休憩時の雑談
「美奈 お手!」
ポン
「フセ!」
バッ
「お座り!」
スチャッ
「そのままマテ!」
ジッ
「...美奈、その体制からひっかく攻撃
続けてのしかかりそして最後はあまがみ!」
「ウオン!」
「何だその命令、どっかの携帯獣かよ!?
オイ、美奈マテ!ちょっ
ぎ、ぎゃ~~~!」
~しばらくお待ち下さい~
「いつつ、ひでーじゃねーかリーン!」
「ニック、何人の犬で遊んでるんですか、
他にすること無いのですか?」
「今は昼休憩の時間だ!いいじゃんか別に癒しを求めても!」
「自分の犬に求めてください」
「あいつら可愛くねーモン!
俺のこと認めてねーモン!
下手したらお前のほうに懐いてるモン!」
「モンモンうるさいです
日ごろの行いと躾の差ですね。」
「ちゃんとやってるよ!」
いやいやジムに押し付けていますよね?
まったく猟犬が飼い主に従わないって情けなくありませんか?
それだからこの間ウサギの一匹も仕留められなかったんですよ…
「な~な~、美奈に他の技も教えてるのか?」
「いやですね、家の犬を忍犬にするつもりは…少ししかありませんよ?」
「ニンケンって何だ?」
「此方で言う軍犬の様なものですね、忍者が使うので忍犬と言います。」
「おおージャパニーズ忍者!!
カッコいいよな!俺この間買った日本のゲームでムチャクチャ感動した!
リーンもあんなこと出来るのか?」
「出来るわけないでしょう?私は凡人です!」
「凡人がオリーブ(食用)を集めるために自分で木の上に上るか?」
「…ニックの上にわざと落ちますよ?」
「止めてくれ流石に首の骨が折れる?!
いい加減降りろよ休憩するんだろ?」
「それもそうですね。
美奈~飛び降りるから其処からどいて下さいね~。」
おお!ものすごい速さで逃げてます!
この間下敷きにしましたからね…
「ほっと!」
「10.0!」
「有難うございます。」
「それでささっきの続きだけど、」
「はい?」
「ほら忍者の話、ホントに実在したのか?
それとも都市伝説みたいな感じで語り継がれたとか?」
「一応歴史の本とかで記されてるらしいですよ?
たとえば出浦 盛清と言う忍者ですが
戦国時代から江戸時代初期にかけての武将で、忍者でもあったと言われております
霧隠才蔵を知っていますか?彼がモデルになったと言われております」
「知ってる!真田十勇士の一人だろ?真田幸村の私兵!」
「私兵..とは違うかと..彼らは家臣でしたから」
「へ~他にはどんなのが居たんだ?あ!でも猿飛佐助と風魔小太郎は知ってる!!」
「いや猿飛佐助は架空の人物だと言われてますよ?
上月佐助と言う方がモデルだと言われておりますが定かではありません。」
「へーじゃあ、風魔小太郎は?」
「厳密に言えばその名前は忍者の頭領、つまりボスが代々受け継ぐ名前です
戦国時代でしたかね?に北条家に仕えていたんです。」
「北条…ああ!あのご先祖様の話が好きなじいちゃん!」
「今のでどのゲームを買ったのか解りました…
よくプレイできますね?あれ全部日本語でしょう?」
「勘と事前知識とゲームへの愛で!!」
「…さてその風魔ですが。」
「スルーされた!!」
「最も有名なのは北条氏政・氏直父子に仕えた五代目風魔小太郎ですね。
なんでも2m16cmで、当時の日本人にしては大柄ですね、そして筋肉や骨格といった
体つきが逞しくて目付きが鋭く、
逆さ黒ひげで八重歯4本が外にむき出し、鼻がとても高かったという記述が残っておりますね。」
「いやそれ忍者と言うよりRPGで出てくる柄の悪い盗賊か、海賊だろ?!つーかたけーよ!!
何だよその身長!!俺に分けろ!」
まあそれ(身長)に突っ込むと思いましたよ
ホント弟はニョキニョキ伸びたのに兄のほうは…
「リーン今何か俺に対して思ってないよな?」
「もう少し身長があったら警察学校に行けたのにね~って思ってました。」
「思い出させないでくれ…」
「すみませんつい、
因みに北条家が滅亡すると、小太郎と風魔一党は江戸近辺を荒らし回る盗賊に成ったんですよ、
で1603年に甲斐の武田家に仕えた忍者、確か名前は高坂甚内でしたか、
まあ彼の密告により徳川家に捕縛され処刑されたと言われております。
まあでも『北条五代記』と言う書物にしかその名前が見えないのでこちらも構造の可能性がありますが。」
「こっちで言うシセアとかみたいなもんか?
神話なのかホントなのか解らないって点って意味で。」
「そのたとえはビミョーですが…まあそんなモンです。」
…たぶん。
「シセアと言えばさーこの間アテネにデートで行ったんだけどさ、
ほら途中でトンネルあるじゃん?で何気なく名前の書いてあるプレート読んだらさあ?
スキーロンって書いてたんだけど、
あれやっぱり…」
「はいシセアが退治した盗賊のうち一人の名前です。」
「確か大きな斧をもっている大柄な男で、
旅人に足を洗うことを奨めて、
んで足洗ってる最中に崖から落として大亀の餌にしてたんだよな!
金目の物も盗めて、ペットの餌も確保できて一石二鳥だな!」
「むしろ何故旅人達が警戒せずに足を洗ったのかが気になります
いったいどんな交渉術を駆使したのでしょう…?」
そのスキルがあればオリーブオイルをもっと高値で売れるでしょうに…残念です。
誰か詳しく調べてる人いませんかね?そしてあわゆくばそれを教えてくださったり…
「今お前がなに考えてるか手にとるように解る自分が恐い...」
何か言いました?
「そういえば後二人居たんだっけ?盗賊。」
「後四人だ馬鹿共。」
「あれ?そうでしたっけ?
え~っとペリフィティとシニーとほか誰でしたっけ?」
「あ!ピティオカンプティーは?」
「そいつはシニーのあだ名だばかたれが。」
「え~それじゃーあー誰がいたっけ?
あ!ケルキオナ!」
「あと一人はシニーの息子のポリピモナですね!」
「1,2,3、オシ!ちゃんとみんな言えた!
でもこいつら盗賊というより快楽殺人者達だよな?」
「ほう?その心は何だ?」
「だってさ~ペリフィティは棍棒で道行く人たちを撲殺してたし、
シニーは二本の松の木に旅人をくくり付けて真っ二つにしてたんだろ?」
「因みにあだ名のピティオカンプティーは古代ギリシャ語で、
松の木を曲げる者、という意味です。
…まんまですね、付けた人ネーミングセンスありませんね。」
「下手したらリーン以上にナイかもな!」
「ほっといてください!」
「後ケルキオナは対象者に抱きつきそのまま海に飛び込み、
おぼれている被害者の頭をつかんでそこいらの岩に叩きつけていたそうだ。」
「なにそれ恐い。」
「私、最初聞いたとき同性愛者の屈折した愛情表現かと思いました。」
「何処を如何したらそうなるんだ?!全国の、いや、全世界の同性愛者に謝れ!!」
「ゴメンナサイ。
でも考えてみてください筋肉もりもりの盗賊(想像)が同じ男に(当時女性はあまり街から出なかった)に熱烈なハグをするんですよ?」
「それならただ暑苦しいで終ると思うんだけど?!」
「でも日本から来たお客さんの婦女子さん達は高確率で、
《「同性愛者なんですねわかります」》って言ってますよ?」
「俺の常識が可笑しいのか、日本にいる婦女子が可笑しいのかどっちだこの場合…
因みに何で婦女子だってわかるんだ?」
「ああ、なんか自己申告してます。」
「何だそりゃ?」
「さあ、私にもなんとも…流行ってるのでは?」
「まあそれはいいや
で最後のポリピモナはなにしたっけ?」
「何しましたっけ?」
「ポリピモナはプロクルースティとも言われていてな、
旅人を家に招いてベットに寝かし体が余れば鋸で切り
逆に小さければ紐で伸ばしていたそうだ。」
「ドンだけベットが好きなんだ?!」
「でも何故あだ名がプロクルースティなんでしょう?」
「それはそいつのベットの名前がプロクルースティオだからだとよ。」
「名前もあるのかよ?!良かった!俺この時代に生まれて!!
そんな人物とニアミスなんて嫌過ぎる!!」
「…ところでニック。」
「何だ?」
「私達さっきから誰と会話してるんですか?」
「いうな、言うんじゃない、俺らの後ろにひげもじゃの盗賊風の人相の悪い男なんていないんだ!!気のせいだ!!きっと俺らの純粋な心が見せるドワーフと会話してるんだ!!」
ガン!!
「誰がひげもじゃの盗賊風の人相の悪い男だ?アアン?
実の叔父さんを捕まえてなんだそれは?プロレス技でもかけてやろうか?アアン?」
「すみませんごめんなさいゆるしてくださいエルボー・スマッシュはやめてください。」
…ニックが子ウサギのようです…
後土下座って…母が教えたのでしょうか?
一体どれほどの威力があるのでしょう?エルボー・スマッシュ…
今度見せていただきましょう!
助ける?ナニソレオイシイノ?
「ったくリーンを呼んで来いって言ったのに何時まで経っても戻ってこないし、
他の連中は腹が減ったとうるさいし、
此処(オリーブ園)は広いしで!
美奈がいなければ見つからなかったぞ!
お前解ってんのか?」
「して、おじ様その心は?」
「腹が減った!肉が焼けてるのに食えないってどんな拷問だ!!」
「あららもう出来てたんですか?私の予想では焚き火が出来るのに時間がかかると思ってたのですが…」
「お前の親父さんが乾いた木の枝とか持ってきてたんだ。」
「なるほど!それでは行きましょうか私もお腹がすきました!」
「そうだな。
おら!何時までその変な格好をしてるんだ?行くぞ?」
「いえっさー!」
「何ふつーに歩いて行こうとしてるんだ?逆立ちして来い!俺を此処まで来させた罰だ!」
「そ、そんな~!」
「ニック、ガンバッテクダサイ!お肉は確保しておきます!」
「なに言ってんだ?お前もだ!!」
「私もですか?!」
「そもそもお前が勝手に離れたからだろうが。」
「逆立ち出来ません!」
「な~にお前半分は日本人だろう?
木々の間を伝って合流地点に来るくらい出来るだろ?」
「私忍者じゃありません!」
「オリーブの実をとる為に木の上に上れるんだ、
飯を食うために木々を伝うことくらい朝飯、いや、昼飯前だろ?」
「一体何時からいたんですか?」
「お前が木からジャンプして降りた頃から。」
「ほぼ最初からではないですかーー!!」
「頑張れ若者!お前らの分の肉も食ってやるから!」
「勘弁してくれ…午後を如何乗り切れと…」
「因みにずるしたらすぐ分かるからな~!」
「如何するよリーン?」
「如何するって言われましても…
美奈の首輪にこれみよがしに通話状態の携帯を付けているあたり
真面目にするしかないでしょうね…」
「だな…」
その後無事課題をこなしご飯にありつけたかどうかは...
ご想像にお任せします…
~おまけ~
合流地点にてニックの叔父&リーンの父親の会話
「あれ?リーンとニックは?」
「お仕置き中、そのうち来るだろ。」
「また無理難題を言ったのか?」
「無理は言ってない。
ニックには逆立ち、リーンには木を飛び移る様に言っただけだ。」
「ニックは良いとして、運動オンチのリーンにそれはないだろ…」
「マジか。」
「ウン、マジ。たぶん運動神経どっかに落とした。」
「…リーンの分の肉、横にとっておいてやるか…」
「おう、娘も喜ぶ。」
お仕事の合間の雑談って色々ありますよね?
あとうっかりってありますよね?
感想お待ちしてます!(ぺこり)