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リーンの日常  作者: Irene
34/40

たまごぱにっく?!

「あらあ!ちょうどいいところに!」


「バーシャおば様?」


「今日()()()でしょう?持っていきなさい。」


「あ、じゃあうちのやつも持っていきなさい!今とってきたばっかよー。」


「クリスさん?!」


「お、じゃあ家のもやるよ。いっぱいあってもいいじゃろ。」


「テオじいさま?!」





いやいや、あればあるほどいいと言って限度ってもんがありますでしょう?!

確かに今の時期必要ですけど………

いや、でも買いに行く手間が(はぶ)けたと思えばラッキーですよね。

余ったらサラダにするなりできますし。

さて、母にもらったことを報告せねば!




「ただいまー。先ほどご近所さんから………


ハハウエサマソレハイッタイ?」


「おじいちゃんのお友達が持ってきてくれてん。大量やでー。」


「………私もご近所さんにもらってきました。40個。ハハウエサマハ?」


「チョイスクナメノ30コヤナ。」


「家のストックは確か20個ほどでしたっけ?」


「………復活祭が終わったらお菓子でも作るか………」


「おう、今帰ったぞー。」


「エレちゃん、リーン、たっだいまー!聞いて驚けー!卵めっちゃもらったーー!なんと40個!」


「「OH………」」


「ん?どうしたの?」



パッパー



「ん?誰が来たか見てくるな。卵ここにおいて置くぞ?」


「まさかの事態ですね母上………」


「が、頑張ればどないかなる思うわ。」


「おーい。畑貸してる爺さんが卵持ってきたぞー。



100個。」


「つっかえせやあああああ?!」


「無茶言うな?!」


「こないに大量の卵どないせっちゅーねん!?」


「泣かないでくれ愛しい人………大丈夫。リーンが何とかするさ!」



面倒だからってさらりと押し付けましたねお父様?!



「………せやな!リーン任せた!

うちはチュレーキとエッグクッキー作る!もう知らん!」




裏切られました?!

考えるの破棄しましたねお母さま?!

そしてそそくさと父とキッチンに逃げましたね?!




「リーンもしかして………」


「はい。今なら卵屋さんになれそうですね。」


「まじか。」




さて、とりあえず対処しておきますかね?

えーっと………




「何でこんなに卵もらうの?皆今日()()()だからって言ってたけど?」


「ああ、本日は卵を飾り付ける日なんですよ。」


「飾る?」


「陽さんはイースターと聞けば何を思い浮かべますか?」


「えーっと………ウサギと派手な銀紙で包んでるチョコの卵?」


「まあ、(おおむ)ねあってます。

本当はチョコの卵じゃなくて、普通のゆで卵を色付けして飾り付けてるんですよ。

でもそれだとあまりバリエーションがないので、子供に喜ばれないでしょう?

だからチョコの卵を作ったんですよ。

そしたら銀紙にいろいろ描けますし。


ちなみに今週は復活祭前の一週間前。

絶食の期間ですよね。」


「うん。日曜日からお肉食べてなくてつらい………」




ですよね。私のお肉が恋しいです。

でもうちは緩いほうですからねえ………

家によってはそれこそ油もお肉もお魚も食べないですからねえ。ずっと豆生活ですよ。

しかも水煮。あれはつらいです。



「それは復活祭にまで体を清めるためにやってるんですよね。

で、この週の半ばあたりから復活祭に向けて準備するんです。

ちなみに金曜日は料理しないんです。

だから準備できるのは木曜日と土曜日のみです。」


「なんで?!」


「………なぜでしたっけ?まあ、おいておいて。


そんなこんなで、本日は卵をゆでて、そのあと専用の液体で色付けするんです。

我が家では色を付けずに飾るんですよ。」


「なんで?」


「色が白身に移って気持ち悪いからです。」


「あ、それはやだね。」




さすがに食用とはいえ………

青や赤や緑や金色の白身は食べたくありません。


まあ、ビーツを使って色を付ける方法もあるんですが………においが………うん。



ちなみに染めるときのメインの色は赤です。

イエス様が流した血の色だからという理由です。





「土曜日は土曜日でご馳走作るんで時間がないんですよ。

だから木曜日に卵とチュレーキというパンを作るんです。

あとエッグクッキー。」


「さっきエレちゃんが言ってたあれ?パンかー………

普通のパンと違うの?」


「おおよそ同じ作り方ですね。ただほんのり甘いんですよ。あとみつあみにするのが特徴ですね。

出来たあとみつあみの付け根部分に赤いゆで卵を飾り付けます。」


「おおーかわいい!!で、エッグクッキーって?」


「卵の味がめっちゃするクッキーです。出来立てはうまうまなのです。

やめられなくて止まれないのです。でも我慢するしかないという地獄の時間です。

なので毎年母に作っていただいてます。」


「ああー私我慢できるかなあ?」


「いつも言ってますけど、別に普通に食べていいんですよ?」


「せっかく来てるんだからやりたい。これも旅行の醍醐味(だいごみ)!!」


「あなたのそういうところ大好きですよ?」


「えへへー。こういうのは体験するもんでしょ!」


「その気持ちわかります。私も餅つきとか参加してみたいですもの。」


「ああ………うん。」




生暖かい目はやめてください。

いいじゃないですか憧れなんですから。

ちなみに餅まきなるものも参加したいです。



「で、卵はどうするの?」


「とりあえず、ゆでる用の50個と、エッグクッキー用の10個と、

チュレーキ用の2個は横に置いておいて………」


「それでも結構使うね?!50個ゆでるの?!たべるの?!」


「え?普通に食べますよね?ゆで卵はこつんこ勝負で結構使いますしね。」


「こ、こつんこ勝負?」


「ああ、すいません。日本語でどういえばいいのかわからず………

染めた、まあ、我が家の場合は飾ったですね、ゆで卵をお互い『こつん』とあてて、

どっちがより丈夫なゆで卵を持ってるか勝負するんです。

まあ、ちょっとしたお遊びですね。」


「子供が夢中になりそうな………っは!まさかニック達も?!」


「毎年勝負してます!」


「ここにも子供がいたあ?!」


「毎年父が勝ってます。今年こそは一矢報いたいです。」


「おじさんあんたもかああああああ?!」




ほんと毎年引きがいいのか、なかなか割れない卵を選ぶんですよねえ。

コツを尋ねても教えてくれませんし………



「いつか勝ちたいですねえ。」


「ちなみにニックとジムは?」


「毎年一発で卵が割れます。

彼らも彼らで引きがある意味いいですよ。」


「不憫な………!!なぜそこまでに運が悪いんだ!!

でも期待裏切らない彼らが大好きだあ!!」


「毎年の不思議ですね。」


「まあ、それは置いておいて。残りの卵どうするの?」


「ああ、それは………」


「リーーーーーーン!!!ありがとおおおおおお!!」



ディア………抱きつくのはいいですが勢いを緩めてください………

今、わき腹にすごい衝撃が………


「大丈夫かリーン?!ディア、ロープロープ!!

なんかすっごい悶えてるうううう?!」


「きゃあ!リーンごめんんんんん?!」


「だ、大丈夫です。防御が間に合わなかっただけで………

思ったより早かったですね?」


「ちょうどアンジェロが来てたから車出してもらったのー

報酬は卵のおすそ分け!」


「結構ありますからご近所にも配ってみては?」


「あまったらねー。」


「恐るべし外国人の胃袋………!!」




いや、陽さん私たちは小食な方ですよ。

言ったら言ったでまた突っ込みそうなんで言いませんが。




あと土曜日は夜中までご飯食べないって言い忘れてましたが………


反応が愉しそうなので、黙っておきましょう。


卵のくだりは本日起きた出来事です。

まさかの卵をいろんな方からもらうという………



感想お待ちしております(ぺこり)

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― 新着の感想 ―
[一言] 卵はあってもあっても困らない? 我が家では卵焼き以外に、ラーメンの具材となりますチャンチャンヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
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