第壱拾話 変えてやる
永島恭介
身長 172cm
体重 57kg
年齢 23歳
階級 老中
詳細
日本の未来を知った政治家。日本を変えることを決意する。
1864年 8月5日 淡路島
「紅蓮崎海准尉、ただ今帰還しました。」
「ったく、お前は本当に馬鹿だ。写真は?」
「これです。」
「・・・たしかに現代の日本ではないな。今のところお前が軍艦を沈めた事を知っている人の中で俺が一番立場が上だ。亜久斗や慎には、黙ってろと言っておいた。」
「おう、黙っててやるぜ!!」
「ありがとうございます。」
しかし、藤浪先輩の努力は次の瞬間無意味になる。
「何のことだ?」
「長官殿!!なんでもありません。」
「そうです。何にもありません。」
「はい!!なんでもありませんよ〜」
「そうでゃ・・・(舌噛んだ・・・)」
「何でもないわけがなかろう。私に言えないことか?17隻の軍艦を沈めてしまったとか。」
「なんでそれを!!」
息がぴったりに合った。
「君たちに紹介したい人物がいる。」
「誰ですか?」
「こっちへきたまえ。」
カツン カツン 足音がこの基地の廊下に響いている。
「客室?」
「この人たちだ。」
そこにいたのは目を輝かせている着物を着ている人たちだった。
彼らが言うには、今日は元治元年8月5日(1864年8月5日)だという。
この日は、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国、ネーデルラント王国、フランス第二帝国、アメリカ合衆国の4カ国、計17隻からなる連合艦隊と長州藩が下関で戦争をした日だ。
ちょうど日にちが合う。
なぜ彼らが、ここにいるか?それはつい数時間前・・・
この人たちは播磨龍野藩(現在の兵庫県と淡路島。間違っていたらすいません)に派遣された老中。彼の名は永島恭介という。老中にしては若い年齢23歳。この島から帰るとちゅうに、急に変な光が見えて、一瞬淡路島が光に包まれていて、気になって見に来たら見たこともない島に代わっていたという。
「藤浪君はこっちへ来てくれ。」
「何でしょう?」
長官が先輩を呼んだ?なんでだろう?
「成程。成程。」
「本当にこの島が今から150年後の世界の島ですか?(昔の言葉が解らないので、現代語に直します)」
「そうですけど・・・」
「そうですか。すいません。もう少しこの島について知りたいのですが?」
「かまいませんよ。」
「紅蓮崎!!危ない所には連れてくなよ。大切な客だからな。」
「解ってる。」
カツン カツン 足音が聞こえる
「室料資?」
「それは左から読むんです。」
「資料室。」
その瞬間永島はなぜか知らないが、ここで立ち止まってしまった。
「どうしましたか?」
「いや・・・この部屋が気になって・・・入ってもいいですか?」
「・・・(どうするか?・・・)」
「・・・(う〜ん・・・)」
「・・・(特に問題はないんじゃねえ?)」
3人とも見せるか見せないかで迷ってしまった。
「いいでしょう。見せましょう。」
「ありがとうございます。」
危険物取扱
世界の軍事
即席火薬製造
完全サバイバルBOOK
核融合 核分裂
どれも違う
「!!」
日本近代史
ペラペラ 一生懸命に歴史の本・・・未来の本を見ているが意味が解るのだろうか
1867年徳川慶喜が朝廷に大政奉還 王政復古 戊辰戦争
1894年日清戦争 日本の勝利
1902年日英同盟
1904年日露戦争 実質上日本の勝利
1910年韓国併合
1914年第一時世界大戦勃発 第日本帝国は連合国側〜1918年終結 連合国勝利
1929年世界恐慌
1931年満州事変
1937年日中戦争
1939年第二次世界大戦勃発
1941年太平洋戦争
1945年広島 長崎 原爆投下 ポツダム宣言受託 第二次世界大戦は連合国の勝利 日本敗戦
昭和中期から昭和後期にかけて、異常なほどの経済成長。
これが不平等条約を欧米列強に結ばれて、屈辱的な始まりをした日本の近代史か。
そしてこの人たちは、第二次世界大戦で欧米列強に膝を折って、敗戦という屈辱から始まった日本人たちか。
「そんなもの見て、意味が解りますか?原爆とか?」
「確かに解りません。しかし、ものすごく悲惨な目にあったってことぐらいは解りますよ・・・・・」
私はこの国の政治家だ!!
この国を変えられるのは誰だ!!
未来の日本を知った俺にしかできない!!
俺がやってやる。
この日本をアジアの盟主に、いや世界のトップに。
その頃には、俺は死んでいると思う。
だけど、おれは、屈辱から始まった日本を変えるための懸け橋になる。
そして誰かに遺志を継いでもらう。
日本は変わる。いや、日本を変えてやる。