったっけ・・?
「そうか、まあいい。排便はもっと早くすること。戦場では時間も過ぎていくし、敵は待ってはくれない。一秒一秒が大事なんだ。そのことを心に刻んでおくように。いいな」
「はいっ!!」
ヒステリックに怒るが、そんなに悪い上司ではない。紅蓮崎はそう思った。しかし、やはり1番尊敬する
上司はこの人だ。
「さっきはありがとうございます。おかげで助かりました。」
「次はない。かもしれない。今後気をつけるように。いいな?」
「はい!!」
俺は中学時代からこの人を尊敬している。たぶん今も。そしてこれからも。そう思い俺は訓練場へと歩き出した。