一月六日の祭り事
一月六日。
日本では六日年越しや色の日とも言われておりますが
他の国では何の日なんでしょう?
今回はそんなお話です。
「草木も眠る丑三つ時、
とある部屋で眠る女性の元に黒い影が忍び寄る_」
「ええっとお母様。そもそも丑三つ時ではなく朝の8時ですから。
正確に言うと……
朝日が昇った辰の……」
「朝から何いってんのー?!」
「おはようございます陽さん。」
「おはよ~陽ちゃん!」
「おはようリーン、トクねえ、で。
何でこの時間に私は起こされてるの?しかもホラー風に。」
「いやあねえ、今はトクじゃなくてリアねえよ~?
もしくはエレちゃんで!」
「ああ、こっちでの洗礼名からのあだ名か……
でもその年でちゃん付けはイタ……」
ドス!
「何か言ったかしら?」
「すみませんゴメンナサイいたくありません若々しいあなたにぴったりのあだ名だと思いますエレちゃん!
……だから私の頭の真横に振り下ろされてる鉄製バットを元に戻してくださいお願いいたします!」
「危うくホラーではなくサスペンスになるところでしたね~
そしてさすが陽さん!ノンブレスで言い切りましたね!」
「リーン!お願いだからまったりしながら恐い事言わないで!!後それ褒めてるの?!」
「ちゃんと計算してやったわよ~
少しでも頭を動かしてたらどうなったか解らないけど。」
「ヒイイイイイイイィィィ!!」
楽しそうですね~
でもそろそろ彼女に支度をしてもらはなければいけないので止めましょうか。
「はいはい、じゃれ付くのは其処までにしてくださいね?
陽さん、支度をしてくださいませんか?
これから出かけますよ?」
「ふえ?何処行くの?」
「あれ?今日が何の日か言ってませんでしたっけ?」
「え?え?私何にも聞いてないよ?」
「あらあら、聞いてなかったの?」
「昨日の夜言ったような気がするのですが……
おそらく眠気がピークに達していたから聞いてなかったようですね。」
「あらあら、じゃあ支度してる間教えてあげなさい。
私はダーリンと一足早く行くから!」
「解りました。」
「それじゃーねー陽ちゃん!
ちゃんとスカートで来てね~」
「うえ?スカート?!こんなに寒いのに?
無理!死ぬ!」
「じゃあね~待ってるわ~」
……完璧にスルーしましたね……
別にどうしてもスカートを穿かなければいけない訳ではないのですが……
面白いので黙ってておきましょう。
「それでは支度してくれますか?服は母が勝手に選んでますがいやなら違うものにしましょう。」
「イヤイヤイヤ!それより用途!
理由!リーゾン!」
「ちゃんと説明しますから着替えて下さい。」
「ハ~イ!」
よしよし、聞き分けがいいのは美徳ですよ?
「それでは陽さん、本日は何月何日でしょう?」
「一月六日~」
「では本日は何の日でしょう?」
「え~と……
1066年にはイングランドのエドワード懺悔王が死去して、ハロルド2世が即位した日!」
「それは知りませんでした、でも違います。」
「じゃあ……
1610年だっけ?に有馬晴信がポルトガル船マードレ・デ・デウス号を焼き討ちした日!」
「因みにこの出来事は後の岡本大八事件の発端の一つとなりましたね。
でも違います。」
「え~……
あ!1937年に名古屋城の金鯱の尾のうろこ110枚のうち58枚が剥ぎ取られているのを発見された日!」
「同月27日に犯人を逮捕されましたね~
わずか20日で犯人を逮捕とは……日本警察はすばらしいです!
でも違います。」
「これも?!
え~とえ~と……
小笠原諸島父島で世界初となるダイオウイカの生きている姿の撮影に成功されたのってこの日だよね……?」
「何でそれが出てくるんですか?!
ですが違います!」
「あ、やっぱり?
う~ん、ジャンヌダルクの誕生日?」
「オルレアンの乙女ですね。
フランスを救い、シャルル7世の戴冠に貢献した。」
「そうそう!でも異端審問の再審理で異端だと言われた理由私は嫌い!むしろふざけんな!って思った。」
「ああ、確か正装である女装をするという誓いを破って、
男装に戻ったことが異端にあたると宣告されたんですよね。」
「理由もちゃんといったのにね?
性的嫌がらせや性的暴行から身を守るために男装しました!って。」
「まあ、彼女を早く殺したかったからこんなくだらない事で異端とされたんでしょうね……
何時の時代もねたみと言う物はあるんですね……
でもこの理由も違います!」
「これも?!
じゃあReinaさんの誕生日!」
「MAXというグループでしたっけ?の歌手ですか。
【バラ色の日々】という曲が好きでした。」
「今もでしょう?私は【Feel so right】が好き~」
「でも違います!」
「じゃあリーンがはまってた美少女戦士達の一人のほたるちゃんの誕生日!」
「あたり!といいたい所ですが違います!
後何故彼女だけアニメでは変身シーンがないのかいまだ疑問です!」
「それ私もずっと不思議だった。
でもゲーム版でチラッとあったらしいよ?」
「ゲーム版は日本にいなかったので買えなかったんです……」
「そもそもゲーム機持ってないでしょ……
あ~もう!ぜんぜん当たんない~!」
「時間はまだありますから。
あ、香水はつけないか匂いがあまりしないものをお勧めします。」
「オッケー
あ!これでどうだ! シャーロック・ホームズの誕生日!!」
「踊る人形は素晴らしかったです!!」(悦)
学校の宿題そっちのけで必死に覚えましたね……
「換字式暗号のヤツね……
デイアとあんたが二人で覚えようとしてたの覚えてるわ……
私見るだけで頭が痛かった……」(遠い目)
でも授業中の手紙のやり取りでは大活躍でしたよ?
古代ギリシャ語の先生にばれて反省文を全部それ(人形の暗号)で書かされましたが……
……呆れられるでしょうから黙ってておきましょう。
「如何したの?」
「イイエ?ナンデモ?でも残念ですがそれも違います。」
「誰かシェリングフォードよんで来て~~!!」
「良くホームズの初期の名前を知ってましたね?でも助けは来ません。
その代わりヒントを差し上げます。」
「お願いしますアドラー!」
……それは同名だからですか?
「ギリシャの伝統的な祝日です。
もっと詳しく言えばキリスト教の祝日です。」
「……ああ!!公現祭!」
「はい、此方ではΘεοφανείων(テオファニーオン)もしくはΦώτων(フォトン)と言います。」
「確かキリスト様がヨルダン川で洗礼者ヨハネに洗礼を受けた日だっけ?」
「はい。
古代ギリシャ語でテオファニーオンとは
“神が現れた”と言う意味なんです。」
「そういえば自分の息子だって示すために
ハトを飛ばしてメッセージを送ったんだっけ?」
「少し違いますね。
神様の聖なる力、確か日本語では聖霊でしたっけ?
をハトの姿でおくり天から声を響かせ“こいつ、俺の息子だから、よろしく!”
っと言って……」
「フランクすぎる!!止めて!!
あんた一応クリスチャン!
お願いだからその神様のイメージを壊す癖止めて!!」
「すみません、つい……」
「はあ、いいけど、いやよくないけど……
良し!準備かんりょーう!」
「それでは行きましょうか?教会のミサの後にイベントもあるんですよ?」
「イベント?」
「はい。
神父様が紐をつけた十字架を海に放り込んで、
それを男の方々が潜って捜すんです。」
「この寒いのに?!」
「はい。」
「うわあ、でもそれなんでやるの?」
「まあ、平たく言えば加護をもらえるからですね。
そして十字架を見つけた方は家々を回り加護のおすそ分けをするんです。」
「へ~何かいいねそれ!」
「因みにそのイベントにかこつけてプロポーズする方もいます。」
「一歩間違えたら痛いね……」
「よほど自信がないとやらないほうが良いとわたしはつねづね思ってます。」
「アハハ……」
「後病院と医者は皆準備万端です。」
「へ?何で?」
「風邪を引いたり凍傷になったりする方がいるので。」
「凍傷?!何で?」
「場所によってはものすごく寒いですからね~」
「ああ、成る程。」
「それではそろそろ行きましょうか?
そうそう、今年は幼馴染達も参加するんですよ?」
「マジ?こういうのやらないタイプだと思ってた。」
「実際今まで逃げてたんですがこの間村長との賭けに負けたらしく……」
「やる羽目になったと……
うわあ、ご愁傷様。」
「ですので見かけたら思いっきり馬鹿にしてやりましょう?」(にっこり)
「(リーンがこんなこと言うなんてあの二人何やったんだろう……?)ああ、ウン、とりあえずいこっか。」
「車持ってきますね~。」
パタン
パカッ←ケイタイのふたを開けた音。
「……とりあえず二人とも本当にご愁傷様。
せめてリーンの機嫌を直すために十字架を見つけてね?
出来るだけこっちもご機嫌取りしておくから……っと。
そーしん!
さ~て、ミサの間にどれだけ機嫌が直せるかな~?
ウン、色々質問攻めしよう!
効果があるか分かんないけど。」
パッパッー
「今行くー。」
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後日風邪を引いた二人の幼馴染の看病を上機嫌でするリーンがいたとかいなかったとか……(どっち?!)
因みに一月六日は東京消防出初式があった日でもあります!!
感想お待ちしております!(ペコリ)