第弐拾陸話 第一次世界大戦編〜鴨緑江会戦〜
第一次世界大戦
それは1914年から1918年にかけて行われたドイツ、オーストリア、トルコを中心とする中央同盟国とイギリス、フランス、ロシアを中心とする連合国との世界規模の戦争である。
しかし、それは我々の歴史である。
いま、俺たちが生きているここでの第一次世界大戦ではない。開戦した年は一緒だが。開戦当初露独清連合軍は遼東半島を占領し大韓帝国に攻め込んできたのだった。
1914年 7月28日 午後2時35分 大韓帝国 北緯39度東経124度 清韓国境付近
大韓帝国軍・第二日本国朝鮮半島駐留軍×ロシア軍・清軍・ドイツ青島駐留軍
無数の銃弾が飛び交う。いくつもの砲弾が降り注ぐ。
ダダダダダダ
「これでは沈着状態が続いてしまう。味方の大日本帝国陸軍は自転車により若干機械化されているが、なにせ数が多すぎる。情報によると合計で約50万人を動員しているらしい。それに比べて我々は帝国陸軍を入れても12万人。我々はその中の12000人弱。」
「そりゃきついですね。そうですね。どうしますか?連隊長・・・現在進行形師団長」
「10式戦車連隊を突入させる。」
「ちょっと待って下さい。何も早すぎませんか?日清戦争のときは現代装備をした相手でしたが、今回は普通のこの時代に生きる人ですよ。情報流出とか?」
「では、死者をもっと出せというのか!!」
「・・・しかし・・・」
「お前しかいないんだ。俺が率いる連隊・・・いや師団の戦車部隊を指揮できるのは戦車連隊長の亜久斗!!お前だけなんだ。兵士を救えるのは戦車連隊を指揮するお前だけなんだ。」
「解りました。…10式戦車大隊に告ぐ。ロシア・清・ドイツ連合軍を殲滅せよ。」
「待ってましたよ。隊長。」
その頃 鴨緑江
「さすがの日本軍も俺たち露独清連合軍には反撃が出来ないようだな。」
「そうだな。」
「おいっ!!なんだあれ?」
「何がだ・・・・?」
「!!」
「走る鉄の籠・・・・」
ドーン
120mm滑空砲が鳴り響く
ドカーン ヒュウウウウウ ドカーン
「うわああ!!」
「ぶはああ」
「!!」
ドカーン ドカーン ドカーン
次々に破壊されていく砲台、機関銃、そして人の命。たった一発の銃弾で人の命を奪えるのだ。たった一発で。それを、跡形すら残さず消し去っていくのだった。
「なんなんだ!!あの新兵器は?」
「解りません。このままでは、全滅は避けられません。撤退しましょう。」
「ああ。全軍に告ぐ。撤退だ。撤退。陣地を放棄しろ。」
こうして露独清連合軍は朝鮮半島から撤退したのだった。