とある対談
某月某日とある空港での私と日本からの友人の会話。
「ハローン!リーン、久しぶりー!」
「お久しぶりです陽さん。飛行機での旅は如何でした?」
「すっごく退屈だった!お尻が痛い!
ここまで来るのにすっごく時間かかるね?
さすが外国!」
「嫌、其れは関係ないかと……とりあえずお疲れ様でした。
車はあちらに止めてあるので行きましょう。」
「オッケー、あ~もうクタクタ早くホテルで休みたい!
案内よろしくね?私の専属通訳さん?」
「畏まりましたお客様、今回ご予約されたホテルにはカジノもございますので
後ほどご案内させていただきますね?」
「あら、有難う.頼りにしていますわ.
……うん、キモイ、キモイわそのモード止めて頂戴!
やっぱり人間普通がいいわ~
そういえばどんな車で来たの?
私の泊まるホテルに合わせるって言ってたけど……」
「ふふふ、其れは見てからのお楽しみです。ああ、ほら、あそこに停めてあるのが私の車…
「ねえ、ちょっとリーン!あれボルボじゃない?!うわ~大きい!
チョット見てくるね!」
です…って…まあ予想どうりですね。」
「ねえ、ねえ、リーン!見てみてこのマーク!
これね最後にボルボの会社がスウェーデンにあったころに作ったってマークなの!
結構レアなんだよ~!」
「喜んで頂いて良かったです。父に無理を言った甲斐がありました。」
「へ?!これがあんたの車?」
「はい、正確には今回陽さんをご案内する為に父から借りた車です。
たしかボルボ社の車に最近はまっていると言ってましたよね?」
「あんたのそのよく気が利くところモロ日本人よね……」
「恐れ入ります。それにハーフたる者、此の位は出来なくては!」(ウィンク)
「あんたはどこぞの悪魔な執事?!仕草が似合っているのが羨ましい!!
あ、なんかドッと疲れが……」
「それはいけませんね、荷物は車にいれたので早速出発しましょうか。
此処からホテルまで時間もかかりますし。」
「誰のセイだと……まあイイや。運転よろしくね~!」
「はい、お任せください!ああ、いいわすれてました!
ようこそ 古の神々の地 ギリシャへ!」
「そういえば飛行機の中で神話を紹介する番組があってさ~。」
「ああ、あれですか。毎回紹介する神話が違うので結構人気なんですよ?
わざわざ其れを見るために飛行機に乗る人もいるとかいないとか……」
「どっちよ!其れはさておき。リーンの本名ってさこの国の平和の女神の名前よね?」
「はい、同時に平和と言う言葉、其の物でもありますよ。ちなみにセカンドネームは戦いと英知の女神の名前です。其れがどうか?」
「うん、セカンドはどうでも良い。」
「ひどいですね?!」
「(スルー)今回の神話はイリー二って女神さまの話だったんだけど、知ってる?」
「((スルーしましたねこの人。))はい、有名ですよ?引きこもった女神様の話しです!」(いい笑顔)
「ナニその無駄にイイ笑顔?!怖い!怖いから!!」
「ふふふふ……その神話のおかげで幼少期のあだ名が引きこもりでしたからね……」
「引きこもりとか……あんたの幼少期が時々心配だわ……いじめっ子たちのその後って意味で。」
「イエイエ、其れを言った方々には至極丁重にねっちょりと!!
ご説明させて頂きましたから、すぐにそう言われなくなりましたよ?」
「何を言ったのか聞きたいような聞きたくないような……
ま、まあ其れでその神話なんだけどチョット気になったんだよね?」
「(あ、またスルーしましたね。)何が気になったんですか?」
「とりあえずリーンにもう一回その神話を教えてほしいんだけどいいかな?
ほら番組だから言ってない事とかありそうだし。」
「ええ、良いですよ?
たしかイリーニはディアスとセミザの娘です。
ディアスはいわずもなが十二神の長を務める男神で、
セミザは掟を司るティターニャです。
そんな女神イリーニですが、彼女には神話という大層な物は在りませんが一つとても有名な話があるんです。」
「そう!ソレソレ!」
「話のこしを折らないでください。」
「ごめんナンか長くなりそうで……」
「安心してください。今回はイリーニの話ししかしませんから。」
「うん、これで神話の始まりからとかだったら泣くから。
興味ないわけじゃないけど今気になってるのはこっちだから。」
「まあ、そういうのは観光地に着くたびにお教えしますから大丈夫ですよ。
この国は神話とはきっても切れない縁があるので。
さて、続けても?」
「ン、よろしく!」
「では、続けます。
女神イリーニにはアレスという異母兄がいますが、陽さん、彼が何を司る神か知っていますか?」
「はい先生!戦いです!!」
「そのとおりです!!後でカジノでお酒でもおごりますね?」
「やった~!」
「そのアレスですが、彼はまあ、戦いの神なだけあり争いが大好きなのです。
いうならば不良ですね、そしてイリーニが平和主義な妹としましょう。
そんな二人は出会うたびに喧嘩をします。
方や争いをやめてと言い、もう片方は平和など要らないと言う。
まさに平行線ですね。
それが何度かあってついにイリーニがぶち切れまして……」
「ぶち切れ……なんか身も蓋も無い言い方……」
「仕方がありません事実そんな感じなのですから。
それで《引きこもってやるー》って近くの洞窟に引きこもったんです。
しかも、家出先の洞窟を、ご丁寧にその入り口を大きな岩で塞いで。」
「うん、絶対そんな宣言してないよね?ね?」
「(スルー)さてさて、そのことに困ってしまったのが人間たちです、もっと言うならその洞窟の近くに住んでいた村人たちです。」
「スルーされた!?」
「困った彼らは何とか彼女に外に出て貰おうとしたのですが、さすが引きこもり、一筋縄ではいきません。」
「神話ってこんなんだっけ?ひょっとして人選間違えた?ディアあたりに聞くべきだった?」
「ディアの説明のほうが酷いですからおススメめしませんよ?ギリシャ神話が嫌いですから。特にこの神話は。」
「どんだけ酷いの?!逆に聞いてみたいよ?!」
「それなら今度聞いてみてはどうでしょう?さて話を戻しましょうか。」
「(もうツッコムの止めとこう……)んにゃ、そっから後はしってる。洞窟の前で村人たちがどんちゃん騒ぎをして、つられて岩を少しあけたところで引きずり出したんでしょう?」
「まあ、概ねそんな所です。ですがこの話しが何か?」(首かしげ)
「あ~天照大御神って知ってる?」(反対に首かしげ)
「はい、たしか太陽を司る女神でしたっけ?」
「ああ、まあそんな感じ。その女神様の神話の一つに天岩戸ってのがあるんだけど……」
「ええっと聞いたことはあるのですが話しそのものは知りません……すみません」
「ウン、いいよ。それで話を戻すと同じなんだよね~」
「?何がでしょうか?」
「イリーニの神話と天岩戸の話し。もちろん全部じゃないけど、それでも同じとこは幾つかあるんだよね……」
「その女神も引きこもりだったのですか?」
「何時まで引っぱるのそのネタ?!
違うから!お願い女神のイメージを下げないで!!
なんか可哀そうになってきた!
同じってのは兄妹喧嘩をしたとことか、洞窟っぽいとこに隠れたとか、
他の人、嫌この場合神様なんだけど、その神様たちが頑張って外に出そうとしたとことか、
その為にどんちゃん騒ぎをしたとことか そんなとこ。
こんなに遠く離れてる国同士なのに同じような話があるって不思議だよね~。」
「そうなんですか……たしかに、それを聞く限りいろいろ似てる所がありますね……
引きこもりな所とか、はた迷惑なとことか……」
「そろそろ引きこもりから離れようか?(怒)」
「すみません(冷や汗)。
でもそう言われればそうですよね、結構似てる神話がありますよね……
例えば八岐大蛇、 男神スサノオが倒したと言うものがありますが……
あれと似ていますよね、
ヘラクロスとヒドラ。
大まかなストーリーは違いますけど。
こうやって見ると結構面白いですよね。」
「デショ、デショ!探したら他にも似てる神話とか昔話とかありそうだよね?!」
「なら観光地で神話の説明をするときに何か気づいたら言ってください。
その方がよりこちらでの滞在が楽しめるでしょうし、私も新鮮です」
「ん!そうしよう!
……トコロデサ?」
「……ナンデショウ?」
「さっきから同じトコ通ってる気がするけど迷ってないよね?」
「(ぎく!)いいいいいいいい嫌ですねそんな事ありませんですのことよ?」
「分かりやす!!分かり安すぎる!!
ちょッあそこにお巡りさんがいるから車止めて聞いて来い!!」
「ごめんなさい~!お喋りに夢中になったんです~!
聞いてきますから待っててくださいね?」
「どこに行けと?!良いからとっとといって来て!チェックインの時間が過ぎるでしょう!」
「はい!
……彼女たちが無事時間通り着いたかどうかは……ご想像にお任せします……」
「へんなナレーションいれないで!!シャレになんないから!!」
そんな某月某日のある二人の会話でした
チャン、チャン.
今回はこのお話!
見事に会話しかありません。(笑)
神話って楽しいですよね~
国が違うのに似てるとことかもありますし。
それを探したりするのも旅行の醍醐味だと思います。
感想お待ちしてます(ぺこり)