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閑話:究極へと至る五感(前編)

長くなってしまった……!

『審査員は、全員が黒旗! この勝負、勝ったのは裏料理界です!!』


 窓のない閉じられた施設に、機械で増幅されたアナウンスが木霊する。

 それと同時に膝を付くのは、白旗のメンバーたちだ。


「そ、そんな……バカな……」

「俺たちが、負けた……?」

「嘘よ……。こんなの嘘よっ!」


 呆然、あるいは絶望。

 そんな感情を剥き出しにする彼らに、黒旗の面子が言葉をかける。


 温かいものではない。

 煽り立てるような、心無い言葉だ。


「まっ、当然の結果だね。所詮は表の温い世界ではこの程度さ」

「そうそう、本当に命を賭けてる僕らとは、レベルが違う」

「アマチュアたる所以だな。無駄な時間を過ごした」

「クッ……!」


 言われたい放題である。悔しさで胸の内は一杯だ。


 今すぐにでも殴りかかりたいが、それは許されない。

 ここで許されるのは、磨き抜いた料理の腕だけであり、もしも腕力に物を言わせれば、永久に料理界から追放されてしまう。


 そして、今まさにその料理の腕で負けた。

 満場一致で完璧に。

 渾身を振り絞ったそれを打ち負かされてしまった。


「じゃあ、君たちの看板は貰っていくよ」

「これからは、精々、こそこそと世界の隅っこで身の程を弁える事だな」

「そう、これからは我々、裏料理界こそが世界を牛耳るのだ」


 彼らが賭け合っていたのは、表での料理権。

 それを賭けて負けた以上、白旗の面々は、もはや店を開くような事はこの先永遠に出来ない。


 無論、再度、勝負を挑んで取り戻せば話は別である。

 しかし、今の彼らには無理であった。心が折れてしまっている。


 裏料理界のそれに、自分たちの料理は届かないと認めてしまっていた。


 高笑いをしながら会場を去っていく勝者の背を、彼らは涙で滲む視界で見送る事しか出来ない。


「クソ、クソぅ……」

「どうするの、リーダー」


 悔しくて、情けなくて、どうしようもなくて。

 ただ負け犬の遠吠えを吐き出すしか出来ないリーダーに、メンバーの一人が問い掛ける。


 彼は、袖で涙を拭うと、決然と言う。


「……残念だが、俺たちではあいつらに勝てない」

「それは……悔しいが認めるしかないね」

「なら、勝てる人物を立てるまでだ」

「情けないけど……まっ、それしかないね」


 確かに情けない。しかし、それしか道がないのも確かな事である。


「それで、当てはあるのか?」


 彼らは、表において最高峰である。

 思い上がりなどではなく、正当に評価され認められた実力だ。


 その自分たちを凌ぎ、裏料理界に立ち向かえる人物の当てなど、そうそうある訳もない。


 だが、リーダーは、はっきりと言った。


「いるだろう? いるじゃないか。

 俺たちには、最終兵器がいるじゃないか」

「……というと?」

「表も裏もなく、自由気ままに振る舞う世界トップクラスの幻の料理人……」


 そこまで言われれば、他のメンバーにも分かる。

 そして、それに声をかける事の重大さも理解し、ゴクリと唾を飲み下した。


「雷裂、美影だ」


 かくして、高天原総合料理研究部は再出発を目指して動き出す。

 彼らが望み通りの助っ人を手に入れられるかは、未だ誰も知らない未来の話である。


~~~~~~~~~~


 夏休み期間に入った高天原学園ではあるが、帰省している学生は少ない。

 と言うのも、今年度は連続して世界レベルの事件が相次いでいた為、授業の遅れが半端ではないのだ。


 その為、遅れを取り戻す為の臨時講義があちこちで開講されており、強制ではないというのに、彼らは積極的にそれらに参加しているのだ。


 美影も、そんな帰省しない学生の一人である。


 とはいえ、彼女は授業が目的という訳ではない。

 現在は、一応、刹那が高天原にいる為、わざわざ本土まで帰省する理由がないからだ。

 彼と会う為だけに帰省していた美影である為、ここに義兄がいる以上、その理由を喪失して留まっている。


 しかし、だからと言っていつでも刹那にベッタリと張り付いている訳ではない。

 彼の作業を邪魔をしない為にもじゃれ付くタイミングは見計らっているし、そもそも刹那は何の脈絡もなく唐突に出奔する事もあるので、暇をしている時間も多い。


 そんな空いた時間を潰す為に、美影は色々としている。

 大学の研究に潜り込んでみたり、適当な講義に混ざってみたり。

 そして、時には特に意味もなく料理店を出してみたり。


 今日は、そんな気まぐれな日和であった。


「んー、なんつーか、慣れてしまったけど、美味いんだよなぁ。高級店の味」

「うちが作ってやった家庭料理の方が美味いぞ、です」


 俊哉は、買ってきた弁当を、その店の近くの木陰で広げながら微妙に悔しげに呟いた。

 彼の隣には、同じものを突きながらも、対抗するように頬を膨らませる雫の姿もあった。


 彼らが食べている弁当は、すぐ近くで開店している屋台で購入したものである。


 弁当要塞『だぎゃあ!』特製の味噌カツ弁当である。

 店の名前どうにかしろよ、と思うが味は確かなものだ。

 今も出店を聞き付けた学生や職員たちが行列を作って待っている。


 屋台の主は、美影だ。

 暇潰しの一貫で、彼女はこうして気まぐれに屋台を引っ張っている事がある。


 当然と言うべきなのか、無許可だが。

 高天原運営には、出店許可など取っていない。

 本来であれば取り締まりの対象であり、警備に見つかれば厳罰ものなのだが、今のところ、その様な事になる兆候は見られない。


 なにせ、取り締まるべき警備員自体が、行列に並んでいるのだ。

 食べ物の力は偉大なのである。


 ゆっくりと食べている内にどんどんと列が掃けていく。

 美影の手が早いというのも理由であり、同時に値段がワンコインなので、会計の手間が少ないというのも理由の一つだ。


 店主がお金持ちであり、儲ける意欲の少ない為の価格破壊設定だった。

 この味が僅かワンコインとなれば、並ばない理由など何処にもないのである。


 食べ終わる頃には列が消え去り、屋台には売り切れの立て札が立てられる。


「ふぃー、終わった終わった」


 良い笑顔の美影が、割烹着姿で屋台の中から出てきた。

 頭に被っていた三角巾を外しながら、うっすらと濡れた汗を拭い去る。


「おー、お疲れさんッス」

「テメェの席、ねぇから、です」

「いいもーん。自分で作るから」


 相変わらず美影に対してのみ辛辣な雫が、わざとらしく余っていた椅子を遠ざける。

 しかし、美影はそんな些細な嫉妬を気にする事もなく、何処からともなく程よい切り株を取り出して、椅子の代わりにして着席した。


「儲かってるッスねぇ~。あやかりたいものッス」

「んー? 儲けはあんまりないよ? 値段、ほぼ原価だもん」

「あ、やっぱり? 道理で安いと思ってたッス」

「お金ならたくさんあるからねー。使い道もないし、僕が溜め込んじゃダメなのさ」

「……おい、こいつ、嫌味な奴だぞ、です」

「いや、今更言う事じゃなくね? それ」


 雫の直球な評価に、俊哉は否定に見せかけた肯定を行う。


「庇っているように見えて、完全に喧嘩売ってるね?」


 自分用の賄いを広げながら、美影はカラカラと笑った。

 目は全く笑っていないが。


「誠に申し訳ありませんでした!」

「素直でよろしい」

「うちは謝んねぇぞ、です」

「雫ちゃんは本当にぶれないねぇ~」


 賢い自己防衛の為、俊哉は即座に渾身の謝罪をする。

 なんならば土下座だって辞さない覚悟だ。

 尤も、本当にやると頭を踏まれるのでしないが。


 一方で雫は、意地でも謝らない。

 他ならともかく、嫌いな美影に対してだけは絶対に下手になど出ないと心に決めている。


 そんな意地張りも可愛らしいものと、美影は今度は本当に笑った。


「ウヌゥ……!!?」


 ほのぼのとした日常を楽しんでいるその時、程近い場所から戦慄を含んだ唸り声が響いてきた。


「こ、これはなんという美味か……!」

「ただ美味いだけではない。随所に施された工夫により、出来立ては元より、冷めてもまた別の顔が覗いてくるぞ!」

「二面性のある味わいを一つの料理でここまではっきりと見せるだなんて! これは弁当界の革命だわ!」


 やいのやいのと聞こえてくる、真剣な口調とは裏腹な平和な内容である。


「……食レポかな?」

「まぁ、美影さんの料理、アホみたいに美味いし。ああいうのも出るもんじゃないッスか?」

「万人受けはしそうな味だからな、です」

「雫ちゃんはトッシー君特化だもんねぇ」


 そんな事を話し合っていると、レポーターの連中が席を立ってこちらへとやって来る。


 男二人に女一人の三人組だ。


 俊哉は、少しばかり椅子を動かし、咄嗟に雫を庇える位置に移動する。

 あれがレポーターを装った殺し屋の類いではないとは言い切れないからだ。

 世界が慌ただしい有り様だというのに、その手の連中は飽きもせずに差し向けられてくる。

 雫の護衛役として、それらを返り討ちにする事は、もはや彼の日常であった。


 片や美影は、特に警戒していない。

 彼女とて、狙われる理由には事欠かない。

 彼らが本当に殺し屋の可能性はある。

 だが、彼女の場合、反応速度の問題で彼らが何をしようと遅れて動き始めても間に合うという自信がある。

 なので、普段通りに構えていた。


 加えて言えば、チラリと一瞥した時点で、その手の連中ではないとも看破してもいた。


 身体の筋肉の付き方や手指の荒れ方、全身から漂う消しきれない調味料の香りなど、様々な要素から、彼らが料理人の類いだと見抜いたのだ。


「雷裂……美影様と、お見受けします」


 リーダー格なのだろう。

 真ん中の男が、一歩進み出て美影へと話しかけた。

 それに返されるは、冷え込んだ視線だ。


 美影は、極端に付き合う人間を選ぶ。

 付き合うに足る理由がある人間に対しては、快活で爛漫な顔を見せるが、そうではない相手にはとことん冷淡なのだ。

 彼女は一言の返事もせず、じっと横目で見つめている。


 この場に、緊張感が張り詰めた。


 やがて、乾いた唇を一口濡らした彼らは、ガバリと勢いよくその場に平伏す。

 三人揃って全くのズレのない、非常に息の合った動きであった。


 土下座だ。見事な土下座である。

 それ以外に表現のしようもない。


「何卒っ! 何卒、お力を我らにお貸し下さいませ!」

「……んー、思い切りの良さは評価ポイントかな?」


 最初の関門はどうやらクリアしたらしい。


~~~~~~~~~~


「で、君たちはどちら様なのかな?」


 取り敢えず、話を聞いて貰える及第点を出した三人組を土下座から正座にトランスフォームさせて、美影は訊ねる。

 一瞬だけ視線を交わした三人組は、中央の男子生徒が代表して口を開いた。


「お初にお目にかかります。

 自分たちは、高天原魔導学園にあります美食道探求部に籍を置いている者です。

 自分が部長の朝倉です」

「……勧誘?」


 美食道探求部なる部活は、とんと耳にした事はないが、しかしここは高天原である。

 どんな部活やサークルがあろうとも全く不思議ではない。

 この間は考古学系と生物学系が手を組んでリアルジュラシックパニックを起こしていたし。

 まぁ、現代の人間は魔力の恩恵で無駄に強いし、なによりも高天原の住人は色々と慣れている為に、大した被害が出る事もなく即座に鎮圧されていたが。

 生き残りは廃棄領域で自然に還したので、運が良ければ超進化を遂げるだろう。

 実に楽しみである。


 それはともかくとして、単なる料理部であれば常識的な存在だろう。

 ドーピング研究をしている料理の冒涜者どもよりは、よほど健全だ。


 そして、そんな者たちから勧誘される事は、比較的に美影の日常だ。


 とはいえ、彼女にとって料理は趣味でしかない。

 もっと言えば、兄の胃袋を掴む為の手段でしかなく、それを仕事にする気は更々ないのだ。


 故に、それらの手を取る事は無いのだが、


「いえ、違います。ああ、いえ、勧誘ではあるのですが……美食部に所属して欲しいとか、そういう話ではないのです」


 朝倉と名乗った部長は、首を横に振って否定する。


「ふぅん? じゃ、何?」

「助っ人を、お願いしたいのです……」


 尻すぼみに消える声。


 それは、消極的な感情からではない。


 彼らの身体は小さく震えており、表情は歪んでいる。

 浮かぶ感情は、屈辱だろうか。

 煮えたぎる様な激情に、彼らは言葉を紡ぐ事も出来なくなっていたのだ。


 美影の知った事ではないが。


「助っ人……。なんかの勝負?」


 訊ねれば、心中の激情を抑え込んで部長が答える。


「はい、互いの矜持と技術をぶつけ合う料理界の決闘、食戦(グルメウォーズ)です!」

「…………なんだそれ」


 横で聞いているだけのつもりだった俊哉が、思わず呟いた。

 彼の全く知らない世界に、思考が空転してしまう。


「グルメウォーズ……」

「美影さんは知ってるんスか?」

「いんや、知らない。僕、趣味でやってるだけだし」

「趣味で、この味……!」


 美影の告白に、なにやらダメージを受けた様に崩れ落ちる者がいた。

 それを残る二人が慰めながら、説明する。


「グルメウォーズとは、簡単に言えば料理人による料理による決闘です。

 お互いの言葉では譲れない何かを賭けて、味で戦い、競い合う神聖なものなのです!」

「ふぅーん。そうなんだー」


 大して興味も無い世界の話である為、熱く語る部長に反して、美影の言葉にはいまいち熱が乗らない。


「だけど、あいつらが! 裏料理界の連中が、グルメウォーズを仕掛けてきやがったんです!」

「また香ばしい名前が出てきたね」

「彼らを知らないのですかっ!?」

「知らねぇよ。誰だよそれ」


 意外だと驚く部長に、美影は投げやりに言い捨てる。


「裏料理界。彼らは、アンダーグラウンドで活動する闇の料理人です」

「闇の料理人」

「イカスミかな?」

「茶化さないでください。

 無法者たちを相手に料理をしている者たちであり、僅かでもお客の機嫌を損ねれば、それだけで文字通りに首が飛んでしまう、そんな命を賭けている者たちです」

「「ふぅん……」」


 説明に、部外者で気楽な俊哉と雫は、ジットリとした視線で美影を見る。


「……何だよ」

「いやぁ、べっつにぃ?」

「なぁなぁ、お前。そのアングラって、ヤクザとかマフィアとか、そういうのか? です?」

「え、ええ。はい。そういう方も多くおられるそうです」

「こいつの方が凶悪さは上なんじゃねぇのか? です?」

雷裂(うち)はとてもクリーンで合法的だよ! そんな無法者と一緒にして欲しくないね!」

「法律を作って使う側の政府とズブズブなだけじゃないっスかね?」

「はっはっはっ」


 言ってはならない暗黙の了解を口にした俊哉は、美影に容赦なく蹴り倒された。

 雫は、地面にめり込んで動かなくなった彼の頭を引っこ抜いて、自身の膝の上に載せた。

 細かく点数を稼いでいく様子に、俊哉の逃げ場は既に無いように思われた。


 それはともかく。


「で、まぁ、そいつらとグルメウォーズとやらをやった訳だ。いや、これからやるのかな?」

「いえ、既に。……そして、自分たちは……負けたの、です……」

「そっかー。まぁ、実力が足りてなかっただけだよ。また頑張れ」

「また、と悠長にしている訳にはいかないのです!」


 部長は声を張り上げる。


「彼らは自分たちの〝看板〟を奪っていきました! このままでは! 自分たちの店が潰れてしまうどころか! 二度と表に出る事すらも出来なくなってしまいます! すぐにでも取り戻さねば!」

「……再起すれば良いだろうに、よく分かんない話だね。

 まぁ良いや。

 で、大体理解したけど、リベンジ? の助っ人に僕を呼びたい訳かな?」

「はい! そうです! お願いします! 我々を! 表の料理界の者たちをどうかお救い下さい! このままでは、世界の料理界は修羅の世界へと堕ちてしまいます!」

「分かった分かった。まぁ、これも経験って事で、引き受けてあげるよ」

「あ、有難う御座います!」

「「有難う御座います!!」」


 美影の了承の言葉に、三人組は深く頭を下げる。


「何の気まぐれなんだ? です?」


 そこに水を差したのは、雫であった。


「何が?」

「お前、いつもなら絶対に乗らねぇだろ、です。何が目的なんだ? です?」

「目的って程でもないけど……」


 彼女からの問いに、美影は悪戯猫のような笑みを浮かべて言う。


「面白い世界から誘いを受けたからね。ここはちょっと、掌握してあげようかなって」


 それはもう邪悪の滲んだ言葉を紡ぎ出す。


「裏料理界だかアングラだか知らないけど、天上人というものを、雷裂の手の広さを教えてあげないと。

 権力と財力と武力の恐ろしさで、料理の腕だけでどうにもならない場所を見せてあげよう」

「え、えと、何をする気で?」

「食材が無ければ、包丁が無ければ、料理は出来ない。そうでしょ?」

「こいつ、世界に圧力をかけて何も渡さないまま勝負仕掛ける気だぞ、です」

「…………美〇會かよ、こいつ」

「もう一度殴られたい?」


 目を覚ました俊哉に、笑顔で握り拳を向ける。

 彼はそっと顔を背けて、雫のお腹に顔を押し付けて知らない振りをした。

 とても良い匂いがする。


 美影の思惑を理解した部長は、おそるおそる声を出す。


「あ、あのー、出来れば正々堂々やっていただけると……。

 その、一応、こちらは正義の側ですので」

「えぇー? 正々堂々? それだと勝てるか分かんないじゃん」


 美影は、確かに超一流の腕前を持っている。

 その自覚はある。

 しかし、あくまでも手遊びの範疇でやっている事であり、人生を捧げて研鑽している者たちに、追い付けない程の領域ではない。


 裏料理界とやらがどの程度かは知らないが、少なくともそこらの素人レベルではないだろう。

 となれば、同条件で競えば勝敗が見えなくなってしまう。


 一気にやる気のなくなった彼女は、投げやりに言う。


「じゃあ、僕はパス。他を当たって頂戴よ」

「そ、そんな……! お願いしますっ! もう、もう当てなんて!?」


 投げ捨てた彼女に、彼らは縋りつく。

 それを躱して美影は言う。


「んー、っていうか、正々堂々の味勝負で勝ちたいなら、僕じゃなくてお兄に頼みなよね」

「え? あ、兄?」

「せっちゃんセンパイ? あの人、そんなに料理とかしなかったと思うんスけど」

「知らないんだ。

 お兄、究極の味を完成させた異端の料理人だよ。

 誰も勝てないから、あれには」


ぶっちゃけ、作者は料理漫画だのをほとんど読んでいないし、そういう業界人でもないので、実際の調理風景とかの描写は出来ませんので。


主人公の魔界料理で蹂躙するだけです。

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