惑星ノエリア種族大全12+1 後編
本日二話目。
但し、両方とも本編ではないし、重要な設定でもないので、興味の無い方は読まなくても多分大丈夫。
後編のラスト一種族だけは、一応、読むと良いかも?
おいおい、この設定だけで一万字稼いでるぞ。
通常なら、二話から三話分ですぜ。
……特に意味のない設定に、何でこんなに労力割いてんですかね?
馬鹿なのかな?
後編目次
《獣魔種》
《霊鬼種》
《森精種》
《鉱精種》
《海精種》
《人間種》
《???》
《獣魔種》
畜生からの進化を経て、知能を得た正当な種族。
全種族の中でも、トップクラスに種族内での派閥間抗争が活発となっている。
その理由は単純で、何を祖としているのかによって、相当に価値観が異なる為である。
彼らは、一口に〝獣魔種〟と纏められているものの、何の動物を起源としているのかまでは統一されていない。犬から進化した者もいれば、猫から進化した者も、あるいは鳥から進化した者もいる。一応、猿系統から進化した氏族もいるのだが、間違っても人間種と同列に語ってはいけない。彼らの最大の逆鱗であり、もしも言おうものなら、反射的に殴り殺されても文句は言えない程の禁句である。ちなみに、獣魔種の法律的に、罪は罪であるが大変に情状酌量の余地あり、として子供の小遣い並みの罰金だけで済んでしまうくらいの出来事となる。
生態がなんとなく同質である為に、《獣魔種》と一纏めにされているだけの種族である。
その為、発祥からこれまでに、種族内で明確に統一された意思はなく、常時、群雄割拠状態にある。
但し、非常に縄張り意識が高い為に、自分たちの領域を侵された場合は、特に示し合わせる事なく、全派閥が一致団結して外敵に立ち向かう蛮族のような性質がある。……天竜種だけは例外だが。あれは、ほら、単なる災害だし。排除も撃滅もクソもねぇよ。過ぎ去る事をただただ祈るだけだ。
姿形は、人に耳や尻尾などの獣の特徴を付与しただけの『人獣形態』、二足歩行する獣の『獣人形態』、そして完全に祖となる獣の姿となる『獣魔形態』の三種があり、状況に応じて自在に使い分けている。基本的には、日常時は人獣形態であり、戦闘時に必要に応じて獣人形態か魔獣形態になる、というのが一般的な獣魔種の生態となる。
魔力の扱いに関しては、魔力を投げる系統が極端に苦手であり、専ら肉体強化にばかり用いられている。
《霊鬼種》
実は恐竜から進化した種族。
まだ知的生命体がほとんどおらず、野生の天下だった時代に覇者だった種族だけあり、単純な肉体能力だけならば、地竜種をも上回る程に強力である。
一方で、魔力への親和性がいまいちという欠点を抱えていた。魔力による肉体強化や魔法などを含めると、さほど強くはない、という位置付けであった。
かつては。
彼らが知的能力を得て、《闘鬼種》と呼ばれた頃は、確かにその通りだったのだが、危機感を覚えた先祖によって、更なる進化を遂げる。
意地と根性による驚異の肉体改造によって、平均値以上の魔力適正を獲得し、名実ともに強種族へと成り上がったのである。
その頃より、《闘鬼種》から《霊鬼種》へと名を変えて認識されるようになった。
種族内では、大きく二つの派閥に分かれており、自らのルーツである肉体能力に重きを置く懐古派閥と、今の時代は魔力こそが重要視されると考える革新派閥が、常に意見を争わせている。
最近では、両方の良い所を取ったら良いじゃん、という意見も出始めており、実験的に二派閥間での交配も行われ、ハイブリッドが生まれているとか何とか。
姿は、角が生えている事以外は、ほぼ人間と変わらない。但し、生物としての能力は桁違いであり、生半可な刃物くらいなら、皮膚だけで弾き返してしまう程に頑丈な肉体をしている。
ちなみに、角は立派である程に魔力適正が高く、逆に小さい程に肉体的に頑強となる。
古の時代より好戦的であり、様々な戦場に出没しては、命尽きるまで暴れ回ってきた。傭兵として雇われて、という事も多いが、場合によっては全くの無関係に敵味方を問わずに暴れる事も多々あり、便利な兵士である一方で色々と厄介者として見られている。
獣魔種と国境を接しており、喧嘩を売れば躊躇いなく買ってくれる彼らに対して、積極的に国境侵犯して挑発している。それが行き過ぎた結果、国境に天竜種フリーレンアハトが抑止力として居座るという事になり、現在は争いは沈静化している。バーサーカーにだって、喧嘩を売る相手を選ぶ権利くらいあるんだよ。
《森精種》
樹木から進化した種族。
森の中から全く出てこない引き籠もり。だが、実態は出ないのではなく、出られないのである。
というのも、進化して知的能力を得たものの、彼らの本質は樹木のままなのだ。基本的に、地に根を張り、その場から動く事はない種族なのである。
対外的には、見目麗しい美男美女ばかりの姿を見せるものの、ただの人形、土や草葉を魔力によって固めて動かしているゴーレムに過ぎない。本体は、彼らが住まうという森そのものなのだ。
なので、魔力の届く範囲なら、ゴーレムを動かして森を一時的に離れる事も出来るのだが、範囲を超える事は出来ないので、どうしても引き籠もりになるしかない。
別にどう思われていようと良いんだけどね。欲が薄く、日光浴してれば大体満足できるし。
種族間で意識の共有しており、木々を一本二本切り倒したとしても、全く痛手にならない。森が本体だと言うように、森を丸ごと焼き払わねば、彼らにとっては何の痛痒も受けない。
なので、温厚な種族と思われているが、一度怒らせると酷いことになる。
大地の恵みを際限なく吸い上げて枯渇させる、という時間がかかるが致命的な手段を取ってくるのだ。
その為、忘れた頃に大凶作がやって来て、父祖のツケを支払わされる事になる。
ちなみに、そんな手段を自然の保護者である精霊種が座視する訳もなく、怒る度に注意を飛ばされ、場合によっては己の血肉によって自然回復をさせられている。天竜種流の焼畑農業である。
《鉱精種》
石鉄が意識と知能を持った種族。
知的能力を獲得した当初は、石や鉄の塊のような、ゴーレムじみた姿をしていたのだが、徐々に進化を繰り返していった結果、真っ当な生物に近い外見を手に入れた。
しかし、今でも当時の特徴は完全に消えておらず、四肢が硬い鉱石となっている。何処までが鉱石かは、個人差あり。指先だけが鉱石である者もいれば、肩や股まで鉱石で出来ている者もいる。
見た目は生物的かもしれないが、本質的には鉱石のままであり、非常に重量がある。その為、背丈は小さく、ずんぐりとした肉厚な体型をしている。ショタでもロリでもないぞ。
また、一般的な生物と違い、火を恐れる本能を持たず、石の耐熱性故に火の中にも生身で平気で突入する姿が度々目撃される。それでも、火傷の一つも負わないし、更なる高火力で溶けても『溶岩になったみたいなもんだろ』と禄に気にしないんだもんなぁ。
その出自故に、金属加工をナチュラルに得意とする。巷に出回っている金属製の道具の内、名品と呼ばれる物は例外なく彼らの手によるものだ。
ちなみに、それ故に鍛冶師を目指す者が鉱精種の国を訪れるのだが、大体、一週間もたずに逃げ帰る事になる。
だって、あいつら、道具とか使わねぇんだもんよ。鉱石の素手で素材を捏ね回して、鉱石の素手で炉の中を掻き回して、鉱石の素手で刃を研ぎ上げる、という事をしやがる。舐めんな。
一部の根性ある馬鹿が、魔法的に再現できないか、と居残るだけで、大半は諦めて帰る。仕方ないね。
主食は、生物にあるまじき事に石とか金属とか、無機物。ぶっちゃけ、味を問わないのなら、そこら辺の地面を掘り返すだけで、幾らでも食料を確保できる。兵糧攻めはまず無理な種族である。
《海精種》
海洋生物から進化した種族。
進化過程としては、獣魔種に近いものがある。それ故か、内部事情も彼らと同じ問題を孕んでいる。
彼らもまた、《海精種》と一纏めにされているが、ルーツとなる生物がバラバラな為に、それぞれに派閥を形成して争っている。
一方で、縄張り意識はかなり薄い。だって、そもそも海の中に誰も来ないし。水中を基本的な生活圏としている種族が彼らしかいない為、侵略関連の些事から無縁で生きてきた。おかげで、かなり他種族に対しておおらかな気質を持っている。どうせ放っておいても、水中で息の出来ない種族なんて、勝手に地上に帰っていくし。
姿形は、まんま魚人。魚やら何やらをなんとなく人形にしただけ、みたいな姿をしている。獣魔種のような形態変化はない。
ちなみに、人魚は基本的にいない。何かの気の迷いで、海精種と人間種が交配したハーフの場合にのみ、人魚は生まれる。
しかし、人間種の上半身は水中で生きていけないし、海精種の下半身は地上では生きていない、という悪い所取りの合成である為、大抵は長生きできず、人知れず死んでしまう。見目が良い場合にのみ、何処かの資産家のペットになれるかもね、運が良ければ。
《人間種》
説明、いる?
まぁ、大体地球人類と同じ。猿から進化した連中よ。
身を守る毛皮を捨て、敵を引き裂く爪牙を捨て、敵を叩き潰す膂力を捨て、代わりに得られたのは特に秀でている訳ではない知能と無いよりはマシ程度の魔力だけ。
まさにハゲ猿。
発祥過程を考えると、獣からの進化という意味で獣魔種と被るのだが、それを言うと獣魔種が一緒にするなとガチギレするので気を付けよう。特に、猿系氏族にとっては、マジで殺しにかかるレベルの最大級の侮蔑となる。
永き時の中で、ずっと虐げられ、ずっと蔑まれ、ずっとずっと踏みつけられてきた。
その為、精神性に奴隷根性というか負け犬根性というか、そういうものが刻み込まれており、大体卑屈な連中。地球人類を見れば明らかだが、ガチ本気で鍛えれば人間種も他種族に負けないだけのポテンシャルは持っている。
しかし、彼らにはそんな気概はない。
空から奇跡が降ってきて、可哀想な自分たちを誰かが救ってくれる事を祈るばかり。
そんな事は有り得ないというのに。
そんなんだから、更に嫌われていくんだよ。根暗の夢追い人とか、誰が好んで近付くんだって話。
――――――――抹消された記憶――――――――
《怪蟲種》
歴史の闇に消えた、唯一の知的生命体。
その名の通り、虫からの進化を経た種族となる。
多種多様な進化を遂げており、またそれでも種族的団結を保っていた特異存在。
姿形に統一性はない。獣魔種や海精種の様に、様々な虫が起源となっていたのだが、そこに拘りはなく、無作為に過ぎる交配を繰り返してきた事で、合成蟲とでも言うべき奇妙な形へと進化していた。
おや、そういえば現在の主人公の姿は……。
自尊心が非常に強く、我こそが世界の覇者である、と豪語して当時存在していたあらゆる種族に喧嘩を売っていた。
それは、精霊種や天竜種とて例外ではない。
虫由来の強力な能力を有しており、更には死を恐れぬナチュラル死兵であった為に、当初こそ優位に状況を進められていたのだが、天竜種が本格的に出張ってきた事で劣勢となる。
そして、彼らは禁忌に手を染めた。
自らが持つ毒素。それを最大にまで強化濃縮した、最凶最悪の滅毒を作り出してしまったのだ。
それは、一滴で大地を殺してしまう程の代物であり、それが精霊種の逆鱗に触れてしまった。
おやおや、そういえば主人公の体内には廃棄領域の毒素が濃縮還元されていたような……。
自然を、星さえも殺してしまう手段を得てしまった彼らは、星の管理者にとって邪魔な存在でしかない。
故に、滅ぼしてしまうしかなかった。
大雑把な天竜種ではない。
星の全てとも言える精霊種は、数の暴力でもって怪蟲種の居所を突き止め、始祖精霊全八柱を含めた総力でもって、押し潰してしまう。
彼女たちを本当の意味で怒らせた者たちに、この星で生きる場所も権利もないのだ。
『星を蝕む、忌々しい毒虫めが。貴様らは進化を間違えた。もはや、言葉はいらぬ。この星の未来に、貴様らの血は必要ない。――滅ぶが良い』
――――とある始祖精霊の言葉より
第250部分「道中記~黒雷の場合~」にちょっとだけ描写を追加しました。
間違い探しが面倒な人の為に簡潔に言いますと。
「彼方此方」はゲージ蓄積型の武器よ。
基本的に黒いけど、ゲージ溜まるほどに白くなっていくよ。
ゲージ開放で超必殺我が使えるよ。
使い処、間違えんなよ?
そんな感じです。