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リーンの日常  作者: Irene
3/40

百物語回避方法 

綺麗な月ですね~こんな夜にはワインを飲みながら…


ばぁぁぁぁぁん!


「チャックモノガタリをしよう!!」


……そろそろ扉の立て付けが悪くなりそうですね……

次のドアはもっと分厚いものにしますか。


さて、と。

なんでしたっけ?

ああ、そうそう、チャックモノガタリでしたね。

チャック…何かをしめる物語ですかね~(現実逃避)


それよりどうやって入ってきたのでしょう?

美奈(家のわんこです)は…

何故か骨に夢中になってますね~

渡した覚えは無いのですが…


「ディア、あの…」


「家にはさっき会った小母様がくれた合鍵で入ったし、

ミーちゃんには小父様がくれた骨あげて大人しくさせた!!」



家のセキュリテイーは大丈夫なのでしょうか?

母上様、いくらディア相手だとしても家の合鍵を渡すのは如何かと。

父上様、美奈の懐柔方法を教えないでください。

そしてディアせめて家に入るときに呼び鈴を鳴らしてください……


「…今度から前もって連絡くださいね?」


ああ、私はやっぱり彼女には甘い


「それじゃーリーン!シャクモノガタリしよう!!」


「何故いきなりそんなことになったのですか?!

後先ほどからスペル間違えてますよ?

百物語、ですよ?

それより良く知ってましたね、百物語なんて?」



シャクモノガタリって何ですか?!尺取虫の物語ですか?!それとも癪に障る物語ですか?!


「陽をお見送りしに行ったときに教えてもらった!」


「どんな会話をした後ならそんな話になるのか非常に気になります」


「うへへ~な~いしょ!」


「それで?百物語が何なのか本当に解ってていってるんですか?」


「うん!恐い話しを交互に言って周りの人たちを恐がらせるんでしょう?」



どういう風に説明したらそうなるのでしょう…

まあ、概ねあってるからこのままで良いですよね!


「その法則でいくと貴女も恐がらせることになるのですが…」


「は?!」


考えてなかったのですね…


「でもやる~リーンの恐がる姿み~た~い~!!」


やっぱりそれが目的ですか!

ああ、ディアの恐いはエゲツナイと同意語なんですよ!?

陽さん今度会ったときにどんなお仕置きをして差し上げましょうか?


耳がどこまで引っ張れるか試しましょうか?

ほっぺたがどこまで伸びるのか試しましょうか?

ああ、それとも釜で茹でてしまいましょうか?

ふふふ、楽しみにしててくださいね?(イイ笑顔)


とりあえずは此方ですね。


「分かりましたから落ち着いてください、

百物語は雰囲気も大切なんですよ?」


「うん!じゃ~リーンからはじめる?

日本のなんか恐いのよろしく!」


「難しいですね…(あまり彼女を退屈させず、且つ気をそらせる物語…)


ああ、これは如何(どう)でしょう?

きっと貴女も気に入ってくれる筈です。」


「よし来い!」


「では始めさせて頂きます。


黄泉比良坂を知っていますか?

あの世とこの世の境目にある坂だと言われております。

それは日本の古い歴史書である古事記に記されておりますね。

その中の有名な場面がこれです:


【逃げ来るを、猶ほ追ひて、黄泉比良坂の坂本に至りし時】


今回はこの場面に至るまでの神話を語りましょう。」


「リーン、態々其れを恐い声で言わなくても…」


「雰囲気でるじゃないですか。だめ?」(コテン)


「クッ、そんな首を傾げて私を見ないでー可愛いじゃないの~!!!」


おおう、もの凄い勢いで抱き疲れました。

でもタックルの要領で抱きつくのは止めてください、苦しいです。


後 美奈、さりげなく骨を持って人の背中にもたれかけない。


「続けてもいいですか?」


「モチ!でもこの体制でね!」


…前には親友(と言う名のチワワ)後ろには家のジャーマン・シェパード

天国ですね!


「ふふ、はい。では続きを…


この話しに欠かせないのがこの二人の登場人物です。

一人はイザナギ 男神で、古事記では伊邪那岐命と記されています。

そうですね、今は簡単に日本を作った神の一人と覚えていてください。」


「ギリシャ神話のウラヌスみたいなもの?あ、規模が違うか

ん~じゃあディアスかな?」


「うーん…どちらも違うかと…方や世界を作り出したタイタンで、

もう片方は…12神の頂点に立っている男神ですから…

今のところ当てはめられる神は思いつかないので保留にして置きましょう。」


「らじゃ~!」


「では次はイザナミ。 女神で、古事記ではたしか伊邪那美と記されていた筈です。

日本を作ったもう一人の神ですね。 そしてイザナギの妹で同時に妻です。」


「神話って時々モラルに欠けるよね。

近親相姦とか良くある話だし

どの国にも必ずそういう話あるよね?

まーギリシャ神話一の浮気男:ディアス程じゃナイだろうけど…」もぐもぐ


「ディア、何を食べているのですか?」


「リーン特性ホワイトチョコ入りチーズケーキ!」ごくん


「とニックが持ってきた新作のワイン(イチゴ味)ですね…」


もうツッコミませんよ?


「私にもワイン下さい、そっちのりんご味がいいです。」


「オッケー。さあ、続き続き!」


「ええっとどこまで言ってましたっけ?ああ、そうでした。

探せばディアス以上の浮気男、基男神もいるのでは?」


「かもしれな…って!話し!脱線してる!!」


「ッチ!では本題に戻りましょう。」


「舌打ち?!」


「(スルー)その二人は中睦ましく夫婦人生をキャッキャうふふとエンジョイしてたのですが。」


「へ~そうなんだ~良いな~」


ディア棒読みですよ?


「子供もたくさん産んだそうですよ?ですが最後に火を司る神を生んでイザナミは死にました。」


「なんかイロイロ省略してない?いきなりすぎる!!」


「ちなみにイザナギはその直後その子供を殺したそうです。」


「容赦ない!容赦ないよ!!あれか?!神話ってどこもそうなの?

子供殺すのが普通なの!?

たしかディアスも同じ事したよね?!

テンプレ?テンプレなの?!」


「さあ、どうでしょう?後ディアスの場合は自身の王座を護るためでしたからね、

確か子供の誰かが彼を殺し次期王となる、っと言う予言があったとか。」


「何時も思うんだけど神話を作った人って絶対あれだよね、まともな人間じゃないよね。」


「それこそ【神のみぞ知る】ですね、今では知るすべはありませんから。

で、イザナギですが。

彼はイザナミのことが忘れられず、黄泉の国に迎えにいく事を決心したのです。」


「何ソレかっこいいって…あれ?」


「黄泉の国に彼女を迎えにいってそして見つけた、其処まではよかったのですが、

彼女の気配はあれど姿は見えず。

イザナギが声をかけても返事が無い。

如何したもんかと思ったらイザナミから返答が!!」


「ゴクリ。な、なんていったの?」


ゴクリって自分で言うものでしたっけ?


「今の自分の姿を見られるのは嫌だから地上に戻るまで絶対後ろを振り向かないでね?ダーリン!って

言ったそうですよ。


それくらいならお安い御用 合点承知だマイラバー!!っとイザナギが答えたそうな。」


「絶対そういう言いかたしてないと思う!

ダーリンって何?マイラバーって何?

その時英語ってあったけ?

むしろ日本人その存在知ってたっけ?

お安い御用はまだ良いよ?何とか飲み込める.

何合点承知って?!どこの親仁?!」


イキナリ大声出さないで下さいな、アア、ほら美奈が驚いて逃げてしまったではありませんか。

それでも骨はしっかりと持って行っているのは天晴れです。

さすが我が家のわんこ。ちゃっかりさんです。


「細かいこと気にするとお肌が荒れますよ?

良いじゃないですか分かりやすくて。」


「イメージ!イメージの問題!!一応これ神話でしょう!」


「仕方ないですねえ…」


「あれ?これ私が悪いの?

たぶんどんな人が聞いても同じ反応だと思うんだけど…?

あれ~?」


「はい、はい、続けますよ?

それで途中までは大丈夫だったんですが、

黄泉比良坂に着いた時、あまりにも後ろが静かだったので、

やば!逸れた?それとも死者に騙された!?

でも後ろ向くなって言われたしな~

よし!チョットならばれないだろうからチラッと見てみよう!

と思い後ろを振り向きました。」


「イメージ!絶対そんな風に語り継がれてないよ?!

なんか恐いのか愉快なのか分からなくなってきた!!

とりあえず続きオネガイシマス!振り向いた後どうなったの?

ムチャクチャ気になる!」


目がキラキラしてますね…あ、そうだ。(ニヤリ)


「それで彼はこっそり振り向いたのですが、

暗くて何も見えないので目を凝らしたのです。

その時彼が見たものとは…!」


「むぐ、みふぁふぉのをわ?」


食べながら喋るのは止めましょう、後何言ってるのか解りません。


「アア!私の口からはとてもとても……」


「言ってよ!気になるじゃない!」


「まあまあ落ち着いて、ワインでも飲んでくださいな。」


「ウ~…」


ワイングラスを傾けたときが勝負です…慎重にしなければ…!


「おふざけはこれ位にしてっと、

ほら、この間見たホラー映画で出てたゾンビの女性、彼女のようになっていたのですよ。」


「ゴフッ!」


計画通り!(ニヤリ)

あれはかなりアレでしたからね~(遠い目)


「まあ、その後それに気づいたイザナミは

イザナギにラリアットぶちかましまして。」


「ゲホッゲホッ!タッタンマ!それはナイ、ラリアットはナイ!

せめて回し蹴りにして!!」


回し蹴りなら良いんですか?


「あまりインパクトはありませんが、しかたありません、それでも良いです。

では、回し蹴りをした後にイザナミは黄泉のゾンビたちを召喚し。


私のターン!と言いながらイザナギを襲わせました。

しかしさすが神様!

迫り来るゾンビたちを避けて逃げました!!」


「これインパクト勝負だっけ?何で某ファラオの台詞が出てくるの?

其れよりなんでただ逃げるの?男なら戦え~!」


「妻を傷付けたくないからとかでは?

で、そのあとイザナミはその坂にあった大岩で黄泉比良坂を塞ぎ引きこもりました。

その後彼らは悲しいことに離婚したのです…ヨヨヨ


ちなみに彼女の娘である天照大御神も同じようなことをしたので

この引きこもり癖は筋金入りだと思います!!」(ドヤァ)


「マッテ、マッテ!

引きこもりって何?!仮にも神様だよね?!

どこぞの平和の女神の影響?!

娘も同じ様な事やったって…アレなの?女神の間の密かなブームとかだったの?!

ってかヨヨヨって口で言うものじゃない~!」


ノンブレスで言いきりましたね…


さすがですディア!すばらしい肺活量です!!


「これで私の話しは終わります。いかがでした?」


「ぜエ、ハア、突っ込み所が多すぎて疲れた…


ねえ、リーン、チョット気づいたんだけどさ、

これあの神話に似てない?

オルフェウスとその妻エウリュディケの話し。

神様じゃないけどながれは殆ど同じだよね?」


「最後の引きこもりの部分は残念ながらありませんけどね。」


「其処!残念がらない!

いや~陽も言ってたけど似てる神話って探せばあるんだね~

後、愛の為に黄泉の国に逝って覚悟を見せるって意味ではエロス神の妻プシヒだよね~」


行ってが逝ってに聞こえたような…気のせいですね!間違ってませんし!


「確か美の女神アフロディ-テがペルセフォネへのお土産を渡しに行かせたのですよね。

アレはどちらかと言うと嫁・姑問題がメインでは?」


「そう言われればそうだよね~」


《ダメダメ!そんな人生~》


「ア!私だ御免。

チーフ~?如何したんですかこんな夜中に…

ハア!明日ー!?ちょッ私久しぶりのやすm、

ボーナス?行きます!!はい、朝5時に其方にまいります!それじゃ!」


ピッ


「如何しました?ディア?」


「ゴッメーン!ホテルの仕事入ったから準備をしに帰らなきゃ!

あと4時間しかない!

また今度ね!」


「はい、また。」


「んじゃ~かえるね~」


ああ、最後の仕上げがありましたね。


「ディア、「ん~?」


帰るとき後ろを振り向いてはいけませんよ?

や く そ く 、

です。」


「へ?!」


「それではヨイタビヲ。」


「ええ~!」


よし!タイミングばっちり!

ちゃんとドアが閉まる瞬間に言えました!

扉の向こうで混乱してる声が聞こえますけど

大丈夫でしょう!


やはり最後は百物語らしくしなければ!

さあ、部屋を片付けに行きましょう。


このとき私は知らなかったのです。

次に彼女に会うときに地獄が待っている事を…


なんてね!

 

タイトルはホラー

中身は神話メイン

しかしその実態は…

ただの雑談だー!!

の、お話です。

時系列で投稿しようと思いましたが…


ジケイレツッテナンデシタッケ?←オイ


感想お待ちしております!(ぺこり)

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