表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/64

戦闘、からの奇襲



俺は外套を深く被り、大通りを歩いている。

忍び足のスキルを発動して、とにかく目立たないようにしている。


スキル『忍び足』

効果・自らの足音を消して歩く事が出来る。


地味だが便利なスキルだ。

俺の見た目はとにかく目立つ。

全身ラインマンだからな。

外套の下に着ている服も、上半身は半袖なので外套が無ければ、入れ墨丸出しだし。

おっ、そんなこんなでもうすぐ門だ。

無事に出られるか……

何で俺、街から出るだけで緊張してんだろ……

ドキドキしながら、門をくぐる。

行けたかな?

どうやら無事に出られたようだ。

好感度マイナス500を気にしすぎなのかな?


まあいいや。

門を抜けると、そこには草原が広がっていた。

そして、プレイヤー達がまばらに戦っている。

俺もモンスターを探そうかな。

そういえば周りのプレイヤーは剣や杖、弓などを持っているな。

恐らく、最初に設定したスキルに沿った装備を持っているんだろう。

俺の場合は、『格闘術』だからな。拳が武器という事なのか、何も持ってない。

ん?

他のプレイヤーは皮鎧のような物やローブのような物を身に着けている。

一方俺は、ぼろぼろの外套と最低限の服しか持っていない。


罪人だからかな……

ちょっと泣きそう。


早くこの鬱憤を晴らそう。

モンスターは何所だ!

辺りを見回すと、そいつはいた。

頭に角が生えたウサギだ


《ホーンラビット》


俺の視界にウサギの名前が表示される。

ホーンラビットと言うのか。

名前を確認していると、ホーンラビットが俺に気付き

飛び掛かってきた。

「うおっ!」

咄嗟に角を掴み、ぶら下げる。

びっくりした~

というかよく掴めたな、俺。

現実ではそこまで反射神経は良くないんだが。

これも『身体能力上昇』の効果か?

「おっと」

ジタバタとホーンラビットが暴れているし、仕留めるか。


「ふっ」


シンプルに殴る。すると短い悲鳴を上げてホーンラビットが光となって消えていった。


そしてその場に残ったのは、ホーンラビットの角だった。

これを売れば、お金になるということか。

うん、装備が無くても行けそうだな。

この調子でどんどん狩るか。


三十分後……


飽きた!

ウサギ共は突進しかして来ないし、捕まえてしまえば、そのまま一撃で倒せる。

後半はほぼ作業だった。

たが、収穫もあった。


まずスキル『身体能力上昇』の詳しい効果が理解できた。

どうやらこのスキルは、反射神経や動体視力、腕力や脚力なども上昇するらしい。

現実ではあり得ない反応速度や強い腕力から、考えるとこれで間違い無い。

かなり強いスキルと言えるだろう。


そして次はスキル『気配察知』だ。

その名の通り、気配が軽く感じとれるようになっている。

なんとなくでしか分からないが、それもスキルを育てれば解消されるだろう。


そうそうこのゲーム、スキルを育てられるのだ。

スキルを使い、熟練度を溜めていけばスキルが進化出来るようになるらしい。

しばらくは、そのスキル進化を目指すつもりだ。


少し話が逸れたが、他のスキルは大体名前の通りの効果だった。


スキル『格闘術』は

その名の通り、格闘に関する事で補正がかかり


スキル『逃げ足』では、

ウサギから逃げてみたら、少し足が速くなり


スキル『痛覚耐性』では、

あえて攻撃を受けても、全く痛くなかった


このゲームは痛覚は和らげられているが、ゼロにはならないので効果は発揮されているのだ。


『気力操作』は使おうと思ったんだが、ウンともスンとも言わなかった。何かコツでもあるのか?

修行でもしないといけないのか?


他のスキルは試しちゃダメそうなやつだったりだ。

スキル『スリ』とか。


さて、スキルの効果もある程度確認できたし街に戻るか。

俺は街に向かって歩き出す。

もちろん、外套を深く被ってだ。


そう、外套は深く被っていた。()()()()()……


「天誅!!」


後ろから、襲いかかられた。

咄嗟に身をよじり躱す。

危なかった…… 油断していた。近くにいるプレイヤーだと思って『気配察知』でも無視していた。

相手が叫んでいなかったら、躱せなかっただろう。


「なっ! よけるな!」


無茶なことを。


「いや、いきなり攻撃されたら、避けるだろ」


おそってきた相手を観察する。

髪の毛の色は金髪で、装備は剣と盾、そして鎧。

顔立ちは整っていて、女子受けしそうな顔だ。

こいつ、街の近くのフィールドにいるって事は初心者プレイヤーか?

それにしては、やけに装備が豪華で時折、光っている。

いや、上級プレイヤーがたまたま居合わせただけかも知れない。

どちらにしても、俺を襲う理由が無い。


「どうして、俺を襲う?」


「とぼけても、無駄だぞ! 僕にはおまえが悪人だって分かってるんだ!」


どうしてだ?

勿論俺は他のプレイヤーに自分の好感度マイナス500については喋って無いし、そもそも他のプレイヤーと会話はしていない。

噴水広場から逃げたのを見ていたとしても、俺は今外套を被っていて顔は見えないはずだしな……


「勇者の目は誤魔化せないぞ!」


勇者だと?





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勝手にランキングに登録しています。気が向いたらクリックして貰えると嬉しいです。 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ