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堅実な戦い

週間ランキングでも一位となりました!

ありがとうございます!



ログインした。

そして、昨日寝ていた時に思い出した事を実行する。


『見極めの眼』を発動する。

スキルが復活した時から常時発動が切れていて、完全に忘れていた。


『見極めの眼』はどういう訳か、モンスターの敵意には反応しないのだ。

まぁ、俺の出自的に考えると当然かも知れない。


随分と人間達を警戒していたっぽいし。他人事のように言っているがこのゲーム内で起こった俺の事だ。

人間の敵意には敏感なのだ。スキルを切ったままだったから分からなかったけど。


よし、敵意も分かるようになったし、行くか


いざ、ワイバーン狩りへ。


●●●


今俺がいるのは昨日と同じ北の山の山頂。霧はない。

リベンジだ、ワイバーン。

今度は調子に乗らず、堅実に勝つ。


「キシャャァ!」


最早、聞き慣れた声。

空にワイバーンの影。静かに『構え』をとる。


「ふー……」


『金剛闘気』を発動。

全身に巡らせる。


ワイバーンの飛ぶ音、鳴き声が近づいてくる。

集中し、タイミングを探る。


「キシャャァ!」


今!

ワイバーンに瞬時に向き直り、『流の型』

ワイバーンの顔の側面に手を置き受け流す。そのままの流れでガラ空きの首に蹴り込む。


ワイバーンの首が若干曲がる。

よし、クリーンヒット。


更に攻撃を繋げる。

ワイバーンの体が通り過ぎる前に翼を潰す。


『闘気』を多めに込め、足でワイバーンの翼を支える腕を蹴る。確かな手応え、折れたな。

これで飛べない筈だ。


そこまでの攻撃を通り抜けざまに打ち込み終わった。

今まで一番連撃が決まった。


ワイバーンの体が通り過ぎる。


翼は潰してあるので、体勢を立て直す事が出来ず、体を地面に擦りながら落ちる。


「キシャァァァ!!」


そしてワイバーンはすぐさま起き上がり威嚇してくる。

だが、


「空には逃げられないぞ?」


相手の得意である空を封じた。

完全にこっちのフィールドだ。


ここで油断すると、また反省する事が増えるので、まだまだ気を抜かない。


空を封じたからといって、ワイバーンの脅威が消えた訳では無い。

棘付きの尻尾やワイバーンの噛みつきも健在だ。


スキルが使えなかった時のように、精神を研ぎ澄ませていこう。


●●●


「いよいよ調子に乗ってたんだな……」


ワイバーンの討伐完了。

目の前にはワイバーンの亡骸。じきに光になるだろう。


対して、俺の傷はほぼゼロ。

完勝といえるだろう。スキル無しで一度倒せたんだからこれは当然なのだろうが……

前回のあの辛勝は何だったんだ……と思わなくも無い。

慢心って恐ろしい。


《派生アーツ『撃の型 (つらぬき)』を習得しました》

《アーツ『蹴の型』を習得しました》


お、派生アーツと新しいアーツを習得出来たようだ。

やっぱり自分だけでアーツが習得出来るんだな。


まぁ、アーツを覚えたからと言っても、これから研鑽していかないといけないが。




『撃の型 貫』

貫通力に特化した攻撃。

『金剛闘気』を併用する事により、更に貫通力が上がる。

使い手の熟練度によって効果が上昇する。


『蹴の型』

足を使った強力な攻撃。

『撃の型』と同様、応用性が高い。

使い手の熟練度によって効果が上昇する。



この、使い手によって効果が上昇する、というのはかなり重要なのだ。

練度が低いと効果、つまり威力がとても弱くなる。

今、覚えたのは本当に形だけだ。

これはまた道場でやっていたように『構え』をとりながら修練しないとな。


あ、ワイバーンが光になった。

素材は棘と爪だ。

回収し、これからどこへ行こうか……


「うん、普通に進むか」


このまま北に行くと、新しい街に着くらしいし。

最初の街から東西南北に街が四つ、そこから先は疎らに街や小さい集落があるらしい。


行ってみるか。また、ワイバーンに襲われるかも知れないし。

ほぼダメージゼロで勝てたと言っても、疲れてない訳じゃない。連戦は避けたい。


雪が退けられている山頂の道を進む。

この先にある街はどんな街かな?


●●●


ワイバーンを倒してから大体十分ほど。

そろそろ一面銀世界にも飽きてきた頃だった。


「ん?」


『気配感知』に反応あり。

何かいるな。だが、周りには何も見えないが……どこだ?


直後、何かが地を蹴る音が聞こえる。

方向は右斜め前。


視線を向けると、()()()()()のホーンラビットが突撃してきていた。


「うおっ!」


速さ自体は普通のホーンラビットと同じくらいだったので、突撃は角を掴んで詰められた。

本当に真っ白だな。


名前にはホーンラビット変異種、と表示されていた。

これは……アルビノのような個体なのか?


一面銀世界も相まって、直前まで気付かなかったぞ。

目も耳も全て白みがかかっており、同化率は非常に高い。


「キュ! キュキュ!」


変異種が暴れ始めたので、とどめを刺す。

すると直ぐに光になった。やっぱり基本的にホーンラビットなんだな。


残った物は真っ白な角。

前にピンク色の角を持つホーンラビットがいるとは聞いたが、真っ白な物も存在するとは……


この山、ワイバーン以外にもモンスター居たんだな。

ワイバーンしか見ないから、ワイバーンだけなのかと思っていた。

今度からはこういったステルス能力を持つモンスターも警戒しないとな。


その為には『気配感知』のスキルも鍛えないといけないが……どうやって鍛えるんだ?


格闘術とかは分かり易かったが、これはな……

今度周りの気配を探る訓練とかしてみるか。




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