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本気になった天才の所業【書籍化作品】  作者: 方丈陽田
七章:破滅神話 前編
255/417

惑星ノエリア種族大全12+1 前編

はい、タイトル通り、本編ではありません。


言い訳を、させて下さい。


いや、前回ね。

精霊種の設定を書いたじゃないですか。

あれが思いの外楽しくてですね。

ついつい、全ての設定を必要もないのに書きたくなってしまった訳ですよ。


そうしたら、思っていた以上に文字数が嵩んで立派なものになっちゃったもんですからね。

もうこの為だけに話を割いちゃえ、と。


いや、本当にすみません。


基本的に、ほとんど本編には関係しない設定です。

その予定です。


ほんのりと関わる部分は、ラストの+1だけです。

それも、事前に知っていたら、「あー、ね?」と思えるだろうな、という程度です。


では、まずは前編をどうぞ。


前編目次。

《精霊種》

《天竜種》

《地竜種》

《天翼種》

《妖魔種》

《妖精種》

精霊種(スピリット)

 惑星ノエリアにおける、最初の知的生命体。その起源は、まだ星の原型が出来たばかりの頃、灼熱の岩の塊だった時代にまで遡る。

 崩壊と構築を繰り返す星の始まりの時代に、一なる精霊が生まれ、彼女の力でもって急速に形成活動が進み、惑星ノエリアの形が造られた。

 その後に、原初精霊は八柱の始祖精霊へと分化し、その意思は星核の中で休眠する事となる。

 その意思こそが〝ノエリア〟であり、永き時の中で守護者と救世主の霊格を得る事となった。

 最初期の精霊は、八柱の始祖精霊から更に分化して生まれていたが、星の環境が整う事で、次第に地脈の中から自然発生するという形態へと変わっていった。

 エネルギー生命体であり、基本的には不定形なのだが、文明と接触する為などの理由で人に近い姿を取る事もある。その際の姿は、意図して変えない限りは全個体が女性型となる。

 星の守護と維持を第一としており、発生した歪みや淀みを誰に言われずとも勝手に調整する性質がある。その為、他種族からは【調律者】と呼ばれて敬われている。

 ちなみに、最強種と謳われているものの、個体別に内包する力はピンキリである。下を見ると、最弱種である人間種を下回るどころか、そこらの雑魚魔物にも劣る個体もいる。一方で、上を見上げれば極端に高く、始祖精霊たちに至っては【破壊者】である天竜種さえも超える力を有している。ちなみに、弱小な精霊は大抵が群体精霊となっているので、弱いからと舐めて傷つけようものなら、雲霞の如き精霊の群れに集られて袋叩きにされてしまう。なので、結局は最強種の名は揺らがない。

 自然第一主義であるが、そこに生きる命も含めて自然だという考え方をする。なので、余程の事をしない限りは、仕方ないの子たちだと割と許してくれる。精々、ちょっと注意が飛んでくるくらい。

 但し、限度を超えれば、たちまち烈火の如く怒り狂うので、さじ加減は必要となる。そう、例えば地球人類のように廃棄領域級の汚染を作ろうものなら、殲滅対象として始祖精霊が総出で襲い掛かってくるだろう。その領域にまで至り、血の一滴も残さず、文字通りに滅ぼされた種族は、惑星ノエリアの歴史上たった一種族である。

 簡潔に纏めれば、種族的にママ属性なんだよ、精霊種ってのは。




天竜種(ドラゴン)

 精霊種の対となる存在。

彼女たちがママならば、こちらは雷親父と言える。

 まだ、星霊ノエリアが活動していた頃に、最初の天竜が生まれた。この星で二番目の知的生命体である。

 彼らの発生原理も、精霊種と同じく地脈の中から唐突に生まれ出るというものであり、広義の意味では精霊種と同種と言えるのかもしれないが、その在り方が彼女らとはあまりにも違うので別種として扱われている。

 天竜種も自然第一主義に近い思想を本能として持っているのだが、その行動原理は非常に破壊的であり、自然を傷つけるものは、守るべき自然を自らの手で破壊してでも排除すべし、という大変に好戦的な対処法を取る。

 短気的であり、下手に突くと尋常ではない破壊力を問答無用で叩き付けられてしまう為、他種族からは【破壊者】として畏怖されており、触らぬ神に祟りなし扱いを世界全体でされている。

 なので、天竜種とまともに付き合っている種族は、相棒的種族である精霊種のみとなる。他種族は怖がるし、天竜種は天竜種で精霊種以外を見下すんだもの。仕方なし。

 ちなみに、精霊種が【調律者】として手ずから修復した自然破壊は、やり過ぎた天竜種の破壊痕の後始末がその大半を占めるという有様だったりもする。

 天竜種と謳ってはいるものの、姿形はいわゆる〝竜〟の姿をしておらず、非常に多岐に渡る。虫から動物に植物、果ては他種族のどれかに似通った姿で生まれる事もある。

 にもかかわらず、彼らが天〝竜〟と呼ばれるのは、最初の一柱が、輝く竜の姿を持って生まれたからだ。自在に天を舞い、自らこそが空の覇者と言わんばかりの傲慢な性質であるが、それに見合うだけの力を有しており、他の天竜や始祖精霊の追随すら許していない。(アインス)に対抗できるものと言えば、最初の精霊であるノエリアだけだろう。空飛ぶ大災害として、天竜種の中で最も恐れられている。

 ごくまれに、他種族とコンタクトを取る為に同スケールに変化する事もあるのだが、流石は精霊種の対と言うべきか、全ての個体が男性としての姿を取る。

 その為、アングラな創作界隈では、精霊種と天竜種を夫婦関係とした物語が創られていたりもするらしい。猶、本人たちは一応は知っているが、黙認というか、ピンと来ていない。だって、生殖機能が基本的に存在しない連中だし。少数の例外を除けば、生涯、恋愛も性交もせずに命を終わらせる事となるし。




地竜種(ドラゴノイド)

 最初の天竜、フォトンアインスが創り出した種族。

 発端は、ノエリアが自らの力を分割して始祖精霊を生み出した場面を、彼が目撃した事に起因する。

 それからかなりの時代を経て、星の環境が安定してきた頃に、自らの手足として動く下僕が如き存在を創ろうと思い立ったのだ。当時は地脈がまだまだ未発達であった為、天竜が彼一柱しかおらず、自らの代わりに働く者たちを怠惰にも欲したのである。

 しかし、ノエリアの様に完全に自らの力を明け渡すのも癪なので、本当に断片の破片の欠片の様な力だけで適当に創った。

 それが悪かったのか、あるいはそもそも生命を一から創り出すという繊細な作業が、大雑把な彼の性に合わなかったが故か、間違っても同種ではない自身の劣化模造品が生まれてしまった。

 それが、地竜種である。

 創るだけ創って、しかし出来損ないしか出来なかった事で、アインスは下僕作成計画を断念して放置したのだが、創られた方は彼を創造神と崇めて奉っている。

 自らを神の代弁者と定め、ナチュラルに他種族を管理しようとする傲慢性が基本の、狂信者集団に近い種族となった。面倒な事に、断片とはいえ天竜の力から創り出されたが故に、精霊と天竜を除く十種族の中では最高峰の魔力と肉体を持っており、厄介者のように扱われている。

 姿形は、二足歩行する竜というものであり、硬い鱗に守られた肉体は、素の強度だけで並の攻撃を弾き飛ばしてしまう程だ。しかし、それは男性体の特徴であり、女性体は逆に〝人〟に近い姿となる。竜の角や瞳、尻尾はあるのだが、鱗はほとんどなく、柔らかい肌が全身にある。才能のある者ならば、魔力を高めれば、一時的に巨竜の姿へと変じる事が可能であり、アインスに与えられた神の力と認識されている。竜に変じられる者は神の使徒として敬われ、種族全体の羨望の的となる。アインスの意図した生物設計ではないのだが。

 ちなみに、男性体しか存在しない天竜から生まれた所為か、種族の男女比は極端に偏っており、九分九厘が男であり、女は千人に一人くらいしか生まれない。

 その為、女性は種族の最奥にて厳重に匿われ、蝶よ花よと姫の様に扱われている。

希少性故に、他種族が地竜種の女性を見る事はまずなく、何かの間違いで手を出そうものなら、地竜種全体が怒り狂って報復に来る。




天翼種(エンジェル)

 白の始祖精霊リースリットと黒の始祖精霊エルファティシアが創った種族。

 自身からの分化とは違う形での、新しい種族の創造という天竜フォトンアインスの行為――本人の意図とは全く異なる――を見て、リースリットが自分もやってみようと思い立った。ついでに、付き合いの多いエルファティシアも巻き込んだ。

 地竜種と同じように、星の祖に近い者から創り出されたが故に、相当に強力な種族となっている。肉体的には地竜種に劣るが、一方で魔力への親和性では天翼種に分がある。

 見た目は完全に天使そのもの。しかし、それは彼女たちがデザインしたものではなく、自然とそうなったものである。

 人の姿に、背中には羽毛の翼、頭頂部には光輪を掲げているのだが、精霊が人化した姿の変異コピーした姿と言えるだろう。精霊の光翼は物理的な翼に、精霊の紋章輪は単なる光輪に。

 ちなみに、リースリットが創った一族は、白を基本的な色合いとした正統派の天使であり、エルファティシアが創った一族は、黒を基本とした堕天使の様な姿をしている。

 但し、そこに能力的な差異は基本的には存在しない。多少、得意不得意が変わるだけで、総合力ではあまり変わらない。

 のだが、本人たちは思う所があるらしく、古くから白と黒の派閥に分かれてマウントを取り合っている。仮にも両者の親が同格の存在であり、それぞれに敬意は抱いているので、徹底的に相手を滅ぼそうというものではなく、上に立ちたいという切磋琢磨に近いライバル的関係となっている。

 ちなみに、男女比に関しては地竜種と同じ問題を抱えており、彼らとは逆に、天翼種は大半が女性しか存在していない。

 ごく稀に生まれる男性は、やはり最奥に匿われ、お殿様の様にもてなされている。美女ばかりの天翼種を無制限に侍らせられ、好きなだけ種付けできる境遇を、他種族の男は羨ましいと思ったりもしているが、現実にはそれ程に良い物でもない。

 だって、無数の女性に種を蒔く〝義務〟があるのだ。本人たちは常に搾り取られており、命ごと干乾びる危機に晒されている。本当に死なれてしまうと種族レベルで死活問題なので、ちゃんと生かさず殺さずに。地獄かな?




妖魔種(デーモン)

 起源の分かっていない、謎の多い種族。

 誰が創った訳でもなく、何から進化した訳でもなく、いつの間にか、完成された形で唐突に生まれ出ていた。それは、本人たちにとっても同じ事である。

 仮説としては、世界の法則を捻じ曲げて、新たな生命、地竜種と天翼種が創造された事で発生した歪みが、地脈の中で形を得て地上に噴出し、新たな生物として確立された、というものだ。

 発祥プロセス自体は、精霊種や天竜種に近いが、彼らの様なエネルギー生命体ではなく、確固たる肉体を持たなければならないので、生態としては一般的な生物たちのそれに準じている。

 姿形に統一性はない。だが、大抵は様々な生物の部位を切り貼りした、合成獣(キメラ)の様な姿となっている。

 地竜種や天翼種の対として生まれたとされるだけあり、十種族の中でもトップクラスの性能を持っている。但し、上下の幅が非常に広い。

 その力の差が種族内での地位に直結しており、完全なる貴族社会となっている。基本的には位が高い程に強力な個体となる。王クラスになれば、単独にて暴力の化身である天竜種に対して一矢を報える程度には強力。一方で、奴隷階級は人間種に毛が生えた程度の力しか持たない。

 悪意を持って活動する事が多々あり、精霊種から厳重注意を受けて、天竜種から制裁を受けた回数は、全種族中堂々の第一位を誇っている。歴史上に存在する戦争だの災害だのを紐解けば、大体こいつらの影がちらつくのだという。




妖精種(フェアリー)

 精霊種が受肉し、他種族との間に子を儲けた事で生まれた種族。

 精霊種も自由意思を持つ生命体である。誕生プロセスとして生殖を挟まない為に、基本的に恋愛感情等を持たない精霊種ではあるが、まれに俗世と関わっている内にそれらの概念を学習し、特定の誰かに恋し、特定の誰かを愛する事がある。

 その結果、一時的ではない完全な受肉をして、普通の生物と同じような過程を経て、相手との子供を作った事で、妖精種は生まれた。

 そういう発祥である為、統一された平均的外見というものを持たない。様々な種族との間に生まれた妖精がおり、育まれる文化様式も雑多そのものとなる。

 あらゆる種族が混じり合っている為か、その性質は極めて意味不明。

 善良で邪悪で、救済と殺戮を好み、敬意と侮蔑を併せ持ち、自由奔放に規律正しく生きていく種族。だが、基本的には他種族からの評判は良好である。

 それは、彼らの性質が、単なる鏡写しであると解明された為だ。悪意を持って接すれば悪意で返され、善意に努めれば善意を返してくれる、そういう種族である。

 問題は、内心を見抜く異様な慧眼にある。精霊とのハーフ、つまりは半精神生命体である為か、表面に出る以上の精神を見抜いてくるので、教育段階で心からの彼らへの敬意と恐れを植え付けておかないと、一発で侮りや悪意を返してくるという初見殺しの罠みたいな性質を持っている。

 存在が精神と肉体に分かれて別々に存在している為、両方の成長が遅く、大抵は生物的な成熟に至る前に寿命を迎える。

 つまり、生涯ロリ&ショタって事よ。成長が遅いだけなので、何らかの理由で長生きすれば、珍しい大人の妖精種が誕生するが。

12時に後編を投下します。

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