第弐拾捌話 第一次世界大戦編〜奉天開戦〜
西海 午後10時30分
「私達はソウルへ向かう。第二艦隊は旅順203高地へ向かってくれ。」
「わかった。Good Luck!!」
鴨緑江 午後11時30分
プルルル
「はいっ!!こちら非常時師団長藤浪中将です。」
「こちら第一艦隊司令官島崎元帥。もうそろそろ、ソウルにつく。攻撃を始めてくれ。」
「はいっ!!」
そのころ
「乃木大将!!」
「なんだね?」
「たった今、我々の援軍が来ます。」
「そうか。ありがたい。」
「全軍に告ぐ。遼東半島に向かって前進全軍!!」
ゴオオオ ガアアア ブオオン いままで静けさを保っていた陸の戦闘が再び始まった。
奉天 午前0時20分
「さすがにこの時間じゃ寝ているな。俺も寝よう。」
ガガガガガ
「!!なんだ!!」
ピかっ!!
「何だあの光は?」
ドーン ドーン ドーン
ドカーン ドカーン ドカーン ドカ―ン
「うわああ」
「ぐはっ!!」
「母さん!!」
「我不想死了(死にたくない)」
「快股起来(隠れなきゃ)」
「日本語じゃないと通用しないぜ!!支那人さん。」
「支那人だけじゃないぜ。ロシア人もいるぜ。」
「そうだったけな。」
ババババババ 40mm機関砲が正確に人間を砕いていく。
ドーン ドカーン 130mm滑空砲や280mm榴弾砲が咆哮する。
人々を何もなかったように灰と塵に変えていく。
「我不想死了!!」
「Помогите!(助けてくれ)」
そんな事を願っても無駄だった。約12000人の機械化装備の奇襲と乃木大将率いる軍団の白兵戦になす術もなく、夜襲をかけられて撤退。これにより奉天会戦は日本軍の勝利で終わった。