第5話 フードコート戦争 一回戦
第5話 フードコート戦争 一回戦
「返せ。」
「そういう時にはありがとうと言うんだよ。今時の小学生でもわかるよ。」
「とても感謝しています。(ニッコリ)」
このようにとても怠かった。その気があれば、退学に出来るのだが市川も俺も例の事には目を瞑ることにした。
18:30 Spread journalにて
「伊藤君、今日も呼び出してすまないね。」
「とんでもないです。こちらこそ昨日はまともな返事が出来ずすみません。」
「私も突然あんな事言ってすまなかったね。伊藤君もまだ、高校一年生だから他の学校のことなんて知る由もなく、ましてや調べてる余裕なんてないと思うが君にしか出来ない仕事なのだよ。しかも、中3の頃に君を見つけ、スカウトした時の君の目はとても澄んでいて微かな希望を感じ取れたんだ、、、今回の件は悪くはないと思うけどどう?」
「どうして僕なのですか。」
「君は私達みたいな大人ではなくまだ高校生だからさ。高校生というのは純粋に物をみることができる年なんだよ。後、高校生という立場からどのように書きどこに焦点を当てるか?というのも見てみたいからね。」
「分かりました。今回の仕事を引き受けさせていただきます。僕も編集者や記者といった仕事は小さい頃からの夢であり、願ってもないことです。」
「話がわかる子で良かった。じゃあ、一ヶ月後にこの事務所に例の学校についての情報や事件を原稿にして持ってきてくれ。私達もこの学校にはとてつもなく興味を持っていて、読者も面白いと思うだろうから期待して待っているよ。」
「分かりました。初めての仕事ですから、不適切な行いもあると思うのですが、よろしくお願いします。」
「伊藤君なら出来るさ、」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
残り一ヶ月で完成させるのは容易ではないが、取り上げてる事柄は決まっていた。
事務所にて
「伊藤君は帰ったかい、」
「はい、只今ご帰宅されました。例の件にも了解なさり事態は快方に向かっております。」
「結構。どんな記事を持ってくるのか、私も楽しみで仕方がない。何しろあの学校で、そこに通っている生徒が書いてくれるのだからな。」
「でも、社長も考えましたね。編集者として雇うことで現状と秩序を知ることが出来るのだから。」
「君も良く頑張ったよ。何しろ彼が中3の頃に目をつけ、わざとこの学校に通わすように上手いこと仕掛けたのだから。」
「それほどでも。」
「まぁ、彼は苦戦を強いられるだろう。何しろ私の学校なのだから。」
次回予告 フードコート戦争 二回戦