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リーンの日常  作者: Irene
36/40

ふた月後の未来

飯テロです。(お菓子作ってるだけ)


「やっと、やっとできました!!これで()()が作れます!!」



苦節二か月………

邪魔するニックとジムを退ける日々は大変でした………

ああ、目から涙が………


ですがこれでやっと作れます!!


そう、これは、長期的に計画されていた、

年の暮れに食べるとあるケーキを作るお話です。


メンバーは………

おや、ちょうど帰ってきたようですね。




「リーン材料持ってきたよーん!」


「リーンただいまー!会長とのお買い物ミッション終わったよー!」


「なんか変な食材もディアが入れてたけどねー?」



そこは止めてください会長。

何のためのストッパーですか。

………え?気が付いたら入れてた?

もう支払った後だった?

それなら仕方ありませんね。



「ディアに対して甘くない?!」


「彼女を甘やかさず誰を甘やかすんですか?

で、リスト以外の物は何を買ったんですか?」


「キャビアとーイカ墨とー黒ゴマとー海苔とー炭とーあと家にあったイヌサフラン!」


「黒ゴマはギリ大丈夫ですが残りはだめですからね?」



特にイヌサフラン。

数週間かけてだれを殺す気ですか?!



「えー?」



上目使いしてもダメです。



そう、今回は会長とディアと共に作るんです!

………不安しかないとか思っていません。ええ、思っていませんtも!!




「あと主材料はすでにこちらにございます。」


「あ、その瓶?」


「はい会長、ふた月前に仕込みました。

蜂蜜、レーズン2種類、ソウルチェリー、プルーン、レモンの皮を瓶に入れて、

これらがつかるくらいまでにお酒を入れます。ブランデーが最適ですね。」


「………何を使ったんだ?」


「父の勧めでGlenfiddichの十五年物を………」


「なにやってんだあの海賊もどき親父はあああ?!」



失礼な!立派なイケ親父ですよ!今の時期髭もじゃですけど!

童顔なの隠すために髭はやしてるとか、かわいいじゃないですか!

フルーツとお酒が混ざる過程を毎日飽きずに、ウキウキしながら見てたんですよ?

どうでしょうかわいいでしょう?!



「小父様かわいい~!」


「とりあえずその辺でやめてあげた方がいいと思うよ?

リーンの親父さん顔真っ赤だし………めっちゃ睨んでるし………なんかイタタマレナイ………」




あら父上、


恥ずかしいからって睨んでも無駄かと。

すでにおばあちゃんが井戸端会議で広めてまs………

あ。



「ダッシュで祖母のもとに行きましたね。」


「私、手遅れだと思うの。」


「右に同じく。」




………さて。



「作りますか!お菓子!」


「うっわ、こいつ面倒だからってスルーしやがった?!」



大丈夫です。いつものようにおばあさま方に負けますから。

紳士魂は骨の髄まで叩き込まれている海の男ですもの。

うん。向かいの家からの喧嘩なんて………

キコエマセンヨ?


「ねーねーリーンお菓子に使う道具はこれでいいのー?」


「ええっと、型に、ボウルに、粉ふるいに小鍋に、木べらに、シリコンのへら………

はい、これで十分ですよ!」


「俺スルー?!」


「ほら、会長。材料の下準備しますよ?

とりあえず、ボウルにこの分量のバターとマーガリン入れてください。」


「え、あ、うん。ついでに砂糖も測っとく?」



………ちょろい。



「はい、よろしくおねがいします。

ディアは型にアルミ箔を敷いて両サイドにバターを薄く塗ってください。

その後、薄力粉と強力粉とシナモンとナツメグを合わせて(ふる)ってください。」


「ラジャー!!」


「その間に小鍋にカラメルの材料入れておきますかね。

まあ、お砂糖セットするだけですけど。お湯は湯沸かし器で沸かしてますし。

ああ!忘れるところでした!卵を解きほぐして牛乳を混ぜておかなければ!」


「「準備完了です!ボス!」」



………ディアはもとから可愛いからいいとして。

会長も何故時々かわいい事するんですか。

腹黒チャラ男とかわいい子の左右対称の敬礼とか………



「ん?かわいくないか?」


「あなた私より6も上ですよね?!何かわいさ追求してるんですか?!」


「仕事に役立つから!」



キリっとした顔で言わないでください?!

会長の同僚の方々………苦労してるんでしょうねえ………(遠い目)



「リーン次なにすればいいのー?」


「では私がボウルにあるバターとマーガリンを混ぜ終わったらお砂糖を入れてくれますか?

素手でやるので物がつかめなくなるんですよ。」


「はーい!」


「で、会長はその間にカラメルソースを作ってください。

いいですか?お湯は最初から入れないでくださいね?

あと火にかけすぎると固体になりますからね?

作るのは飴じゃなくて、ソースですからね?

私のいうタイミングでお湯入れてくださいね?」


「わかってるって~。心配性だなあ~。」




この前(決戦前夜の男達を参照)、不穏な音でお鍋一個だめにしましたよねえ?

おいコラ明後日のほうむくんじゃねえですよ。

へたっぴな口笛吹くんじゃありません。

あと火の勢い弱めてください焦げますよ。



「意外と気を付けること多い?!」


「おいしいケーキのためです頑張ってください。

ディア、卵入れてください。」


「は~い。

………?ねえねえ、リーン。いつまでたっても混ざらないね?

っは?!まさか失敗?!」


「大丈夫ですよ。少し分離してるだけですから。

ほら、会長。火を止めてお湯を入れてください。

そのあとボウルに入れてくださいね?

ディア、手を洗ってくるので木じゃくしで混ぜる準備をしてくださいね?

あ、ついでにオーブンも付けておきますね。」



ジュワ~



「お、俺何もしてないよ?!ほんとだよ?!

いわれたとおりにしたよ?!」



あらあら、すごく焦ってますねえ………

まあ、(わざと)言わなかった私も悪いですが。

別にいつもの無茶ぶりの仕返しとかではないですよ?

ええ、もちろん。(黒笑)



「会長、驚いてないでソースをボウルに入れてください。

木じゃくしを伝わせて入れてくださいねー?

ディア手についたらやけどしますから気を付けてくださいね?

ああ、やっぱり私がやりましょうか?」


「俺との扱いの差?!」


「大丈夫だよ!私皮膚厚いから!」


「そうですか?でもほんとに気を付けてくださいね?痕が残ったりすると泣きますよ?」


「またまたスルー?!ちょっとは俺にカマッテ~!」


「ああ、会長、ディアが混ぜた後、粉ふるいで色々混ぜた小麦粉れてください。

その間に卵白泡立てておきますんで。

………一応言っておきますが。

私の用意した小麦粉以外入れてはだめですよ?

後、粉っぽさが残っている状態で、その瓶の中身も入れてください。

………それ以外はだめですよ?

キャビアとか、イカ墨とか、炭とか、海苔とか………イヌサフランとか。」


「「わかってまーす。」」




………なぜこうも不安なのでしょう………

いや、今回は会長もいますし………

きっと大丈夫です………よね?

信じてますよ二人とも?!



「さて、白身の準備できましたよ~。

入れてもいいですか~?」


「「イイトモー」」



どこで覚えてきたんですかそれ。

ちゃんと日本語で言うとか………

え?母が教えた?

ああー。彼女アノ番組のファンでしたからねえ。



「さて、白身も混ぜたところで、型に入れます。

我が家用はパウンドケーキ用のやつに入れますが、お二人は?」


「私はこれ!!この間買ったサンタさんの形のやつ!この時期にピッタリでしょう?

あとダーリン用にハート形ー!」



この時期にピッタリですが食べるころには過ぎてません?

かわいいのでいいですが。

ああ、アンジェロさんようですか。

切り分けるときは縦半分に真っ二つでお願いします。



「俺は普通にホールケーキの型!やっぱこの形じゃないとしっくりこないよねー」


まあ、中身だいぶ違いますけどね。


「じゃあ、型に入れた後は最後の仕上げですね!

二人とも持ってきましたか?」


「ちゃーんとアルミに包んだよ!」


「バシロピタはこれがないとな!」



そう、私たちが作ってるのはバシロピタというお菓子。

新年に食べる伝統的なお菓子です。

コインを見つけると新しい年が幸運に見舞われる。

と、いうジンクスもございますね。

今年はだれが当たるのでしょおうね?

楽しみです。


毎年同じなのもどうかと思ってレシピ本をみていたら、

このケーキを見つけたのです。

用意に二か月かかりますが、その分特別感もありますし………

と、いうことで作ることに。

その後、話の流れで、この二人も一緒に作ることになったんです。


さて、コインを入れた後はオーブンに入れて、と。




「では二人とも片づけますか!」


「「はーい!」」



………あら?イヌサフラン以外の材料が見当たりませんが………

冷蔵庫にでも入れたのでしょうか?




「リーン!こっちてつだって~。」


「あ、はーい。」




まあ、生ものでしたし。あとで聞きましょう。







「お、おおー焼けたー。」


「いい匂いだねー!」


「さて、これにはけでブランデーを塗って………

同じブランデーに浸した布巾で包んで………

新年までねかせればちょうどいい感じになります!

涼しいとこにおいててくださいねー。」


「うう、一日まで食べれないなんて………」


「なんて拷問だ!!」


「でも待ったあとのおいしさは格別ですよ?」


「否定できねえ!」


「たしかに!」


「ほら、二人とも。そろそろ帰らないと寒さが増しますよ?

ディアは泊ってもいいですけど、会長はほっぽり出しますよ?」


「最後までひでえな?!

ディア家の近くまで送ろうか?」


「いいの?じゃあお言葉に甘えてー!

じゃあね、リーン!

メリークリスマス!家族と良い時間を!

また来年ねー!」


「いや教会のミサで会うだろうよ。

んじゃ、今日はサンキュー。

メリークリスマス。家族と良い時間を!」


「はい、メリークリスマス。

お二人も家族と良い時間を!」





さて、お二人は帰りましたが、私の戦いはまだ終わりません。

なぜならこれから新年までこのケーキを守らねばならないのですから。

そう、幼馴染たちとわが父上から………

さあ、戦いはこれからです!!

リーン「うーん………やっぱりイヌサフラン以外の材料が見当たりません。

持ち帰ったのでしょうか?」


果たして消えた材料はどこに?!新年はいったいどんな幕開けに?!

こうご期待!


リーン「なんか不穏な次回予告が出ましたよ?!」


あ、レシピはずいぶん前に買った本のものです。

「小林カツ代のケーキ&パイの基本」という本です。

ものすごくわかりやすいのでまだ売ってたら皆さんも買ってみてください!


感想お待ちしております(ぺこり)

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