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「っていうことがあったんですよー。」
「あはは!だからサプライズ禁止なんだ!?」
「そうそう!でもあの時も最後は感動的な感じだったのにマネージャーさあー。めっちゃ怒って部屋入ってくるんだもん!」
「あの時のマネージャーは怖かったよなー!顔やばかったし!」
「…陽もばるくんも、もうやめな?マネージャー、またすごい顔してこっち見てるよ…?」
スタジオでどっと笑いが起きる。
俺たちは今、カラフルなセットに沢山のライトやカメラがあるスタジオでバラエティの撮影を行っている。
打ち合わせはしたとはいえ…陽、喋りすぎじゃないか…?マネージャーめっちゃ睨んでるぞ…?
…まあバラエティの会話は陽が1番上手いし…任せておこう…。
「…それじゃあ、面白い話を聞かせてもらったし!b.caratにはいよいよ新曲歌ってもらいましょー!」
司会者はマネージャーの表情を読み取り会話を変えるべく、テンポよく進行をして俺たちを促す。
「「「「「宜しくお願いします!」」」」」
椅子から立ち上がり、ステージへと進む。
先程のスタジオとはまた違ったライトやセットの配色は、俺たちの今回の曲の衣装に合わせ濃い青色と銀色で統一されている。
─────♪♪
俺たちが歌い始めると、先程までの賑やかさが嘘のように観覧席にいる人達が息を潜めステージを見つめていた。
b.carat ───。
ひとつずつでも綺麗に儚い光があるが、すべて集まればより一層輝ける。
そんな思いでつけられた俺たちの名前。
これは、そんな俺たちの日常の他愛もない、そしてこれから未来へ語り継がれるかもしれないそんな話。