第壱拾参話 江戸幕府訪問隊
ついに陸海空陸戦隊合同統一軍が江戸幕府に派遣部隊を出します。
1864年 8月5日 下関
「俺たちは、外国船に勝ったんだー。」
「うおおお」
「どうだあ!!」
「欧米諸国なんか屁でもねえぜ。」
高杉晋作を中心とする奇兵隊や、長州藩の武士たちが叫んでいる。
「晋作、いったいあれは何なんだろうか?我が国の国旗が描かれているせいで、味方だと言って勝利と勘違いしてるが・・・」
「確かに日の丸は描かれ・・ゴフッ・・ていた。しか・・し、味方とは・・考えられない。けれど、敵とも考えにくい。そして、なによりこの時代のもの・・・ではない。あるいは、この国の物・・ではない。」
肺結核のためまともに話せない高杉晋作であるが、それでも戦っていたことが不思議だ。
「というと?」
「ゴホッ・・つ・まりだ。日本に鉄のハヤブサがあれば、ペリー艦隊など追い払っただろう。かといって・・
んん・・敵だとしてもだ・・・なぜ?我々の味方を…するんだ?結論は・・・どの国の物でもない。この先の時代の・・・日本の物・・だ。」
「成程。」
「一度でもいいから・・・それ・・に乗ってみたい。なあ、狂介?どっちの方向へ向かって行った?」
「・・・ん〜〜・・・東の方角。」
「どこから来たの・・・・だ・・ろうか。東の方角・・四国か?淡路島か?本州か?」
8月5日 夜7時 淡路島
「準備はできたか?」
「はいっ!!一通りできました。」
「俺は江戸幕府訪問隊の隊長になった藤浪翔也少尉だ。員数を確認する。准尉クラスと特別参加の人は名前を呼ぶ。紅蓮崎!!」
「はいっ!!」
「相良!!」
「はいっ!!」
「渡!!」
「はいっ!!」
「岩田!!」
「はいっ!!」
「井上!!」
「はいっ!!」
「地佐山!!」
「はいっ!!」
「そして老中永島さん」
「はいっ!!」
「その他陸上部隊295名とそして、揚陸艦の人々。」
「はいっ!!」
その時長官が見送りにきた。
「皆さんは解っていると思うが、今回の訪問は、我々の認識している歴史を将軍に教えて、我々の技術力も披露する。そのため、資料と、大量の武器弾薬、攻撃ヘリ3機、バイク4台、FH-70を3門、装輪式装甲戦闘車両ファミリー一式、電気エンジン搭載型軽装甲機動車5両、20式戦車2両、19式280mm自走砲2両、発電機一式搭載特大型トラック3両(太陽光発電、風力発電、水力発電)、無人偵察機2機、弾薬補給車3両、トラック5両、レーダー車両一式、食糧、パソコンなどの電気器具を揚陸艦の人たちに訪問隊と一緒に運んでもらう。そして、永島さん。あなたには現在の幕府の政治の中心にいるのです。あなたは、この訪問で一番重要な人なのです。どうか日本を間違った方向にいかないように、歴史道理進まないように、変えていってほしいと心から願っています。それと、藤浪少尉とその他6名は永島さんのサポートをするように。いいな?」
「はいっ!!」
「ではそろそろ出航しますよ?」
「はーい。いいですよ。艦長さん出港して下さい。」
地佐山が言う。この船で唯一の女性だ。
「はーい。」
「帰ってくるからな〜。」
こうして江戸幕府訪問隊は出港した。




