第3話 乱入してきた男
第3話 乱入してきた男
放課後、家に帰る途中一本の電話が掛かってきた
「伊藤!!事務所に来てくれ」
俺は学生であるが学生でない。というのも、中学生ぐらいに校内新聞を書いた際に、出来が良かったのか、プロの編集者にスカウトされ、編集事務所に所属している。この編集社は、いわば週刊文春みたいな事をしているが芸能人を追うのではなく、身近な事件などを追う仕事である。いわば、記者である。例えば、とある学校の闇や、とある事務所の横領を見つけ記事にするといった仕事である。高校生であるが故に仕事などは任されていなかったので、クビになるのかと思った。いや、そうなる運命だったのかもしれない。
18:30に事務所の最寄駅に到着した。春であるにも関わらず、外は微かに夕陽がさしていた。
(俺はこの1年間夢を見ていたのだ、そうなる運命であるにもかかわらず、街の様子が綺麗に見える。誰一人として悪くない。ただ小さい者には何も出来ないというだけだった)
19:00に事務所に到着し、編集長に会いにいった。そこで言われたことに絶句というより久しぶりに笑みが溢れた。
「伊藤君には、この学校の事を調査して欲しい。どうやらこの学校には不可思議なことが多く起こると言われている。今年こそはこの学校を調査したいと私達は強く思う。この仕事を君に頼みたい。」
「僕に、ですか?」
と編集長は資料を見せながら俺に言ってきた。とても見覚えのある、学校だった。
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